2018.09.25. | 

[Vol.2]カフェからはじまった、人と医療、福祉の心地いい関係-FLAT STAND-

府中市を拠点に医療福祉事業を展開する糟谷さんと、福祉の世界にいた店長の和田さん。2人がつくってきたフラットスタンドは、訪れる人たちが自然体でコミュニケーションが取れるあたたかみのある場所なのですが、その理由は、フラットスタンド自体が人と人とのつながりに支えられながら育ってきたその過程にもあるようです。

困っている人を助けたいという思いをあたためて、訪問看護の会社設立

糟谷さん:僕が理学療法士になったのは、高校1年生の時、腰の腫瘍を取り除く手術をしたのがきっかけです。そこで初めて理学療法士という仕事があるのを知りました。当時サッカーをやっていたこともあって、身体を動かすことが好きだったので興味を持って。大学を卒業してから資格を取ろうと思ったんだけど、大学の授業におもしろみを感じられなくて(笑)、親に頼み込んで大学を中退し、専門学校に通って2006年に資格を取りました。

 

資格取得後は、患者さんが手術などを経て家に帰るまでの期間過ごす回復期リハビリテーション病院に勤務。そこで、患者さんが自宅ではどんな暮らしをしていたか、これからどんな暮らしをしていくのかに興味を抱くようになったそうです。

 

糟谷さん:患者さんと接するうちに、一人ひとりにいろいろなバックグラウンドがあることを知って、もっと深く関わりたいと思うようになったんです。働く中で違和感をもっていたのは、医療者が上から目線だったこと。ある日、患者さんから「私たちもあなたたちに気をつかってリハビリを受けていることを分かってね」と言われたことをきっかけに、患者さんの大切な人生に関わる一人として、体の一部分だけではなく、その人の暮らしをみていきたいと強く思うようになりました。

 

その後、訪問看護ステーションに4年間勤務して経験を積んだ糟谷さん。その間にも、理学療法士をはじめ医療専門職のあり方を変えたい、困っている人を助けたいという思いをあたため、2015年3月に独立します。

 

 

未経験からスタート。コーヒーの淹れ方も、ゼロから学んだ

糟谷さん:フラットスタンドの構想は、地域の人と医療、福祉がつながる場として、会社設立の数年前からありました。訪問看護の会社設立してすぐにフラットスタンドも立ち上げたんですけど、あの勢いがなかったら難しかったですね。経営的な視点で考えると、今だったらこわくてできないかも(笑)。

地域の人と医療、福祉の間にある壁を取り払いたいと思ってきたけれど、最初はその距離感をどうつくっていけばいいかわからないまま試行錯誤していました。コーヒーや日本茶、ランチメニューをはじめ、フラットスタンドのカフェメニューの調理も、初心者の和田が少しずつ習得していきました。そして、時間はかかったけれど、お客さんと話をしていく中でフラットスタンドのあり方が見えてきました。

フラットスタンドを任せると決めたものの、和田は飲食店での勤務経験がなかったので、オープン前、複数のコーヒースタンドで店員として働かせてもらっていました。そのほか、Mo:take(モッテイク)さんのイベントやケータリングのお手伝いをさせてもらったりしていましたね。最初はすごく苦労したと思います。オープン当初はドリンクのみでしたが、しばらく経ったころ、Mo:takeシェフの坂本さんの力をお借りしてフードメニューを開発し、今ではフードも彼のアレンジが大きな持ち味になっています。

 

 

いよいよビレッジへ。人が自然と集まる場所をつくりたい

糟谷さん:現在の課題は和田のあとを担う人がいないことでしょうか。当初から、フラットスタンドの周辺にある建物を含めて、ビレッジ(村)をつくりたいと思っていました。さまざまな機能をもつ場所にすることで、人が自然と集まる空間をつくりたいと思っています。和田にはできれば村づくりでも力を発揮してほしいですね。そのためにも、僕たちのビジョンに共感してくれる仲間が必要だと思っています。

 

最終回は、ビレッジとは一体なんなのか、より詳しい構想を語っていただきました。糟谷さんが描く未来について、ぜひ想像しながらお読みください。

ライター / たかなし まき

愛媛県出身。業界新聞社、編集プロダクション、美容出版社を経てフリーランスへ。人の話を聴いて、文章にする仕事のおもしろみ、責任を感じながら活動中。散歩から旅、仕事、料理までいろいろな世界で新しい発見をすること、わくわくすること、伝えることが好き。