2019.06.04. | 

[Vol.2]“自由な”カレーで食の喜びを。「and CURRY」阿部由希奈×「Mo:take」ヘッドシェフ坂本英文

イベント出店やケータリングで自由に食の楽しさを伝えるand CURRYの阿部由希奈さんとMo:takeヘッドシェフの坂本英文。そのバラエティ豊かなメニューは、新鮮な食材へのこだわりや、よりおいしく食べてもらうための調理の工夫に支えられていました。

[Vol.1]“自由な”カレーで食の喜びを。「and CURRY」阿部由希奈×「Mo:take」ヘッドシェフ坂本英文

[Vol.3]“自由な”カレーで食の喜びを。「and CURRY」阿部由希奈×「Mo:take」ヘッドシェフ坂本英文

多様なメニューを支える食材へのこだわり

—and CURRYでは毎回出すメニューが違うとのこと。常に新しいメニューを開発し続ける中で大切にしていることを教えてください。

 

阿部さん:今もチャレンジしている最中なんですが、旬の野菜とか新鮮なものを、どうやって手に入れてお客さんに提供していこうか、というところはすごく考えています。今も契約農家さんにお願いして送ってもらっていて。キッチンを開ける前日の水曜夜6時から8時の間に届けてもらうようにしています。それだと火曜日の朝に収穫したものが届くんですよ。

 

—お店を始めたころからそういう風にやってこられたんですか?

 

阿部さん:はい。わたし、もともと全然料理できなかったんですよ。ある時、旬のものを食べるってすごく贅沢なことなんだなって思って。それをお店だけでなく自分でもできたらすごくいいなって思うようになったんですよね。

野菜ひとつで味が大きく変わってくるんですよね。そこにこだわることは自分のやりたいことのひとつだなと思っているので、このお店の食材は、自然農法的な作り方でやっている農家さんにお願いして届けてもらっています。お米は青森県から、お野菜は高知県から届いています。

今、投資だと思っていろんなレストランで食事しているんですが、おいしい野菜を見つけたら、どこから仕入れているのか聞いてその農家さんに連絡しているんです。また、農家さんつながりで「ここの農家さんもいいよ」といった情報を教えていただいたり、という感じで情報収集しています。

体が喜ぶように工夫して作る

阿部さん:あと、よく噛んで食べてほしいなと思ってて。みんな、カレーだと5分くらいで食べちゃうので(笑)。よく噛んでほしいから、たけのことかも、わざと少し大きく切っています。「もっと小さい方が食べやすかった」と言われたら、心の中で「よし!」って思っています(笑)。よく噛んで、消化しやすいようにしてあげることが体にとっていいことだと思うので、それを促進させたいと思っていますね。

 

阿部さんの作るカレーには、旬のものを食べてほしいとか、自分の体が健康になるような食べ方や食べ物を選んで欲しいといった、いろんな思いが込められているんですね。

 

阿部さん:坂本さんもおっしゃってましたが、食事が楽しくなれば生きることそのものが楽しくなると思いますし、食べることを通して自分の体のことを考える時間にもなると思うので、そういう時間を大切にしてもらいたいなと思っています。自分自身でも大切にしたいなと思っているし、わたしのカレーを食べてくださったかたがそのことに気づくきっかけになったらいいなと思っていますね。

 

坂本:すごいな。

日本全国の面白い食材を見つけ出す

—坂本さんはそのあたり、いかがでしょうか。

 

坂本さん:僕もいろんな地域に行くたび、都心のスーパーで購入できるものが全部じゃないな、ということをすごく感じています。そこの土地の旬のものを食べさせていただいたら、今まで食べていたものは何だったんだと思うぐらい、面白くて魅力的なものがいっぱいある。知る人ぞ知る秘密にしておきたい気持ちもあるけど(笑)、みんなに知ってもらうことで世の中の食べる楽しみがまたひとつ増えるのかなという気持ちもあって。

そういうことにすごく興味があるんですよね。日本全国を旅しながらいい食材を見つけ出して、料理してみんなに提供することもだし、みんなが食べやすいように、食材の特徴を活かした新しいメニューを考案したい、というようなことも思っています。

 

阿部さん:そういえば、このあいだ別府で食べたオカワカメのむかごが美味しかったんですよ。それまでむかご自体、よく知らなかったんですよね。農家さんにいろいろ聞いてみると、「オカワカメのムカゴは台風がこなければ穫れるんだよ」と教えていただいたり。いろいろな条件が重なって、奇跡的に食べられるような食材があるんですよね。そこに気づけたのが最近の収穫です。

型にはまらない、完成形が見えない、スパイスカレーの面白さ

—そういう、いろんな地域の野菜とか旬のものを、なぜカレーで表現しようと思ったのでしょうか?

 

阿部さん:ネパール料理の「NEPALICO」というお店でカレーを食べた時に、「これもカレーなんだ!」って衝撃を受けたんですよね。それまで、カレーといえば欧風カレーやインドカレーのイメージが強かったので、混ぜて食べるネパールのカレーがたのしくて。そこから他の国のカレーはどんなのがあるんだろうと調べ始めたらすごく面白くて。そこから自分でも作ってみたいと思って、スパイスカレーを作り始めました。組み合わせ次第で全然味が変わるし、実験しているような気持ちになってきて。それが高じて、今の状態になっちゃってます(笑)。

カレーって自由なんですよね。型にはまった作り方がない。そこが、カレーにはまった理由かもしれません。

 

坂本さん:僕もスパイスカレーを何度か作ってみて、自由だなという感じもあるんですけど、完成形が見えないということを強く感じています。単体のスパイスの香りを嗅いでも、複数調合すればどうなるということがまったく計算ができない。これは生半可な気持ちで手を出したらやばいことになる、と思って止めてます(笑)。

 

次回は6/11(火)に公開予定です。次回は、阿部さんの今後の展望や、Mo:takeとのコラボレーションの可能性についてお伝えします。(つづく)

 

 

– Information –
and CURRY

東京都世田谷区羽根木1-21-24亀甲新い52

キッチン開放日

<木曜日>11:30〜15:00、18:00〜21:00

<日曜日>11:30〜なくなり次第終了


公式HP https://www.andcurry.com/

facebook https://ja-jp.facebook.com/andcurry/

八田吏

ライター / 八田 吏

静岡県出身。中学校国語教員、塾講師、日本語学校教師など、教える仕事を転々とする。NPO法人にて冊子の執筆編集に携わったことからフリーランスライターとしても活動を始める。不定期で短歌の会を開いたり、句会に参加したり、言語表現について語る場を開いたりと、言葉に関する遊びと学びが好き。