一緒に食べることを楽しむ。食べる喜びをシェアする時間。
小田原にオープンする「Family Restaulant Ne;」は、大皿料理を中心としたメニューを出す予定という和田さん。以前の記事でも、レストランへの想いや特徴について語っていただきましたが、お店の横には畑があり、その畑で獲れたお野菜をつかったり、農業体験もできたりと色々と計画をしているそうです。
今回の会場が畑を持つSWITCH STAND AKABANEとなったのも、和田さんが準備をすすめている店舗に環境が似ているという理由でもあったといいます。当日は実際のレストランメニューを食べて楽しむだけでなく、SWITCH STAND AKABANEの畑で農業体験を楽しめるという特別感のあるプログラムになっていました。
会場にはお子様連れの家族が次々に来店。みなさんが揃ったところで、和田さんの挨拶と共にレストランへの想いを届け、伝えるところからいよいよイベントが始まります。
『採れたてのピーマンって、美味しいね!』農体験と共食から生まれる笑顔
イベントは農業体験からスタート。参加者のみなさんは、「SWITCH STAND FARM」(畑)へ移動し、早速「さつまいも掘り」と「ピーマンの収穫体験」を親子で楽みます。「さつまいも堀り」では、土に深く埋まったさつま芋を掘り出そうと、親子が一緒になって土を堀りながら、どんどん収穫していきます!
「やったー!!」「おぉ!!お芋が獲れたね!」こんな親子の声があちこちで聞こえてきたり、苦労をしてゲットしたお芋をもって喜ぶ子供と一緒に喜ぶパパ・ママの姿も多く見られました。
今回は「さつま芋掘り」だけでなく、さつま芋の味の違いも体験してもらおうと「収穫したてのもの」と「収穫後10日ほど時間をおいたもの(追熟※1)」の食べ比べも用意。お野菜は収穫したてが新鮮で美味しいと思われがちですが、さつま芋は、逆に寝かした方が甘味が増して美味しくなるそうです!食べ比べをしたみなさんからも、“追熟のほうが甘い”という声がでるほど違いを体験した方が多く見られました!
※1:追熟(ついじゅく)とは・・・一部の果物などを収穫後、一定期間置くことで、甘さを増したり果肉をやわらかくする処理のこと。
さつま芋の隣には、緑と赤のピーマンがたくさん育っていました。芋掘りを体験した後は、ピーマンの収穫です!「収穫したらそのまま食べてみてください」スタッフの方にそう促されると、子供も大人もピーマンを“パクッ”と一口。ここで驚いたのが、収穫したての生のピーマンは、苦味もなく、みずみずしくて美味しいということ。
「SWITCH STAND FARM」では野菜やハーブが育てられていますが、すべて無農薬で育った野菜とのことで、収穫したらそのまま食べられるんですね!親子でピーマンを食べながら、「美味しい」を共有し合う瞬間にほっこりしました。
中にはピーマンの味に虜になって、3つ、4つ食べているお子さんもいました。「このあとご飯食べられなくなっちゃうよ」そんな親の言葉は美味しいピーマンの前では無力のようです!(笑)
お待ちかねのランチタイム。笑顔が溢れる家族の食卓
畑での収穫体験を終えて、店内にもどると美味しそうな香りが。朝から着々とお料理の準備を進めていたのは、以前、Mo:take MAGAZINEでもお話を伺ったフードクリエイターの丸山千智さんです。今回の『Family Restaulant Ne;』のメニューを監修している丸山さんも小さい頃に「子共はなんで大人と同じものが食べられないの?お子様ランチなの?」という違和感をもっていたそう。
今回、和田さんの想いに共感しながら開発したメニューは、本格的なお料理でありながらも、素材の味を引き出しながら、子供が食べやすい味付けにこだわっているそうです。
野菜が主役!素材の味を活かした食べやすい味付けのメニュー
コースで味わう贅沢なランチの時間がはじまると、お料理が提供されると、和田さんが一品ずつ丁寧に説明をしていきます。お野菜を中心としたこの日のメニューは、5品。畑で採って追熟させておいたさつまいものスティックフライ、季節の野菜を使ったサラダ、収穫した空芯菜とナスのトマトソース煮、収穫したピーマンを使った特性タルタルソースをかけた鯵と鯛のフライ、玉ねぎがメインの洋風すき焼き。どのお料理も素材の味を活かしつつ、子供も食べやすい優しい味付けにしているという工夫がされているから、どのテーブルも共食を楽しみながら豊かな食事の時間が流れていきます。小さいお子さんのためには、「さつまいもと鶏肉のひき肉で作ったおかゆ」の離乳食が用意されていました。
