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Mo:takeクリエイターに教わる、どこよりも細かいレシピ
2022.05.26. | 

[Vol.1]茹で汁の塩加減は「おいしい濃さ」。アーリオ・オーリオ・エ・ペペロンチーノ|Mo:takeクリエイターに教わる、どこよりも細かいレシピ

「簡単な料理はするけれど、味には自信がない」という料理初心者の石川優奈が、Mo:takeフードクリエイターに弟子入り。通常のレシピには、当たり前のこととして詳しく書かれていない「どこよりも細かいレシピ」を教わることで、本当に美味しく仕上げるテクニックやコツを教わります。

今回のMo:takeフードクリエイターは、Mo:takeオーナーシェフで、イタリアンを得意とする坂本英文です。初心者が最初に覚えるレシピの代表格がパスタ料理。「簡単」なはずなのに、「お店の味」と違うなと思ったことはありませんか? その違いって、なんでしょう?「Mo:take」ヘッドシェフの坂本に、どこよりも詳しく教わっちゃいましょう。

アーリオ・オーリオ・エ・ペペロンチーノ 基本のレシピ

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<材料 2人分>
・パスタ(リングイネ)200g
・ニンニク 2片分
・タカノツメ 2本
・オリーブ油 大さじ2
・ツナ缶 1缶
・アスパラ 4本

<下準備>
1)パスタの分量を計る
2)ニンニクをみじん切りにして、オイルにつけておく
3)タカノツメのタネを取る
4)アスパラの根本の皮をピーラーでむき、1cm幅の斜め切りにする
5)ツナ缶のオイルを切って出しておく

<作り方>
1)お湯を沸かして塩を入れる
2)オイル、ニンニク、ツナ、アスパラでパスタソースを作る
3)パスタを茹でる
4)パスタとソースを合わせる
5)皿に盛り付ける

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さあ、ここから本当においしく仕上げるために、どこまでも細かくレシピについて聞いていきます!

 

ペペロンチーノの正式名称は…?

石川:自分で作ったパスタも普通に「おいしい」とは思うんですが、お店で食べると全然味が違うんですよね。なので、坂本さんにイチから教わりに来ました!

 

坂本:では、パスタ作りの基本を「ペペロンチーノ」で紹介していきましょうか。ちなみに「ペペロンチーノ」はタカノツメ(唐辛子)の意味。正式な料理名は「アーリオ・オーリオ・エ・ペペロンチーノ」と言います。「アーリオ」はニンニク、「オーリオ」はオイル(オリーブ油)。ニンニクとオイルとタカノツメが入っているということですね。

 

石川:今回はアスパラとツナも入っているんですね。

 

坂本:基本はニンニクとオリーブ油、タカノツメが入っていれば「アーリオ・オーリオ・エ・ペペロンチーノ」なので、あとはお好みのものを入れていきます。野菜はその時季の旬の野菜が入るとよりおいしいですね。ブロッコリーやズッキーニなどでもいいと思います。ツナは手軽に購入できますし、うまみがあってどんな食材とも相性がいいのでおすすめです。

 

今まで雑にしてごめん……。ニンニクの扱いは丁寧に

 

石川:あの……。ニンニクのみじん切りが面倒なんですけれど、どうやって切っています?

 

坂本:玉ねぎをみじん切りにするときに、端を残して縦に筋を入れてからその切れ目と垂直に包丁を入れて刻んでいきますよね? それと同じように切ると、ニンニクもみじん切りになりますよ。

 

石川:ほんとだ。今まで適当にやっていました。そうすると大きさがバラバラになったりして。

 

坂本:刻んだニンニクの大きさを揃えるのが、実は重要なポイントなんですよ。詳しくは後ほど伝えますね。ニンニクは刻むと香りが出やすくなるので、今回は香りを生かせるみじん切りにします。

 

石川:ひとかけをギュッとつぶして入れるときもありますよね?

 

坂本:それでも香りをオイルには移せるのですが、どちらかというと風味づけをしたいときのやり方ですね。今回は、ニンニクも主役の一つなので、主張させるためにみじん切りにします。

 

石川:刻んだニンニクはオイルづけにしているんですか?

