2020.10.20. | 

[Vol.2]「とうもろこし」と「東京」、「遊び」と「仕事」をつなぐ、YATSUGATAKE DRIVENの試み

リモートワーク、ワーケーションといったキーワードが世間を賑わす2020年。Mo:takeの運営会社であるYuinchuから、新しいプロジェクトが生まれました。
「YATSUGATAKE DRIVEN」。東京と八ヶ岳エリアをつなぎ、人やモノの行き来を通じて新しい価値を生み出すプロジェクトです。
Vol.1に登場した生とうもろこし農家のHAMARA FARMさんとMo:takeの出会いも、実はこのプロジェクトから。
Vol.2では、YATSUGATAKE DRIVENの発起人、株式会社カントリーオフィス代表の高橋さんにお話を伺いました。

「これ、八ヶ岳でできませんか?」から始まった

小野:YATSUGATAKE DRIVENのそもそものきっかけをくれたのが、高橋さんなんです。ぼくらが手がけているSHOOTESTっていうロケーションサービスを見て、「八ヶ岳でこういうロケ地をつくっていくことはできませんか?」って声をかけてくれたんです。

 

高橋さん:ぼくは動画撮影の会社をやっていて、地元が八ヶ岳なんです。自然が豊かで開放的な空間ですし、東京から2時間という立地もいい。制作チームがばーっと行って撮影できたらいいんじゃないかと思ったんですよね。

 

小野:その時は「いいねー」ぐらいで話が止まってたんですが、直後にコロナが来た。

 

高橋さん:東京での撮影環境が一気に厳しくなったんです。ロケにも行けない、スタジオも密になっちゃいけない、という。

 

小野:それで、止まっていた話が動き出しました。ところが、高橋さんの話を聞いていると、どうもこれは、ただ「ロケ地を誘致する」という単純な話ではない。高橋さんの中に、八ヶ岳に寄与できることをもっともっとやっていきたい、という気持ちがあることに気づいたんです。

 

東京にあった撮影の現場を八ヶ岳に移す。それは要するにどういうことなのか。大事にしたいことは何なのか。そこから、小野さんたちの探求が始まりました。

 

高橋さん:考えていって出てきたのが、「東京に拠点を置きながら、八ヶ岳に行って生産活動をする」という動き方です。東京だけでやっていくのに限界を感じる部分もある。でも東京を完全に離れたいわけではない。自分のもっている時間を何割か分けて、八ヶ岳で生産活動を起こす。そういう形を考えました。

 

 

人間的な活動+経済的な活動=「生産活動」

小野がふと口にした「生産活動」という言葉。それは、どんなことなのでしょうか。

 

小野:八ヶ岳に行くからといって、のんびりしにいくわけではないんです。あくまで何かを生み出す目的で行く。ただ、「経済活動」って言うほど事業モデルつくってゴリゴリやって、というイメージでもない。人間らしい活動が多め、経済活動は少なめな感じで何かを生み出す活動を、「生産活動」と呼んでます。その内容自体は、「新規事業で100万稼ぐぞ!」でもいいし、「草刈りするぞ!」でもいい。東京で「あれをやろう」って決めてきたことを八ヶ岳でやってもいいし、何も考えずに八ヶ岳に来てから決めてもいいんです。

 

高橋さん:たとえば、先日のもろこしシェイクは、地元とのつながりから生まれた生産活動だと言えますよね。

 

小野:HAMARA FARMの折井さんたちは、「とうもろこしの旬が短い」という課題を持っていました。そこに僕たちが入っていって、商品開発のスキルや、東京に場を持っている、東京での「口コミ」から始まるPR戦略を知っているという強みを、ソリューションとして提供した。これが、ぼくらの言う「生産活動」です。

 

高橋さん:八ヶ岳にある良いプロダクトを、もっと良くして東京に持っていって、東京の人に知ってもらう。それは、八ヶ岳の企業単体では難しいことです。ぼくらが入ることで東京を出口とする戦略が取れるようになる。八ヶ岳でプロダクトをもっている人たちに、そこを「いいな」と思ってもらえたら嬉しいですね。

 

 

「面白い」「やってみたい」を起点にドライブする

YATSUGATAKE DRIVENを進めていく上で、大事にしているポイントがあるのだそうです。それは、「自分たちがやりたいかどうかを基準にする」ということ。

 

小野:「ぼくらが地方を変えていく」とか、「この状況を変えていかなくては」といった、変な責任感や義務感からは自由でいたいんです。自分たちが面白いと思うことをやっていったら結果として社会のためにもなっていたらしい、という感じがいちばんいいと思っていて。

 

高橋さん:それと、「東京ではこれができなかった」みたいなネガティブさも、向こうには持っていきたくないですね。

 

小野:そうですね。コロナの影響でいろいろやりにくくなっている今、本当は言いたいこともいっぱいある。でも東京であれこれ言ってる暇があったら、もう、八ヶ岳行っちゃった方がいい(笑)。

大自然に囲まれ、自分たちの「面白い」という気持ちをベースにしたYATSUGATAKE DRIVENの活動。なんとなく、のびのびとしたゆるやかな活動を思い浮かべてしまいますが、「そうではない」と高橋さんは言います。

 

高橋さん:向こう行ってる間、むしろ激務ですよ(笑)。やればやるほど激務になる。

 

小野:向こうにいる間は、本当に動き回っていますね。蕎麦食べるにも、さっさと食べて「さあ行くか!」って(笑)。地元の有名なカフェ行っても、「DRIVENのことだけどさ」って話が始まっちゃう。それは、楽しいからですよね。

 

高橋さん:自分の持ってる時間の7割は東京で、3割が八ヶ岳で、という感覚がぼくにはあります。でも、濃度は同じくらいに濃い。八ヶ岳に来たら八ヶ岳の活動に100%コミットする、という感覚なんですよね。

 

小野:そのフルコミットを、遊びも仕事も区別がないような状態でやっている。それは、楽しいからですよね。

 

次回は10/27(火)に公開予定です。
すっかり八ヶ岳にはまっている様子の小野ですが、実は元々アウトドアは苦手なのだそう。そんな小野でもはまってしまった八ヶ岳の魅力や、八ヶ岳と東京を行き来することの魅力をお伝えします。(つづく)

– Information –
YATSUGATAKE DRIVEN
https://yatsugatake-driven.com/

Yatsugatake LOCATIONs
https://yatsugatake-locations.com/

ライター / 八田 吏

静岡県出身。中学校国語教員、塾講師、日本語学校教師など、教える仕事を転々とする。NPO法人にて冊子の執筆編集に携わったことからフリーランスライターとしても活動を始める。不定期で短歌の会を開いたり、句会に参加したり、言語表現について語る場を開いたりと、言葉に関する遊びと学びが好き。