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意外と知らないローカルフード
2025.10.30. | 

【愛媛】愛媛で祭りのあとに食べる新名物!|意外と知らないローカルフード

食の歴史や文化、そして土地の魅力がぎゅっと詰まった“地域の味”を再発見して楽しく紹介する「意外と知らないローカルフード」。このコーナーでは“誰もが知っているあのメニュー”ではなく、知る人ぞ知るローカルフードや、昔から変わらないその土地ならではのこだわりの逸品、時代を超えて今もなお愛される一皿、その「食」の背景にある物語をひも解きながら、その地域ならではの味とは何なのかをカジュアルにお届けします!

第15回となる今回は『愛媛』。徳島の「阿波(あわ)おどり」、高知の「よさこい祭り」とともに、「四国三大祭り」のひとつに数えられるお祭り「新居浜太鼓祭り」が、今年も例年どおり10月16日から18日まで行われました。

約300年以上の歴史を持つこの祭は、いくつもの豪華絢爛な太鼓台を150人ほどの男衆が担ぎ、町を練り歩く勇壮な姿が見どころ。各地区の太鼓台が一堂に会して担ぎ上げを競う「かきくらべ」や、ぶつけ合いの迫力と豪快さから、岸和田だんじり祭、播州秋祭りと並ぶ日本三大ケンカ祭りのひとつともされる一大イベント。この時期を目掛けて愛媛を訪れた人も多いはず。

ということで、愛媛に行くなら食べたいものを調べてみましょう!

愛媛といえば、みかんだけじゃない!

さて、愛媛といえば、瀬戸内の海の幸やみかんに代表される柑橘類がまず思い浮かびます。しかし、愛媛の食文化を語るうえで欠かせないのが「鶏料理」です。

例えば、今治市では焼き鳥は串に刺さず厚い鉄板でプレスしながら焼き、素早く香ばしく仕上げる独自のスタイルがあり、さらにいろいろな部位の鶏肉を骨付きのまま揚げた「せんざんき」と呼ばれる唐揚げを食事のシメに食べるのがツウだとか。

そして近年、愛媛で局地的にじわじわと人気を集め、観光客にも知られ始めている鶏肉料理があります。それが四国中央市を中心に提供されている「揚げ足鳥(あげあしどり)」です。言い間違いに厳しいイヤなヤツ…ではありません。この一品は、愛媛の新しいソウルフードと呼ぶにふさわしい迫力とおいしさを誇ります。

 

豪快・新ソウルフード「揚げ足鳥」。

揚げ足鳥は、鶏の足 -つまり骨付きもも肉を豪快に高温の油で一気に揚げ上げるのが特徴です。皮はパリパリに仕上がり、ひと口かぶりつけば中から熱々の肉汁があふれ出し、鶏本来の旨みが広がります。

塩と胡椒によるシンプルな味付けを基本に、お店によってはニンニクやスパイスを効かせた下味をつけたものもあり、肉のジューシーさをさらに引き立てます。揚げたてを手づかみで豪快に食べるスタイルこそ、この料理の醍醐味。熱気と香ばしさをまとった骨付き肉を豪快に持ち上げる瞬間、旅の疲れも吹き飛ぶような高揚感が味わえます。

この料理は、お隣香川県は丸亀市の「骨付鳥」とよく似ています。丸亀の骨付鳥がオーブンや鉄板で焼き上げるのに対し、揚げ足鳥は油で揚げることで独自の味わいが引き出されます。

香川に隣接する四国中央市ならではの交流の中で、「焼く」を「揚げる」にアレンジしたともいわれ、地域の飲食店がそれぞれ工夫を重ねながら、徐々に広がりを見せてきました。焼きとはひと味違う食感と香ばしさがあるので、ついでに香川も訪れて、食べ比べてみるのもアリですね。

 

熱狂の後、ビールと一本がおすすめ!

最後に、揚げ足鳥を味わう際の定番の付け合わせを忘れてはいけません。それは「生キャベツ」です。揚げ物ならではの熱気と油のコクを、生キャベツのシャキッとした食感とみずみずしさが見事に受け止めてくれます。

食べ進めるうちに油っぽくなってしまった口の中が、さっぱりとリセットされ、揚げ足鳥を最後の一口まで飽きることなく楽しめるのです。お店によっては柚子胡椒やレモンが添えられ、さらに爽やかな風味を加えてくれることもあります。

また、揚げ足鳥を提供する店は、それぞれが独自の味付けを誇ります。ニンニクと黒胡椒を効かせたスパイシー系、甘辛いタレを絡めた照り焼き風など個性豊かなだけでなく、もちろんビールやハイボールとの相性は抜群なので、新居浜太鼓祭りでケンカ祭りに熱狂した後は、ちょっと四国中央市まで足を延ばして、揚げ足鳥で打ち上げするのも良さそうです。

ライター / Mo:take MAGAZINE 編集部

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