「極に振らない」
「情勢を見て重心のかけ方を変える」
中屋さん:今回、コロナ禍で振り返ってみたことに、自分たちが持っている資産って何なのかなあということがあります。そして、じゃあこの状況が長く続いた時にどういう事業展開にすれば可能性が開けるんだろう、とも考えました。
たどり着いた結論は、「極に振らない」ということです。こういう状況になると、思い切ったチャレンジをしたりとか、思い切って変えたい、という思いもあるんですけど、今はいつ何が収束するのかを判断することは極めて難しい。ということは、いま極に振って勝負をかけた場合、もう1度耐久戦をしなければならない状況になった時に耐えられなくなる、と思ったんです。
なので「極に振らない」ということで、まずは小さく始めたり、仲間を作ってその人間関係の中で新しくチャレンジをするという方向性で進めています。危機意識を相当高く持たないと、怖いですね。
坂本:うちは逆に極に振って(笑)。すべてがオンラインのコロナ禍で、あえてMo:take Laboというオフラインの場所を構えたんですけど、根本は中屋さんの考えと同じだと思っています。
というのも、僕らはこれまでもケータリングとプロデュース、商品開発、といろいろなことをして来ていて、今回、その重心を変えただけなんですよね。
中屋さんの言った通り、この先どうなるのかわからない状況だからこそ、重心のかけ方をいかようにもできる体制を今のうちにちゃんと固めておかないといけないのかな、と思います。情勢を見て、今はどこに重心を置くのかを変えていく、それが柔軟性なのかなと思います。
何が正解かわからない今だからこそ、パートナーシップが大きな力になる
中屋さん:坂本さんが言ったように、従来型のビジネスの考え方とか、自分は何々屋さんだって決めちゃったりすると、結構しんどいな、というのはコロナになって改めて感じていますね。
坂本:それは僕たちも同じことを感じました。一つの事業を通すことも大事だけれど、それをいかに柔軟に変えられるか、というのがポイントだと気付きましたね。
そういう意味では、僕らも中屋さんたちも、最初のころから“何屋”と一言で言えなかったですよね。
中屋さん:毎回、何をしている会社ですかと聞かれると困るんですよね(笑)。「体験を開発する会社」と名乗っていますが、そう名乗っておけばある種、様々な形のことに触れる事ができる余白の大きさがありますから。
でも、自分の出発地点になっているのは震災の現場なんですよね。東北大震災で被災した宮城県石巻市を拠点とした岩手漁師集団「FISHERMAN JAMAN」のファンクラブ作りや、熊本地震の被災地で使われたブルーシートを活用したバッグ「BLUE SEED BAG」を作る復興プロジェクトなどに参画してきたので。
大地震とか豪雨って、止むを得ないじゃないですか、自然の力なんで。そういう時こそ、ものすごく変革する力が生まれるんですよね。僕はそういうのを見てきたので、これからも地域のコミュニティ作りだったり、災害の時に助け合える関係性を作っていきたい、と思っています。
そして、同じように正解がわからない、これだったら100%大丈夫、というものがないコロナ禍に置いても、今回のジビエのイベントのように協力関係とかパートナーシップを築くことで、本来だったら難しいなというお題であっても解決できることが増えてくるのかな、と思っています。
近いうちに、再びタッグを組む!?
坂本:Mo:take Laboを構えたコンセプトが、”食に特化した広告代理店”なんですよ。スタジオ機能があり、僕自身がコーディネートやスタイリングもできる、さらにスチール・ムービー撮影をして配信までできるようにしています。
プラスして、うちにはクリエイティブチームも、広報PRチームもあるので、商品開発だけでなく、素材があればワンストップで通貫して形にできるので、いろいろなところでご一緒できるかなと思っています。協力できるところがあれば、ぜひ、いつでも声かけてください。
中屋さん:今回のイベントで出したメニューをイベントだけで終わらせず、ネットで購入できるようにするのも面白いかな、と思っています。
坂本:Laboは商品開発から加工品製造もできるので、そのまま真空冷凍することもできます。そんな風に、オフラインとオンラインの二つを融合させて設計していきたいですね。
中屋さん:ちょうど相談したいことがあるので、インタビューが終わったらぜひ。
坂本:はい、よろしくお願いします!
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