2021.03.09. | 

[Vol.2]野菜で「楽しい」が広がる場を増やしたい 農家 島崎保夫さん

「もしかしたらできるかも!?」と、SNSでたまたま見かけたMo:takeの坂本の投稿をきっかけにつながり、フードトラックでお弁当を販売するマルシェを実現した、国分寺アグリタリオの島崎さん。坂本と作ったその場は、温めていた想いをより広げるきっかけにもなったようです。

住んでいる人が
心地よく思えるように

[Vol.1]でもご紹介したように、島崎さんは農家として野菜を育てるかたわら、不動産業も営んでいます。大切な野菜と先代から受け継がれてきた土地について語るその姿は、300年続く農家の息子としての責任感の強さものぞかせます。

 

島崎さん:地域に貢献したいという思いがあります。僕は社会人になって20年間、アパレル店で働くなど競争の世界で働いてきました。でも、地域では勝ち負けではなく、住んでいる人たちが住みやすさを感じられるように動くことが大事です。昨年開催したマルシェにしても、ただ多くの人に来てもらうだけではなく、お店や地域が持っているストーリーを大切にしたい。その良さが引き立つことで地域の価値も上がると思うんです。

 

たとえば、お気に入りのお店がいくつもあって、時々、新しいお店も仲間入りして。この地域に住んでいることにうれしさを感じたり、誰かに自慢したくなったり。住んでいて飽きないどころか、どんどん魅了されていく。

 

島崎さん:不動産の仕事を通して、まちをつくりたいという思いがあります。効率を追い求めるのではなく、国分寺にしかない良さを引き出しながら、国分寺というまちをみんなで完成させていくんです。

 

300年も続く農家の息子として、代々受け継がれてきた農業と土地を守りながらの事業展開は苦労も少なくないのではないでしょうか。でも、島崎さんはそれを感じさせません。

 

島崎さん:楽しいんです。いろいろなお店や地域とつながるのはもちろん、こうした取り組みや課題は僕だけの代で完結することはなく、3代、4代続けてようやく解決できることが多い。その中で自分が決めたことに挑戦しながら発見を得られるのは楽しいですね。

 

 

人の想いを食で表現する。
そのこだわりを誰かと一緒に形にする

島崎さん:Mo:takeの坂本さんは、最初マルシェのことを相談した時に、「農業とお店をつなぎたい」「ストーリーを大切にしたい」という僕の話を丁寧に聴いてくれて、「これはMo:takeじゃないと表現できない」と積極的に力を貸してくれました。

坂本さんたちは、人の想いを食でどう表現するかにこだわり、コミュニケーションのタッチポイントとなる料理をたくさん生み出してきたプロフェッショナルです。僕の想いを食で地域の人たちに届けたい、それに農業で人とお店をつなげようとしている僕をおもしろがってくれたんです。一緒にマルシェを作っていた時はうれしくて気持ちがはしゃぎましたね。

マルシェでは、私達が育てているキャベツやほうれん草、大根など野菜をふんだんに使った「島崎農園BENTO」を作ってくださったり、島崎農園で作った柿からオリジナルの和菓子を「梅香亭」の長沼さんと一緒につくってくださったり。坂本さんはどんどんアイデアが生まれていく方なので、目の前で形になっていって爽快でした。

 

 

お店とお店、人と人、
地域と地域がつながりあっていく

「自分たちで考えて、形にしていくのがおもしろい」と話す島崎さん。「もしかしたら、次回はマルシェというタイトルではないかもしれません」と続けます。

 

島崎さん:坂本さんが「カーニバルのようなものもおもしろいですね」って言ってくれるように、もっと表現の場を広げたいですね。2回目は1回目よりもプレイヤーが増えて、パワーアップしているから、今度は新しいチャレンジとして「食べるシーン」をお客さんに楽しんでほしいです。もちろんコロナの感染対策をしっかりとして。どれだけ僕たちが非日常を提供できるか、手探りしながら追求したいです。

出張もできると地域のつながりも広がりますよね。たとえば、今回のマルシェでは府中から「FLAT STAND」が来てくれましたが、逆に島崎農園の野菜たちが「FLAT STAND」がある府中に行く。そこで地元の農家さんの野菜も一緒に販売してもらえたら、地域の人たちにそこでしか体験できない食の世界を提供できるかもしれません。

 

島崎さんの野菜をきっかけに、地域と地域、お店とお店がつながっていく。そこから、地元の人にとっての新たな楽しみや心地よさが生まれていくことがイメージできます。

 

島崎さん:たとえば赤キャベツなど彩りの鮮やかな野菜があります。「なんだろう」と足をとめて、ほかの野菜も見てくれる。その時にお店の人とコミュニケーションを取ることで新しい食べ方を知ってもらえるかもしれません。新たな美味しさの発見につながる可能性もあります。僕たちのマルシェは、そんなきっかけが生まれる存在になれるといいなと思います。

 

次回は3/16(火)に公開予定です。
島崎さんが思い描く世界と新たなアイデア、また野菜や食への想いについてさらにお聞きします。

 

– Information –
島崎農園アグリタリオ
Facebook: https://www.facebook.com/agritario/

ライター / たかなし まき

愛媛県出身。業界新聞社、編集プロダクション、美容出版社を経てフリーランスへ。人の話を聴いて、文章にする仕事のおもしろみ、責任を感じながら活動中。散歩から旅、仕事、料理までいろいろな世界で新しい発見をすること、わくわくすること、伝えることが好き。

Mo:take MAGAZINE > [Vol.2]野菜で「楽しい」が広がる場を増やしたい 農家 島崎保夫さん

Mo:take MAGAZINEは、食を切り口に “今” を発信しているメディアです。
文脈や背景を知ることで、その時、その場所は、より豊かになるはず。

Mo:take MAGAZINEは、
食を切り口に “今” を
発信しているメディアです。
文脈や背景を知ることで、
その時、その場所は、
より豊かになるはず。

みんなとともに考えながら、さまざまな場所へ。
あらゆる食の体験と可能性をきりひらいていきます。

みんなとともに考えながら、
さまざまな場所へ。
あらゆる食の体験と可能性を
きりひらいていきます。

さあ、いっしょに たべよう

OTHER SERVICE

様々な形で「食」が生む新たな価値を提供します。

ブランドサイトへ