2022.01.21. | 

[Vol.1]「食」を通して人々が”今よりちょっと幸せになる”お手伝いがしたい フードプロデューサー 小川弘純さん

フードプロデューサーの小川弘純さん。飲食店の空間やアイテムの監修など、「食」にまつわることに幅広く携わっています。もともとまったく別の業界で働いていたという小川さんが、「食」に関わることになったのはなぜなのでしょうか。実は以前から深い関わりがあるというMo:takeの坂本も交え、お話を伺いました。

アパレルから「食」の世界へ
企画から運営まで一貫して経験

まずは、小川さんのご経歴からお聞きしました。現在に至るまで、どのようなことに携わってきたのでしょうか。

 

小川さん:大学卒業後、アパレル企業に入社しました。営業からスタートして、数年後からは全ブランドの統括も兼務し、所属していた10年間で小売業と卸売業の両方を経験させていただきました。

「食」に関わる仕事を始めたきっかけは、グリーンスムージーです。友人の奥さんがグリーンスムージーをアメリカから日本へ持ってきた第一人者で、日本で広めるのを手伝ってほしいと言われていたときに、飲食店や商業施設のプロデュースなどを手掛けるコンサルティング会社から声をかけていただき、入社して本格的に活動を始めました。

グリーンスムージーの事業をやりながら、同時にほかの案件を通してプロデュース業のいろはを学ばせていただきました。また、その会社が手掛ける鎌倉のカフェレストランで、1年間店長を任せていただいて。朝のコーヒー淹れから、庭の手入れ、スタッフへの指示出し、在庫管理まですべてやりました。

プロデュース業は、店舗が完成したら終わりというケースが多いですが、企画段階から業態開発、運営まで一貫して見ることができたので、とてもいい経験になりましたね。

 

フードプロデューサーとして独立
Mo:takeとビジネスパートナーに

小川さん:その後、友人が「EAT TOKYO」という、シェアオフィスを中心にイベントやワークショップを通して「食のクリエイティビティ」を発信する会社を経営していたのですが、僕もメンバーに加わることになり、チームを再編成して、シェフ・プロデューサー・ディレクター・経理・デザイナーの5人で、「食」に関わるさまざまなビジネスを展開していきました。独立したのは、そのタイミングです。

 

坂本:小川さんとMo:takeが出会ったのもその時期ですよね。

 

小川さん:仕事終わりに一杯飲む仲から、「一緒に何かやりたいね」という話になって、仕事でもプライベートでも関わる時間が増えていきましたね。

 

坂本:Mo:takeがケータリングビジネスを始めたばかりで、アドバイスをいただいたり、ネタを出し合いながら仲良くなっていったんですよね。

 

実際に、おふたりは一緒にビジネスをされたのでしょうか?

 

小川さん:4年前、恵比寿の飲食店のオーナーになった際に、昼の時間帯をMo:takeさんにお貸ししていました。そこは、いま昼は「麻婆咖喱麺 マーリー軒」夜は居酒屋「小川酒店」として営業しています。

 

坂本:3年ほどお借りしていました。ケータリングビジネスが伸び出した頃だったので、毎日バタバタで。いろいろご協力いただいたし、ご迷惑もおかけしました。

 

小川さん:あの勢いはすごかったです。昼間に行くと「何羽さばいてるんだ」ってくらいチキンが山積みで、業者の回収が追いつかないからいつもダンボール箱が溢れていて。こんな話しちゃっていいのかな(笑)。

 

坂本:いいんです。「実はこういうことがあった」というB面の話っておもしろいじゃないですか。

 

いつまでも心に残る体験を
「食」には1日3回もチャンスがある

小川さん:B面でいうと、「食」に関わる仕事を始めたきっかけはグリーンスムージーだったと言いましたが、実は、今後はファッションより「食」の方がモテるだろうと思ったところもあるんです(笑)。有名ブランドの服を着て、高い時計を身につけているよりも、おいしいお店や料理をワンランクアップさせる方法を知っていた方がモテるんじゃないかと。10年経ったいまでもその仮説が正しかったかはわかりませんけどね(笑)。

 

坂本:そうだったんですか(笑)。でも、おいしい食事は心を豊かにしてくれますよね。「今日の晩ご飯はあれを食べよう」とか、「1週間後のデートはあの店に行こう」とか、そういう楽しみって生活の中でも食事以外であまりない気がします。

 

小川さん:ビジネス目線でいうと、「食」は一番チャンスが多いんですよね。入浴や睡眠はだいたいの人が1日1回ですが、食事は1日3回。しかも、生きていくためには必ず必要なものですから。そのなかで、「食」の選択肢を増やしたり、新しい食体験を提供できたらと思っています。

 

坂本:Mo:takeでも、まさに同じことをやりたいと考えていて。テーマは「食体験のアップデート」。食体験を通して、人々の気づきのきっかけをつくっていきたいと思っています。

 

小川さん:いつまでも心に残る食体験ってありますもんね。フードプロデューサーという仕事をしているからには、誰かが「食」を通して今よりちょっとでも幸せになる、そんなお手伝いができればと思っています。

 

次回は1/25(火)に公開予定です。フードプロデューサーの小川さんがホテルをプロデュース?そのきっかけと空間の特徴やこだわりを詳しく聞いていきます。(つづく)

 

– Information –

小川酒店
Facebook:https://www.facebook.com/ogawasaketen.jp/
マーリー軒
Instagram:https://www.instagram.com/marleyken.ramen/
鈴廣かまぼこ
HP:https://www.kamaboko.com/

ライター / 上條 真由美

長野県安曇野市出身。ファッション誌・テレビ情報誌の編集者、求人広告のライターを経て、フリーランスとして独立。インタビューしたり、執筆したり、平日の昼間にゴロゴロしたりしている。肉食・ビール党・猫背。カフェと落語が好き。

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