 

坂本:ニンニクは酸化しやすく、色も変わってくるので、刻んだらオイルにつけておくといいんですよ。これは2片分の刻みニンニクを大さじ1のオリーブ油(分量外)に入れています。

 

石川:ニンニクって、繊細なんですね。今まで雑に扱ってきたかも。ちょっと反省です……。

 

失敗しない! 初心者がやるならリングイネがおすすめ

石川:今回のパスタはリングイネなんですね。スパゲッティしか使ったことないかも。

 

坂本:初心者だったらリングイネがおすすめです。ちょっと太くて断面が楕円状になっているパスタです。スパゲッティよりも太いパスタなので、少し時間をかけても伸びにくいんですよ。

 

石川:初心者だと手際が悪いので、パスタを茹でた後、若干まごついちゃうこともあります……。伸びにくいパスタだと落ち着いてやれそうな気がします。

 

坂本:太くて断面が楕円状になっていてソースも絡まりやすいので、ちょうどいいバランスなんです。パスタそのものの味わいも感じられますし、おいしいペペロンチーノができますよ。

 

パスタの茹で汁は「飲んでおいしい」濃さで

坂本:じゃあ、作っていきましょうか。プロは「1)お湯を沸かして塩を入れる」と「3)パスタを茹でる」をやっている間に「2)オイル、ニンニク、ツナのペペロンチーノソース」をつくりますが、作り慣れていない人はソースを作り終わってから茹でる方が安心です。

 

石川:慣れてきたら、パスタを茹でている間にソースを作ればいいですね。では、早速、お湯を沸かして塩を入れます。このときの塩ってどれくらいですか、いつも迷っています。料理本などを見ると、「海水の濃度で」と書いていますよね?

 

坂本:海水の濃度は3.4%くらいですから、まあ、3%くらいですかね。でも、僕はそんなに濃くしないです。

 

石川:え? そうなんですか? とはいえ、私も料理本に従ったことはあまりないです……。では、どのくらいの濃さがいいんですか?

 

坂本:これは、ズバリ、飲んでみて「おいしい」と感じる濃度です。

 

石川:茹で汁を飲む?のですか?? やったことないです……。じゃあ、飲んでみます。……あれ? おいしい……!

 

坂本:実は塩水だけでも美味しさを感じられるんですよ。ソースを作るときもこの茹で汁を使うのですが、飲んでみて美味しいと感じられる程度の塩の量にしておけば、ソースにも良い加減に塩味をつけられるんです。海水くらいの塩分濃度のお湯で茹でるとパスタ自体に塩味をしっかり付けることはできますが、あとで味の調整ができないので、茹で汁はもう少し少なめの濃度が理想ですね。飲んで確認したら、塩が多いとしょっぱいし、少ないと物足りなさを感じられるはずです。ですので、「おいしい」と感じるくらいの塩分濃度がベストなんです。

 

石川:「おいしい茹で汁」を目指します!

 

塩は天然塩。日本のものよりヨーロッパのものがおすすめ

坂本:茹で汁に塩を入れるのは、塩味をつけるためだけではないんですよ。

 

石川:そうなんですか? では、何のために?

 

坂本:実は、塩を入れることでグルテンが反応するので、パスタにコシが出るんです。

 

石川:塩分控えめの方がいいイメージがあって、これまで「おいしくなるおまじない」程度に適当に入れていました!でも、実は偉大な役割があったんですね。

 

坂本:おまじないじゃないです、ちゃんと目的があって入れています(笑)。塩の種類は、イタリアやフランスなどのヨーロッパの天然塩がおすすめですよ。僕はイタリアのものを使っています。

 

石川:イタリア!おしゃれ塩ですね……。とはいえ、同じ塩なら味はそんなに変わらないのでは?

 

坂本:日本の塩は「にがり」の成分が多めなんですよ。それは、日本は多湿なのでしっかり火入れをして乾かしているからなんです。その点、ヨーロッパの天然塩は時間をかけて天日干しで作られているので、にがり成分が飛んでいくんですね。ミネラルも豊富なので、パスタにはヨーロッパの天然塩をおすすめしています。

 

石川:なるほど! イタリアの天然塩を使うのには理由があったんですね。ただのおしゃれじゃなかった(笑)。さあ、次はソース作りですね。

 

坂本:と、ここでお時間きました。続きは次回です!

 

石川:まだ、パスタに触ってもいないですよ?

 

坂本:おいしい料理にするためには、材料のチョイスと下準備が8割! この後の工程のための重要ポイントは、既にいくつかクリアしていますよ。

 

次回は、いよいよ、パスタの茹で方とソース作り! 知れば実践したくなる、ちょっとしたコツでおいしさをアップさせます。お楽しみに!

次回は5/31(火)に公開予定です。

 

ライター / 東 麻吏

紙媒体の専門誌副編集長、webメディアの編集長を経て、フリー。ライティングや編集のほか、コンテンツコンサルとしてメディア制作・運営のサポートや「伝える講座」も行う。個人活動で親子のハイキングイベントを主宰。

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