「おいしいね!」「すごく食べやすい!」「なにこれ!?すき焼き?(笑)」コースメニューを楽しむ参加者の声が聞こえてくる店内。運ばれてくるお料理を取り分けて、みんなで同じ食事を楽しみながら、“美味しい”、“楽しい”をシェアする時間。和田さんが作りたかった世界が、このイベントで現実のものになっていました。
初めは、「どんな反応なのか」と緊張した様子も見せた和田さんやスタッフのみなさん。でも、参加者のみなさんの楽しそうな様子を見て一安心。お料理の提供も落ち着いた頃には、和田さんもスタッフの皆さんも、安心した様子で参加者と笑顔でコミュニケーションをとっていました。
子供と一緒に楽しめる外食の時間を提供したい。
美味しいね、楽しいね、そんな会話が自然と聞こえてくる店内。まだお話ができない小さな子どもも美味しいものを食べれば笑顔になってしまう。そうした現実を目の当たりにした今回のイベント。改めて和田さんに今回のイベントへの想いやこだわった点などを伺いました。
−−イベントお疲れ様でした!今回のSWITCH STAND AKABANEでのイベントについて感想を聞かせてください!
和田さん:構想段階から初めての実践の場ということでとても緊張しました。(笑)けれど、その緊張も束の間で、実際に始まってからは収穫体験も食事の時間も自分の中で思い描いていた親子で幸せを共有する温かい光景が広がっていて、この上なく幸せな気持ちになりました。頑張ってここまで活動を続けてきてよかったな、と少しだけ今までの苦労が報われました。
−−『family restaurant Ne;』は、大人と子供がおなじ食事を楽しむというのがコンセプトですが、今回のコースメニューでみなさんの反応はいかがでしたか?
和田さん:大人も子供も満足度が高い食事は日常的に料理をしていても、なかなか良い落とし所に出会えなくて、丸山シェフとも何度も試作をしては息子に食べてもらって、味付けや食材の大きさなど研究をしてきました。結果として、多くの子供たちも食べられて、大人もお酒を飲みながら楽しめるランチコースを仕上げることができ、何より嬉しかったのが、後日、来てくださったお客様から「子供が産まれてから小さな子供との食事は準備や食べさせることに必死で、家族で食事を楽しむことを忘れかけていたけど、今回のイベントで家庭での食卓の時間も見直したいと思った。」と言ってくださる方がいたことです!お店での時間が家族の時間を見直すきっかけになれたことはとても価値があることだと思い、信じている方向性に自信を持つことができました。
−−今回のイベントを通して、これからのイベントなどに活かしたいと思うことはありますか?また今後に向けて意気込みをお願いします!
和田さん:今回は野菜を収穫してから食事をするという食体験を企画してみましたが、改めて子供たちに食材に触れる機会を与えることは食への興味が増して良い刺激になると感じました。
野菜は新鮮だと抜群に美味しいからこそ、子供たちがよくなってしまう野菜嫌いを克服するのに野菜の新鮮さは鍵になると感じたので、小田原で店舗ができた時も畑を活用して親子に豊かな食体験を提供していきたいと思いました。お店ができるのが2025年12月とまだ先になるのですが、いろんな形で食を軸にしながら親子の時間が豊かになる場を作っていくので是非みなさま遊びにお越しいただけると嬉しいです。
おとなとこどもが一緒に同じ食事を楽しめる食事をコンセプトとしたレストラン『Family Restaurant Ne;』。「食べることは生きること。外食の時間を喜びをシェアする時間にしたい」これは真剣な眼差しで冒頭の挨拶をした和田さんの言葉。
今回のイベントで、誰もが笑顔になる空間を目の当たりにした時、子供は子供のたべもの、大人は大人の食べ物ではなく、同じものを食べて喜びをシェアする時間は誰にとっても大切な時間だと感じました。これからオープンを迎える『family restaurant Ne;』は、そんな大切な時間が自然にうまれる唯一無二のファミリーレストランとなりそうですね。
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