2021.12.21. | 

[Vol.1]採れたて野菜との楽しい出会い。アグリタリオのプチマルシェ訪問レポート

都心から中央線で20分の国分寺。暮らしの街でもあり、住宅地と農地が隣接する近郊都市型農業の街でもあります。そんな国分寺産の野菜や、野菜を使ったフードを楽しめる「アグリタリオのプチマルシェ」が、今年も開催されました。当日の模様をレポートします。

冬晴れの日曜日。新鮮な国分寺野菜に出会えるマルシェ

三角屋根のテントの下に並ぶ、色とりどりの野菜。周りにはクリスマスカラーのガーランドが揺れています。フードトラックも並んで、まるでお祭りのようーー。

アグリタリオのプチマルシェは、国分寺で300年続く「島崎農園」のブランド「アグリタリオ」の野菜を主体とし、国分寺の農家さんがつくった野菜も直に買えるイベントです。

木箱やかごに入ってきれいにディスプレイされている野菜たち。大根や白菜などおなじみの冬野菜に混じって、何やら見慣れない野菜もあります。驚くのが、とてもつやつやしていてみずみずしいこと!

それもそのはず、どれもみな、当日の朝に畑から収穫してきた「朝採れ野菜」なのだそう。「今朝は特に冷え込みも厳しかったので、よく締まってみずみずしい野菜が揃ってますよ!」と近くにいたスタッフさんが教えてくれました。

「何をやっているんですか?」と興味を持って立ち寄る人もいれば、マイバッグやマイかご持参でやってくる人もいます。マルシェの開催は今回で3回目。新鮮な野菜を目当てに来場する人が、少しずつ増えているようです。

 

見えてくるのは、自然と向き合う難しさと面白さ

取材とはいえ、見ているだけなんてもったいない!買い物かごをもって、気になる野菜をチェックしていくことにしました。

いざ買おうと思うと、とにかく種類がたくさんあって、あちこち目移りしてしまいます。ほうれん草はさっと茹でてお浸しにして、白菜は蒸し鍋に良さそうだな、いや、生でサラダにしても美味しそう……。いきいきした野菜の姿を見ていると、食卓に乗せた時のイメージもふくらんできます。

中でも気になったのが「コールラビ」。初めて見る野菜です。キャベツやカブを連想させる不思議な形で、色は緑と赤紫の2色あります。ごつごつした見た目からは味の想像がつかなかったのですが、そばに貼ってあるポップには「バター炒めにすると美味しい」と書いてありました。こんなふうにおすすめの食べ方を教えてもらえると、目新しい野菜でも気軽に手を伸ばせます。

 

野菜の種類を数えてみたら、なんと30種類以上ありました。さまざまな種類が並ぶ畑を想像するだけで楽しい気分になりますが、育てる上では大変さもあるのでは?マルシェの主催者、島崎さんに聞いてみました。

 

島崎さん:今日並んでいる野菜は、このマルシェに合わせて種を蒔きました。栽培期間が長いものだと半年前から育ててきています。野菜は完成までの期間が長く、天候にも左右されるので、なかなか計画通りにはいきません。思うように育たず、間に合わなかったものもあります。やってみないと分からない部分が大きい。難しいし、そこが面白いですね。

 

野菜の背景に、自然を相手にする難しさと、だからこそ生じるクリエイティブな面白さが見えてきます。

 

野菜の美味しさに<楽しさ>を仕掛けて地域に貢献したい

数年前に実家の農業を継いだ島崎さん。マルシェに向けて何をつくるか、どうやって育てるかは、国分寺の先輩農家さんに相談しながら進めてきたといいます。

 

島崎さん:国分寺で珍しい野菜をつくっている農家さんといえば清水さんです。新しい野菜にどんどん挑戦していて、どんな野菜のことにも本当に詳しい。なんでも教えてもらってます。

 

郊外都市型農業の土地柄か、国分寺の農家さんはもともと農業祭などへの出展の機会も多く、イベントに合わせた商品づくりの経験が豊富なのだそうです。

 

島崎さん:マルシェで珍しい野菜を置いているのは、スーパーの買い物とは違う非日常を楽しんでほしいという思いからです。とはいえ、ただ置いているだけではお客さんはなかなか手が出ません。去年は清水さんに店頭で直接食べ方の説明をしてもらったのですが、今年はおすすめの食べ方をポップにして置いてみました。マルシェを機に、新しい野菜の魅力を知ってもらえたら嬉しいですね。

 

お話を伺っているうちに、目玉商品の「バーニャカウダセット」が完売しました。レジに並ぶ人たちも、かごをいっぱいにしています。中には段ボールに詰めてもらっている人もいて、人気のほどがうかがえます。やはり、実物を見たり、農家さんからお話を聞いたりしながら野菜を買える機会はいいものですね。

 

島崎さん:マルシェは、国分寺の野菜や生産者の存在を知ってもらうきっかけになればいいなと思ってやっています。品質の良さに加えて<楽しさ>の仕掛けをすることで、より多くの人と接点ができる。そこは、異業種経験の長かった僕が役に立てることだと思っているんです。

 

次回は12/28(火)に公開予定です。
昨年に引き続き、マルシェにはMo:takeプロデュースのお弁当とお菓子が並びました。どちらもアグリタリオの野菜を使った当日のみの限定販売です。マルシェの楽しい魅力をさらに引き立たせる、その仕掛けに迫ります。

– Information –
島崎農園アグリタリオ
Facebook:https://www.facebook.com/agritario/
Instagram:https://www.instagram.com/agritario/

ライター / 八田 吏

静岡県出身。中学校国語教員、塾講師、日本語学校教師など、教える仕事を転々とする。NPO法人にて冊子の執筆編集に携わったことからフリーランスライターとしても活動を始める。不定期で短歌の会を開いたり、句会に参加したり、言語表現について語る場を開いたりと、言葉に関する遊びと学びが好き。