2019.09.03. | 

Mo:takeも出展! さまざまなケータリングを、見て、味わって知ってもらう「ケータリング ライブ トウキョウ 2019」

ケータリングサービスを提供する各社が一堂に会する体験型ケータリングイベント「ケータリング ライブ トウキョウ 2019」(主催:会議室.COM)が8月19日、新橋で開かれました。Mo:takeも出展し、フードクリエイターでブランドマネージャーの坂本英文(さかもと・ひでふみ)と、Mo:takeを運営する株式会社Yuinchuの代表小野正視(おの・ただし)が基調講演。華やかで美味しそうなフードが会場を彩ったイベントの様子をお伝えします。

ケータリングというツールを使い

“食のあるコミュニティ”を増やしたい

「ケータリング ライブ 東京」の開催は、2018年に続いて2回目。このイベントを企画・運営し、東京で貸し会議室やホールの運営管理を行っている株式会社インフィールドの初瀬広壮(はつせ・ひろあき)さんは、「ケータリング業界の横のつながりを作り、業界全体でバリューを生みだし、動くようなきっかけにしたかった」と語ります。

 

初瀬さん弊社は貸し会議室のコンサルティングやマネージメントをしていますが、10年ほど前はクライアントにケータリングを提案してもほとんど響きませんでした。ケータリングって何? デリバリーと何が違うの? という感じでね。

それが、ここ数年、弊社が運営する会場でのケータリングの実施実績が増加し、付加価値としての「ケータリングの利用」が少しずつ定着してきたと感じています。一方で、それぞれのケータリング会社から素晴らしいプランをご提案をいただけるようになってきた半面、業界全体としての浸透度はまだこれからという側面もあるように感じています。

そのような現状の中、貸し会議室業界とケータリング会社のつながりも深くなってきているこの時期に、主催者・来場者とケータリング業界が、互いに情報共有ができたらいいなと企画したのがこのイベントです。デパ地下みたいにいろんな会社に出展してもらって、みんなで食べながら体験できるようなイベントになったら、一気にケータリングの認知度が上がるんじゃないかと思ったんです。

 

イベントに出展した各社のブースを見ていると、どれも華やかでデザイン性が高いのは共通していますが、その中にもそれぞれ個性があり、こんなにさまざまなケータリングサービスがあって、こんなに色々なワクワクがあるんだ、と驚きます。

 

初瀬さんケータリング会社さん自身の見せ方が洗練されていく中で、「こういうことをやってほしい」という要望に各社とも応えられるフェーズになってきていると感じますね。そして、主催側の「こういうことをやりたい」というニーズも年々増えてきており、また新たな見せ方がしっかり生まれてきていると思います。

私は、スポーツでも医療でも、どんなジャンルでも、食を介することでコミュニティが良くなっていくと信じています。Mo:takeを運営するYuinchuの小野さんとも、コミュニティを作るときに「食を絡めましょう」と考える人が増えていくといいなと話しています。

 

 

「美味しい」からこそ、

地域の人や課題が身近になる

3つのフロアで展開されたイベントでは、基調講演や、出展社と来場者が出会うミートアップも開かれました。Yuinchuの小野と坂本が登壇したのは、「〜もったいない〜と〜おすそわけ〜の文化が導く『食×イベント』のこの先。」をテーマにした基調講演です。

講演では、Yuinchuの事業の中でも、イベントに食を組み込むことでさらにイベントの魅力を高める「Mo:take PLUS」、そのイベントや食にまつわる人のストーリーを発信する「Mo:take MAGAZINE」などを紹介。その後、フードロス対策やSDGs(持続可能な開発目標)につながる事例として、獣害というちょっと重たいテーマを、楽しく美味しく知ってもらおうと企画した「けものカフェ」や、東北大震災で被災した宮城県石巻市を拠点とした若手漁師集団「FISHERMAN JAPAN」のトークショーを聴きながら、漁師が釣った魚をその場で料理して食べた企画について紹介しました。そして、それぞれの思いや意図について、次のように話しました。

 

小野:「けものカフェ」は、獣害という問題についてリアルに訴えるより、「こうすると美味しく食べられるよ」と味わってもらう方が、地域課題を身近に感じてもらえると思ったんです。

 

坂本:イノシシやシカの肉はケモノ臭いのでは、という抵抗がある人が多いので、普段みんなが食べているハンバーガーとかホットドッグという身近なものにすることで、とっつきやすくすることを一番に考えてメニューを考えました。

 

小野:「FISHERMAN JAPAN」のイベントでは、参加した人が「どうやって取れた鮭なのか、といったストーリーを漁師さんから聞いたことで、より美味しく感じた」と言ってくれたんですね。食事って、その時の気持ちによって味にも影響が出てくることを改めて感じたので、課題も含めたさまざまな情報を発信したいと思い、Mo:take MAGAZINEをはじめました。

 

 

代表として、フードクリエイターとして、
それぞれのこだわり

そして、Mo:take MAGAZINEを編集するときに大事にしていることについても触れました。

 

小野:食という分野で発信していくときに、同業のライバルと戦うような小さなことにとらわれるのではなく、さまざまな生産者や料理人にフォーカスして、一緒に盛り上げていく時代になっていると思います。良くできることは、みんなでもっと良くしていこうよ、と。なので、イベントのレポートを載せる時も、Mo:takeの坂本シェフがイベントで提供した料理の写真よりも、そのイベントを通して何を伝えたいのか、ということにフォーカスして記事を載せたりします。

国分寺の小さなカフェ「SWITCH」で、地元国分寺の野菜の美味しさを伝えるイベントをした時も、現地で採った野菜を坂本がその場で調理しました。そこでも、ライブで調理する“見せ場”よりも、野菜を作っている人たちがどう息づいていて、そこで採れた野菜がどれだけ新鮮で美味しいものなのか、ということが伝わる構成にしました。

漁師のストーリーを知ったらより料理が美味しくなったのと同じように、Mo:take MAGAZINEの制作側の意図を知ると、記事をより面白く感じるかもしれませんね。

 

講演の最後には会場から、Mo:takeの“食べられる土”などを意識したと思われる「奇抜なアイデアは、敬遠されるか面白いと思われるかが紙一重ですよね」という質問が寄せられました。これに対して坂本はこんな風に回答していました。

 

坂本:僕が考える食というのは、人と人とのコミュニケーションのきっかけです。なので、僕が大事にしていることは、それを目の前にした時に「面白い」とか「楽しいね」と思えるかどうか。その食事がそこにいる人たちの話題のひとつになるかどうか。その中でも一番大事にしているのは、自分自身が面白がって考えられているか、というところなんです。

ライター / 平地 紘子

大学卒業後、記者として全国紙に入社。初任地の熊本、福岡で九州・沖縄を駆け巡り、そこに住む人たちから話を聞き、文章にする仕事に魅了される。出産、海外生活を経て、フリーライター、そしてヨガティーチャーに転身。インタビューや体、心にまつわる取材が好き。新潟市出身

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