コミュニティマネージャーが夏でも鍋をし続ける理由
加藤さんは現在、SHIBUYA QWS以外にも様々なコミュニティに関わっています。その中の一つが、同じく渋谷にある100BANCHというコミュニティです。
加藤さん:ここで月に1回「鍋番地」っていうイベントをやっていて。これはみんなで鍋を食べるっていうイベントなんだけど、毎月必ず夏でも鍋をするんです。
というのも、鍋をつくるのはプロセスから誰でも参加できる余地がある。スキルとか関係なく鍋を食べるために準備して、鍋を囲ってみんなで食べる。話題がなくても参加できる敷居の低さと、コミュニティで共有できる体験を作れることがめちゃくちゃ重要なんです。
前回のコーヒーマシンも今回の鍋も、コミュニケーションを生み出す装置としての食の活用がコミュニティにおいてとても有効だということが見えてきました。しかし、食にはさらに強力な力があると加藤さんは語ります。
食の内容に主催者の価値観が現れる
加藤さんが代表を務めるポップアップに特化したメディアPOPAP(ポパップ)が主催し、Mo:takeでケータリングを行ったイベントに「POP-UP業界大新年会」があります。これは2020年1月24日に開催されたポップアップストアなどのポップアップ業界を盛り上げるために開催されたイベントです。
このイベントを加藤さんにコミュニティマネージャーの立場から、食の役割という視点で解説してもらいました。
加藤さん:POP-UP業界大新年会では、今後ポップアップ業界を盛り上げるために必要な人たちをつなげて、企業やチームの垣根を超えた関係性をつくることを目指して開催しました。
というのも、ビジョンをつくって業界を動かしていくためにはその業界にいる人々の個人ベースでの信頼関係がすごく重要で。だからこのイベントも、これをきっかけに一気にみんなに友だちになってもらおう、と。
この時、食で何を出すかっていうのは主催者の価値観をやビジョンを表すことでもあって。例えば、フードをピンチョスで出すか大皿で出すかでコミュニケーションは変わるし。金額も高ければいいってわけでもないんですよね。
場のコンセプトと会のコンセプト、そして来る人達のことを考えてケータリングを設計する加藤さん。細かい部分では、参加者に飲料メーカーの人がいればそこの会社のドリンクを仕入れておくなど、提供するドリンクのメーカーにまで気を配るそうです。
次世代のコミュニティマネージャーが育つ場を作っていきたい
今回、コミュニティマネージャーの加藤さんを食の面からご紹介しました。そんな加藤さんがこれからチャレンジしたい事はなんなのでしょうか。
加藤さん:コミュニティマネージャーをする時に意識しているのが、コミュニティに来る人をコミュニティマネージャー個人にではなく場と結びつけることです。つまり、SHIBUYA QWSに来たいと思う人が「加藤翼がいるから行きたい」ではなく「SHIBUYA QWSが魅力的だから行きたい」と思ってもらえるようにすることです。
そう加藤さんが考えるのには、コミュニティマネージャーという仕事を始めた時に同じように考えて行動できる人が周りにほとんど見つからなかったという加藤さん自身の体験が根幹にあります。
加藤さん:前の仕事から今の仕事に移った時に初めて、自分が持っているスキルセットはコミュニティマネージャーに向いていると気づいたんです。
ただ、この仕事をする中で一人では手が回らなくなって仲間を増やしたいと思った時に、コミュニティマネージャーをできる人が周りにいなかった。なので新しく「コミュニティマネージャーの学校」を立ち上げて次世代が育つ環境づくりをはじめました。
今でもその思いは変わらずにいる加藤さん。これからは特に、コミュニティマネージャーの成長の階段を整備したり、様々なコミュニティをめぐりながらコミュニティマネージャーとして成長できるジョブローテーションの仕組みを作ったりしていくことに興味があるそうです。
次回は7/7(火)に公開予定です。
次回は今回ご紹介した加藤さんの食へのこだわりと次世代を育てたい想いから、加藤さんとMo:takeがコラボレーションした時に生まれる未来の可能性についてご紹介します。(つづく)
– Information –
SHIBUYA QWS(渋谷キューズ)
平日:8:00~23:00(最終受付22:30)
土日祝:9:00~22:00(最終受付21:30)
https://shibuya-qws.com/