SERIES
コーヒースタンドを起点とした場づくりの舞台裏
2020.01.21. | 

[Vol.3]連結し、広がり続けるお店。TARPtoTARPはキャンプの可能性の入口だった

これまで2回にわたってTARPtoTARPを紹介してきた連載もいよいよ最終回です。オーナーの須山さんが中心に置くキャンプの魅力、つながることの価値、そして食のもつ可能性。これらのパズルのピースを組み合わせると、どんな未来がやってくるのでしょうか。Vol.3ではMo:TakeとTARPtoTARPがコラボした先に生まれる可能性をご紹介します。

僕自身がキャンプ業界のビジネスチャンスの入口になりたい

キャンプを軸にしてつながった人々と、キャンパーの未来を作っていくTARPtoTARP。Vol.2で、須山さんは「キャンパーがハッピーになれる未来が浮かぶかどうか?」を特に大切にしていると話していました。

同時に、須山さんにはこんな想いもあるそうです。

 

須山さん:1人のキャンパーとして僕が必要だと感じる”かゆいところ”の先には、ビジネスの可能性もあると思ってるんです。そこはむしろ積極的に狙ってほしいと思っています。

 

例えば須山さんは「プロの手で味付けされたキャンプ用の料理」が足りていないと感じているそうです。冷凍されていたり、真空パックされていたりと保存が効いて持ち運びやすく、キャンプ場に着いたらあとは焼くだけ・温めるだけで食べられるフード。須山さんの中ではこの種類のアイテムで満足行くものにはまだ出会えていないと言います。

 

須山さん:TARPtoTARPでは、キャンプを通じてつながる時にお互いが商売としても成り立つしキャンパーが幸せになるのであれば是が非でもやりたい。そう思って一人ひとりとつながっていきたいと思ってるんです。

 

 

食はキャンプを知らない人へとつながる架け橋になる

前回の記事で須山さんはキャンプにおける食の可能性を、同じキャンプを過ごす人たちの共通体験を濃くする重要な役割にある、と話していました。さらに食には、キャンプに来た人にとっての可能性と、もう1つキャンプに来たことがない人にとっての可能性もあると須山さんは語ります。

 

須山さん:食が持つもう1つの可能性に、キャンプに来たことがない人へつながる力があると思っています。人間、誰しも食事をするので、食という切り口であればキャンプに興味がなかった人ともつながれるきっかけになるんです。

 

例えば、過去に須山さんが関わった商品の中には、日常の中にあったものを食という接点から、逆にキャンプに持ち込んだものもあるそうです。

 

須山さん:このECO KITCHEN CLEANERという洗剤(写真中央)は、もともと家庭用の洗剤だったんです。100%植物由来の成分を使っていて環境にも優しい洗剤って商品だったのですが、ある時ふと、これがキャンプ場にあると便利だと思ったんです。

 

この洗剤を扱っているメーカーと以前からつながりがあった須山さんは早速、キャンプ用の商品化を進めます。

 

須山さん:キャンプ場って必ずしも水場が近くにあるわけじゃないし、真冬なんか指先が凍るほど水が冷たくなったりするんです。そんな時、これを吹きかけてさっと吹くだけでキャンプ場での洗いが完結したらめちゃくちゃいいのでは?と思って。

 

今ではヒット商品になっているこの洗剤。こんな風に、食という切り口が加わることで、新しくつながるきっかけを作ることができます。それは同時に、キャンプの魅力をより多くの人に届けることにもつながります。

 

 

例えば、マルシェ。例えば、フェス。可能性はどこまでも広がっていく。

最後に取材を通じて、須山さんにはMo:takeに期待してることを聞いてみました。

 

須山さん:僕は人を感動させることを大切にしたいと思っています。その人が得意なことを発揮してもらって、相手をすごく驚かせる何かを一緒に仕掛けていきたい。

Mo:takeさんには食の分野で、僕らキャンパーが持っているキャンプ場の食の常識を覆してくれるんじゃないか。そんな予感があるんです。

 

私たちMo:takeにとっても、須山さんの「お互いがハッピーになるつながりを広げていく」という価値観はとても共感するものでした。

取材の場では、キャンプ場でのケータリングや料理レシピの開発など、今後のコラボアイディアについて話し合いました。他にも、シェフやクリエイターなど、もっといろんな人を巻き込んだら、さらに面白いことができそうだね、など、アイディアは尽きませんでした。

「でも、まずは一緒にキャンプに行きたいね」。そんな言葉で締めくくった今回のインタビュー。キャンプを通して人間関係やアイディアを深めていくのが、きっとTARPtoTARPらしさにつながるはずです。

コラボレーションが決まったらMo:Take MAGAZINE上でもお知らせしたいと思いますので、どうぞお楽しみに!

 

– Information –

店舗名:TARPtoTARP

住所:横浜市中区太田町6-70 井上ビル2F

「TARPtoTARP」の看板が出ているビルの2階

Instagram:https://www.instagram.com/tarptotarp/

営業時間:12:00-20:00

※ 変動する場合があるので事前にInstagramでご確認下さい

定休日:日月火

※ 臨時休業する場合があるので事前にInstagramでご確認下さい

ライター / 和輝 齋藤

1991年生まれ。築地の市場でせり人の見習いから社会人を始めた不思議な経歴の持ち主。現在は「齋藤商店」の屋号でワークショップデザイン中心にライター・カメラマンをするフリーランスとして活動している。趣味は5人以下しか集まらない尖ったイベントを企画すること。

Mo:take MAGAZINE > コーヒースタンドを起点とした場づくりの舞台裏 > [Vol.3]連結し、広がり続けるお店。TARPtoTARPはキャンプの可能性の入口だった