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コーヒースタンドを起点とした場づくりの舞台裏
2023.10.27. | 

[Vol.2]クラファンで大人気!「珈琲急須」の魅力を直に伝えたい。ひまわり堂POPUPレポート

クラウドファンディングで先行発売し、目標金額に対して6773%という驚異的な支持を集めたひまわり堂の珈琲急須。珈琲急須で淹れたコーヒーは、まろやかでコクのある風味です。vol.2では珈琲急須の生まれた経緯や、onestopとのコラボレーションについてお伝えします。

急須でコーヒーを淹れる。陶器のプロが形にしたアイディア

「毎日をちょこっとHAPPYに」をモットーに、日常使いできるテーブルウエアや花器を開発、販売するひまわり堂CAFEは、老舗の陶器販売会社「共信」のオリジナルブランドです。

ひまわり堂CAFEが珈琲急須のアイディアを考案したのも、老舗ならではのつながりから。愛知県常滑市の陶磁器会社から、「急須でコーヒーを淹れるとおいしいんですよ」と話を聞いたのがきっかけなのだそうです。急須で淹れることで、ドリップフィルターのごみが出ないのも大きな利点。これはぜひ商品化して、たくさんの人に体験してほしい。みんなで囲む食卓に、みんなで楽しめる珈琲急須をつくりたい!そんな思いから開発はスタートしました。

また、先行販売としてクラウドファンディングにも挑戦。6773%という驚異的な支援を得て、珈琲急須は世に躍り出たのです。

 

実際に手にとってみてほしい、だけどなかなか場所がない

現在、珈琲急須が手に入るのはオンライン販売のサイトか、不定期に開催される催事のみですリアルな場でお客様が珈琲急須を体験できる接点がほしいと考えていた古木さんからの相談を受けてonestopが考えたのが、お客さんに実際に淹れてもらうポットサービスならぬ急須サービス。珈琲急須を手に取るだけでなく、実際にコーヒーを淹れる、飲むという体験を通して、味を知ってもらうことができます。カフェという場所だからこそできる魅力発信のスタイルです。

「ご自分で淹れてもらうスタイルのせいか、興味をもってくださるお客さんも多くて、『これはどこの商品ですか?』などと聞かれることが多いですね」と大石さん。

「ひまわり堂さんはPOPUPをやるのがはじめてなんです。カフェを訪れるお客さんにとっても珈琲急須ははじめての体験。『商品やサービスホルダーが新たに”リアルな舞台”でチャレンジできる場”』をコンセプトにしている私たちが、”はじめて”が出会う場所になれたことを嬉しく思っています」とonestopの大石さんは話します。

 

抽出を待つ3分に、「この時間がいいよね」との声も。

シェアオフィスの1階にあるSWITCHSTAND HATSUDAIは、ワーカーのお客さんが中心です。忙しい一日を過ごす人たちに、珈琲急須はどんなふうに迎えられているのでしょうか。

「実は、ふだんのコーヒーもスタッフが1杯ずつドリップしてからお出ししているので、待ち時間は変わらないんです。むしろ、自分の手で抽出する時間を楽しんでいただけているようで、『この時間がいいね』と言ってくださるかたもいます」

少し気になっていたことも伺ってみました。珈琲急須はフィルターが本体に直接組み込まれている一体型です。コーヒー粉が急須の中に残ってしまい、洗いにくいような気がします。POPUP期間中、毎日使っている大石さんに聞いてみると、

「たしかに、ペーパーフィルターに慣れていると洗うときに少し気を使いますが、かなり細かいステンレスフィルターを使っているので、目詰まりなどの心配はありません。」

とのこと。また、さらに美味しいコーヒーを簡単に楽しめるようにと、フィルター部分や形を改良中なのだそうです。実際に使ってみて改良点を見つけ、よりよい形を探っていく。老舗らしいものづくりのこだわりを感じます。

 

「毎日をちょこっとHappyに」がモットーのひまわり堂CAFE。珈琲急須は、使い手の気持ちに寄り添ったアイディアと、それを形にするたしかな技術から生まれました。急須で淹れる面白さや、抽出を待つ間の静かな時間、ふつうのコーヒーとはまったく異質のコクとまろやかさは、忙しい私たちの毎日を楽しい体験で彩ってくれそうです。

 

– Information –

ひまわり堂CAFE

ライター / 八田 吏

静岡県出身。中学校国語教員、塾講師、日本語学校教師など、教える仕事を転々とする。NPO法人にて冊子の執筆編集に携わったことからフリーランスライターとしても活動を始める。不定期で短歌の会を開いたり、句会に参加したり、言語表現について語る場を開いたりと、言葉に関する遊びと学びが好き。

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