2020.02.04. | 

[Vol.1]「また来たい」と思う空間と時間を提供する。株式会社インフィールドが作る会議室のこだわり

会議室とは、机と椅子とスペースがあれば成立してしまう空間です。どの会議室も、一見すると大きな差はなさそうに見えます。株式会社インフィールドが扱う会議室は、ささやかだけれども大事な違いが沢山あります。

他の会議室とインフィールドさんの会議室は何が違うのか?なぜ小さな違いを大事にしているのか?その違いをどうやって見出しているのか。東京の貸し会議室・貸しホールの企画運営会社、株式会社インフィールドの中村さんにお話を伺いました。

インフィールドって何をしている会社なの?

 

中村さん:インフィールドでは、貸し会議室・ホールの企画と運営を行っております。ビルオーナー様は魅力的な建物を作ることができますが、その中に入る貸しホール・貸会議室の売り方や営業のプロではありません。そこで私達は、オーナー様の会場を預かり、会場のご利用希望者様とを繋げる仕事をしております。

 

家ではなく会議室の不動産屋さんに近い役割なのでしょうか。

 

中村さん:インフィールドが取り扱う会議室は、空間コンサルティングから携わっています。運営している会議室・ホールは全てデザイナーを入れて内装設計をしたり、コンセプト作りをした上で営業をしています。コンセプトがあってこその営業なので、「会場のコンセプト作りコンサルだけ」ではなく、「出来合いの会議室を営業するだけ」でもなく、設計から売るまでの全てを担っております。

 

これは、ただの「会議室の不動産屋さん」ではなさそうです。コンセプトを作り、それを具現化する内装デザインのディレクションまで行う。一般的な会議室のイメージとはだいぶ違う、「特別な空間」になることが想像できます。椅子と机があれば成立する会議室の運営に、なぜここまでこだわるのでしょうか。

 

中村さん:「普通」の会議室だと、会場を利用したいというお客様側の心に響きにくい。普通ではない魅力があると、営業もしやすいし利用者もオーナーさんにも嬉しい話なんです。

 

 

土地や来場者のペルソナに合わせたコンセプトをもつ会議室

 

中村さん:どんな人が、どこに集まるのか。ここを考える所からコンセプト作りは始まります。会場の土地柄によって、利用者が大きく変わるので、それに合わせてコンセプトを変えています。

 

たとえば、渋谷だったらIT企業のスタートアップ向け、赤坂では官公庁向け、と、その土地に集う人たちの特徴に合わせたサービスを提供しているのだそうです。

 

中村さん:ITスタートアップ向けの方の会場では、白い机ではなく濃いめの茶色、壁も真っ白ではなくクリーム色にしています。官公庁が多い赤坂では、一般規格よりも奥行きが 5 cm長い机を置いています。

 

それはなぜなのでしょうか。

 

中村さん:IT 企業の方は、常にパソコンやスマートフォンを見ているため、目がお疲れな方も沢山います。真っ白な壁よりもクリーム色の壁、白い机よりも茶色の机の方が目に優しい光になります。
また、官公庁の方は多くの書類を扱います。パソコンと紙の資料を同時に机に置くと、資料が落ちてしまったりします。そんな心配がないように大きめの机を用意しました。どちらも、言われなれけば気づかないような、ささいな点です。非常に細かい差ですが、これこそがインフィールドのこだわりです。

 

 

オーナーは思いつかない、利用者が気持ちよく帰れるためのささやかな工夫

 

ふと、部屋の片隅に置いてあるゴミ箱が目に入りました。会議室内にゴミ箱が設置されていることは稀なもの。しかも洗練されたデザインです。これはまたインフィールドらしいこだわりがありそうです。

 

中村さん:オーナー側がゴミ処理をしなければならないので、会議室にはゴミ箱を置かないケースの方が多いです。でも利用者の方はペットボトルや食べ物などを持ってきます。ゴミ箱がなければ、利用者はかばんにゴミを突っ込んでおいたり、帰り道ゴミ箱を探して歩き回ったりします。それって小さいけれどけっこうなストレスだと思うんですよね。

 

でも、ゴミ回収のコストもかかるのでは?と気になってきます。

 

中村さん:コストは勿論かかりますが、こうした小さなことの積み重ねがお客様の大きな信頼に繋がっています。
ゴミ箱設置を提案すると驚かれるビルオーナー様も多いですが、インフィールドが作る施設にはすべてゴミ箱をつけています。インフィールドでは、利用者様に気持ちよく帰っていただくためにこういった提案もしています。

 

ゴミ箱のデザインにもこだわりを感じます。会議室内の机の天板と共板を使ったゴミ箱は見た目もすっきりしていて洗練感が漂います。会議室全体のコンセプトを作り、デザイナーさんが内装設計し、利用者の体験にフォーカスしているからこそですね。

 

 

利用者のペルソナにあわせた細やかなこだわりが、「非日常感」の演出につながる

 

中村さんのお話を聞いているうちに、なぜそこまで細やかなこだわりがあるのだろう?と思い、伺ってみました。

 

中村さん:会議室って、どの会社にもありますよね。わざわざ社外に出て別の会議室を使う人々の気持ちになると、せっかく外のスペースを借りているのにそこが社内と同じような会議室だったら意味がない。どうせなら、いつもの会議室と違う非日常感があるといいですよね。「非日常」をどうやって作るのか、を意識しています。

 

非日常感を味わいたい、今までにない親交を深めたい・・・。なにが「非日常なのか」は人それぞれです。だから、インフィールドは利用者のペルソナに合わせて、土地柄に合わせて、会議室という場作りをしているのだということが伝わってきます。

これだけ細部にまでこだわってるからこそ、インフィールドは食事を提供するケータリングにもこだわっているのだそうです。

 

中村さん:インフィールドでは「どれだけリピートしてもらえるか」をポリシーに動いています。「またここに来たい」「また使いたい」と思ってもらえる場を提供したいです。
「また来たい」と思っていただくには、感動が必要なんです。会場を借りたイベント主催者はもちろんのこと、イベントの参加者の皆様にどれくらい感動を伝えられるか、満足してもらえるか、を大切にしています。

 

机とテーブルと椅子、内装デザイン。どれも大事ですが、来場者の満足度に直結するものは食べ物(ケータリング)です。来場者毎に、ペルソナ毎に、感動を呼ぶ食べ物は異なります。食べ物で、来場者の胃袋を掴みたいんです。

 

次回 2/11 (火) に公開予定です。

「感動をよぶ食べ物」ってどんなものなのでしょうか?次回はインフィールドの「食のこだわり」に迫ります。(つづく)

 

 

– Information –

会社名:株式会社インフィールド

本社住所:〒101-0062
東京都千代田区神田駿河台4-2-5
御茶ノ水NKビル(トライエッジ御茶ノ水)11階

ホームページ:https://infield95.com/

ライター / 川口 香織

1987年生まれ、東京都の下町出身。6 年間の英国留学により、イギリスかぶれの江戸っ子となる。8年間勤めた外資系 IT 企業では、一万件を超えるメール対応、ヘルプ記事の翻訳、マニュアル作成などにて「書く」を鍛えた。現在ファッションアドバイザーとして活動中。 趣味は古代ローマ史、パズルゲーム。心の声だだ漏れ系の育児ブログを書いている。

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