2021.02.09. | 

[Vol.1]地方の生産者と都会の料理人、消費者をつなぐ仕掛け人「ドットボタンカンパニー」中屋祐輔 ×「Mo:take」ヘッドシェフ坂本英文

体験を開発する会社「dot button company(ドットボタンカンパニー)」と、「Mo:take」が、2020年10月に開かれたジビエのイベントで久しぶりにタッグを組みました。地方の生産者と都会の消費者をつなぐ食のイベントを通じて、これまでも一緒に仕事をしてきた、ドットボタンカンパニー代表の中屋祐輔(なかや・ゆうすけ)さんと、Mo:takeヘッドシェフの坂本英文(さかもと・ひでふみ)の2人に、コロナ禍で見えてきたものや、これからについて語ってもらいました。

全国を飛び回っていた毎日が
ほとんど人と合わない生活に

ー意外なことに、お二人が直接会うのは久しぶりだそうですね。いつ以来ですか?

 

中屋さん:1年半ぶりぐらい?

 

坂本:ドットボタンカンパニーが東京事務局となっているプロジェクト「ほっとけないどう」のイベントを、表参道にあったキャンピングトレーラーカフェ「エアストリームガーデン」でやったのが2019年6月だから、それ以来になりますね。

中屋さんは地域と東京をつなぐ仕事をされているので、コロナ前ってほとんど東京にいなかったですよね。今はどうですか。

 

中屋さん:一度も足を運んだことがなかった山形県の皆様と仕事をすることになったので、その時はさすがにワーケーションとして行きましたけど、それ以外は全く行ってないです。

打ち合わせもすべてオンラインになったので、今年に入ってからオフラインでの打ち合わせは、今日の坂本さんが初めてですよ。

 

坂本:え!?

 

中屋さん:1ヶ月誰にも合わないとかザラですね。去年はオフラインで打ち合わせしたのは10回もないと思います。今、業務委託を含めて社員は7人いますけど、一人は甲府在住、一人は長野ですし、昨年の2月以降、社員が出社したのは3回ぐらいじゃないですかね。

オンラインだと移動時間がない分打ち合わせを立て続けに入れられるので、画面越しに人と会う回数は倍以上になってますね。しゃべり倒して1日が終わることもあります。

4年間で関わった地域は60以上

プロジェクト数は100超!

坂本:オンラインでも遜色なく仕事をできてますか。

 

中屋さん:元々、食を通して地域の生産者と東京をつなぐイベントの企画やプロデュース、ブランディングをやってきたので、北海道とか熊本とか、物理的に離れている地域の人との打ち合わせはオンラインが基本でした。地域の生産者と東京をオンラインでつなぐイベントもやっていたので、そういう意味ではコロナになって新しくなったことはないですね。

もちろん、人間関係も含めてリアルで会った方が情報量が多いのは間違いありませんし、オンラインでは土地の持っている風土が感じられないのは大きいですね。ただ、地域の魅力を発見する、人の魅力を引き出し、伝える、という作業においては、オンラインでもできることがだいぶ増えたと思っています。

 

坂本:2017年3月にドットボタンカンパニーを立ち上げてから、どれくらいの地域と関わってきましたか。

 

中屋さん:60地域以上、プロジェクトでいうと100を超えましたね。

2017〜2018年ごろ、Mo:takeさんには、「福島の底力 究極のハンバーガを全力で食す会」で福島産の食材を使った究極のハンバーガーをプロデュースしてもらったり、獣害を身近に感じてもらうイベント「けものカフェ」のメニューをプロデュースしてもらったりしましたが、それ以降も、関わる地域だけでなく関わる内容も増えてきました。

僕らはビジネスだけではなく、元々が災害支援がきっかけで会社を設立した背景があるので、関わるにしたがって関わる深度が深くなったり、やる内容の範囲も広がってきていますね。

 

不確実性を徹底的に排除して
コロナ禍でもイベントを実現

ー2020年10〜11月には、ジビエを通じて獣害問題を考えるイベントを開催しました。

これは、先ほども話に出たドットボタンカンパニーが手がける「けものカフェ」をベースとしたプロジェクトだったとのことですが、イベントの狙いを教えてください。

 

中屋さん:はい。都内でもだいぶジビエ食を提供するところが増えてきてはいますが、ジビエ食と地域の獣害問題は、まだまだ別問題として捕らえられています。

でも、消費者がジビエ食を味わっている背景には、北海道ではエゾシカ、九州ではイノシシやシカなどが畑を荒らすことで起こる、深刻な農作物の被害があります。シカやイノシシを仕留めているハンターや農家ハンターの存在もあります。

そんな地域のハンターや生産者と消費者との接点をジビエ料理を通じて作ることで、少しでも獣害に関心を持ってもらおうとイベントを企画しました。

 

ーーイベントは、フードトラック&カフェ、テイクアウト、デリバリーの3つの方法でジビエ料理を食べられる機会の提供と、オンライントークイベントとの2本立てでしたが、コロナ禍でイベントを企画するのはななか難しかったのではないでしょうか。

 

中屋さん:昨年3月に企画した時には、完全にオフラインのイベントでジビエをPRする予定でした。でも、コロナの感染状況が変わってきたので途中で方向転換し、この形になりました。

完全にオンラインでやる選択肢もありましたが、これまでずっとMo:takeさんと一緒にやってきたような「食との出会いの場」はなくしたくなかったんです。イベントを行う時にコロナがどうなっているか推測はできない、でも、どんな状況になっても絶対に実現させる。不確実性を絶対になくすんだ、という強い意思を持って骨格を作っていきました。

 

2/16(火)に公開予定の次回では、イベントについてさらに詳しく聞きながら、Mo:takeが提供したジビエ料理もご紹介していきます。(つづく)

 

– Information –

dot button company(ドットボタンカンパニー)
https://dotbuttoncompany.com

平地 紘子

ライター / 平地 紘子

大学卒業後、記者として全国紙に入社。初任地の熊本、福岡で九州・沖縄を駆け巡り、そこに住む人たちから話を聞き、文章にする仕事に魅了される。出産、海外生活を経て、フリーライター、そしてヨガティーチャーに転身。インタビューや体、心にまつわる取材が好き。新潟市出身