2022.04.07. | 

[Vol.3] カレーとイラスト。コミュニケーションツールとしての共通性。「DAHON CURRY」 dahon(ダーホン)さん

「キャンプ」から生まれた人のつながりをベースに、カレーのクリエイターとしても、イラストレーターとしても、驚異的なスピードでスタートを切ったdahonさん。最終回は、Mo:takeとdahonさんが共同開発したカレーについて、Mo:takeの坂本も交えてお話を伺いました。そして話題はdahonさんの今後の展望へ。カレーとイラスト、全く異なる領域で活動するdahonさんの描く未来とは?

Mo:takeとのコラボは
これ以上ないタイミングで実現

dahonさんとMo:takeとのコラボが決まった経緯を伺いました。

 

dahonさん:今回の共同開発の件は、僕が借りている会員制シェアキッチンに坂本さんがいらした時にお話をいただきました。

 

坂本:ちょっと話題のシェアキッチンで、昨年から訪問したいと思っていたんです。今年の1月にようやくお邪魔した際、「お話があります」と切り出して構想を伝えました。

 

dahonさん:お話を伺った時は嬉しくて、その場で即答しました(笑)。ちょうど少し仕事として広げていきたいと考えていた時期でもあったので、いただいたお話は僕にとっても最高のタイミングだったんです。

 

坂本:Yuinchuが運営する、ここSWITCH STAND ODAIBAのあるthe SOHOには300以上のスモールオフィスがあり、1,000人以上の方が入居しています。その1階にあるSWITCH STAND ODAIBAは、入居者のみなさんのコミュニケーションスポットとして、様々な方が集う場所になると思います。毎日来ても楽しんでいただけるよう、食に限らず色々なクリエイターさんと一緒にコラボしていきたいなと考えているところなんですが、dahonさんはその1人目。カレーというジャンルのクリエイターとして、お客さんに楽しさを提供していただきたいな、と思っています。

 

自分にない発想で美味しくなることに、興奮さえ感じる

メニューの開発はどのようにされたのでしょうか。

 

坂本:これまで、dahonさんのカレーは何度も食べさせてもらっています。dahonさんのカレーをベースにどんな要素を加えたら面白いだろうと考え、「この食材や要素を入れてみるのはどう?こういう調理法はどう?」という感じで提案させていただきました。Mo:take LABOで相談しながら試作を繰り返しました。

 

dahonさん:僕は、自分の作ったものに対して手を加えてもらうことが好きなんです。自分の中にない発想をもらって美味しくなるんだったらその方がいいし、自分がいいなと思っている方からの意見だったらなおさらです。坂本さんに僕のカレーの作り方を1から見ていただき、試作の時にいただいたアドバイスを実際にやってみたら本当に美味しくなって。「これはすごい」と興奮しましたね。

例えばここでも出すチキンカレーは、和の食材と相性がいいのではという風に考えていただきました。アドバイスいただいたとおり、仕上げに高菜漬けを刻んで入れてみたら、味の輪郭がはっきりして、日本人に馴染みのいい味になりました。あとはサバカレーに大葉を大量に混ぜ込んだのもすごかった。坂本さんのアイディアは、予想外だけど本当に美味しいんです。

 

坂本:少し個性を出しているのは、常連のお客さんが定期的に来たいと思える場所にしたいからです。最初は定番のチキンカレーとキーマカレーを交互に、ゆくゆくはデイリーで毎日異なるメニューを楽しんでいただけるといいなと考えています。

 

カレーもイラストも
バランスとりながら向上したい

 

dahonさん:基本的に、僕自身は自分をあまり「料理人」とは捉えていません。カレーもイラストも、アウトプットの手段として並列にあるんです。両方ともプロダクトとしてつくっていますが、それぞれベクトルが異なるんです。イラストは対個人。クライアントさんのためにつくるところに違いがあります。

それに対してカレーは、つくったものをみんなにシェアして楽しんでもらうという感じです。両方やりながら、僕の中でバランスをとって、折り合いをつけているという認識です。イラストはものすごく集中するのでやっぱり疲れるんですよ。そうなってきたら、じゃあ玉ねぎ切ろうかな、みたいなバランスが自分にとってちょうどいいんです。
カレーもイラストも、僕にとってはコミュニケーションツールです。両輪でバランスよく行けたらと思います。

 

dahonさんがこれから挑戦してみたいことを伺いました。

 

dahonさん:自分のカレーをECで販売したいというのがひとつ。インフラ周りを整えているところです。実は今、クラウドファンディングも企画中です。

また、今回の坂本さんとのコラボのような形でもどんどんやらせていただきたいですね。それはカレーかもしれないし、カレーから派生する何か他のものかもしれない。そんな風に考えています。

 

カレーもイラストも、「もっと上手になりたい」という気持ちから軽やかに縁を引き寄せ、今まさに波に乗っているdahonさん。dahonさんの中で、カレーとイラストはとてもきれいにつながっている世界なんだということが、お話を伺っていてよくわかりました。カレー、イラスト、さらに他の新しい何かへ。dahonさんの活動から、これからも目が離せません。

 

– Information –

DAHON CURRY @TARPtoTARP で間借りカレー屋

TARPtoTARP

〒231-0011 神奈川県横浜市中区太田町6−70 井上ビル 2F

<火曜>11:30〜15:00(なくなり次第終了)

Instagram (dahon)
Instagram (DAHON CURRY)
Instagram (イラスト)

ライター / 谷井 百合子

会社員からライターへ転向。腰の軽さで興味に乗っかる行動力で、ビジネストレンドやブックレビュー、食や旅にも題材を広げている。 目についた野菜を連れて帰り、レシピをググって調理するのが楽しいこの頃。

Mo:take MAGAZINE > [Vol.3] カレーとイラスト。コミュニケーションツールとしての共通性。「DAHON CURRY」 dahon(ダーホン)さん