産後のご家庭への調理サポートは、すぐに召し上がっていただける常備菜のつくりおきがほとんどですが、食材を「切るだけ」「ゆがいてあるだけ」が喜ばれることもしばしばあります。
サポート先のAさまの妹さんがお2人目をご出産された際、私も何度かお会いしたことがあったため、お祝いを考えていました。何が良いかAさまにお伺いしたところ
「うちの材料で、ひらつかさんが調理したものを送ってあげたい」とリクエストをいただきました。
「お料理が大好きな妹なので、完全に出来上がったお料理よりも茹でただけのお野菜など、きっとうれしいはず」とAさん。
Aさんによれば、「妹は何でも手作りで、一人目のときにボーロを手作りしていたんですよ」とのこと。あの小さな、シャクシャクしたたまごボーロを手作りです。すごい(笑)。安心安全な食べ物をお子様に食べさせたいというお気持ちが高いのだなぁ、と思いました。
そんなAさんの妹さんに喜んでいただくには、自分で手をかけられる余地があったほうがよさそうです。そこで、シンプルに野菜を茹でておくだけの「茹でシリーズ」に決定。ほうれん草、さといも、インゲンなどをご用意しました。
お台所に立ち、全部の工程を自分で調理することは、産後の身体にとってなかなかの負担です。それでもご自身でできる限りお料理されたい方は、半調理のものがあるだけで助かります。
たとえば、鶏ひき肉の肉団子とスープ、カット済みの野菜があれば、スープを火にかけ、肉団子と野菜を投入すればお鍋が完成します。野菜はシャキシャキして召し上がりたいという方も、これならばご自分の好みにつくることができます。
とは言え、材料が切ってあるだけでは、何を作ったらいいのかわからない、ご家庭によっては半調理がご負担になり、ついには「化石」化してしまうことも……。
刻んだ薬味や、小松菜はよく使われる素材ですので、少々乱暴なご提案かなと思いつつも、迷われたらお味噌汁の具に使ってくださいとお伝えしています。
お浸しなど、味付けはしないほうがいいかな、と思って聞いてみると「すぐに食べられるように味付けまでしてください」というリクエストをいただくこともあります。詳しく伺ってみると、
「食べることも大切だけど、上のお子さんや、赤ちゃんのお世話で向き合う時間をできる限り優先したい」とのこと。
完全につくりおきの方がいいのか、半調理の方がいいのかは、ご家庭によって変わります。こんな風に、ドゥーラとして、会話を通してご家庭の様子を伺い、状況に合わせて寄り添っていくことの大切さを、日々感じています。