2020.02.25. | 

[第4回]攻めの外食、守りの自炊 ー家族の食卓で大切にしていることー

29歳で子どもを産み、母親になった界外亜由美さん。ワーキングマザー歴も10年以上になるそうです。そんな界外さんが、働きながらごはんをつくって暮らす日々の中で気づいたこと、やってみたことを語る「働いて、ごはんをつくって、たのしく暮らす」コラムです。

みなさまお久しぶりです。前回のコラム、振り返ってみたら2018年の10月に書いたきりでした。SNSで適当に発散していないで、きちんと形に残す文章を書かないと……と反省しました。すぐに「いいね!」やコメントをもらえるのって気持ちいいんですよね。承認欲求との距離の取り方って難しい……。

 

そんなことはさておき。今回のコラムタイトルは「攻めの外食、守りの自炊」です。

食事にはいろんな目的がありますよね。生きるのに必要な栄養を摂取するため、誰かと一緒に食べることで信頼関係を築くため、美味しいものを味わってたのしむため。生命維持から社会参加、娯楽まで、食事は本当に幅広い意味をもつ行為だなあと改めて感じます。

こんなにもたくさんの意味をもつ食事の中で、私は家のごはんは「守り」を担うものと決めています。それは、生きていくのに必要な栄養を摂取することを第一目的にする、と言い換えてもいいかもしれません。

1日3食食べるとして、朝と夜の2食を自宅で、昼は外で、というライフスタイルの人が多いと思います。夜も外食、朝は食べない、という人も多いかもしれません。

私自身は朝と夜の2食を自宅で、昼は仕事の合間にお店でささっと食べることが多いのですが、パンをひとつかじるだけ、なんて日も少なくないです。夜に外食をするときは、イタリアン、フレンチ、中華、焼肉などなど、食べたいという欲に任せてお店やメニューを選びます(ちなみに今日は会社のメンバーと火鍋の店に行くのです、たのしみ!)。だって、「栄養が……」と考えながらお店を選ぶのは、あんまり楽しくないじゃないですか。

そう、欲のままに外食を楽しむために、家のごはんは徹底して身体を守るものにしているのです。欲のままにわがままに外食を楽しんでも私は身体を傷つけない、のです(元ネタが分かる同世代へ向けて)。

 

私が考える「守り」のルールは簡単。

1.和食オンリー。
ご飯と味噌汁がメイン。海外の料理はお店で。

2.加工度の少ない素材。
ベーコンやウインナーの代わりに塩豚や蒸し鶏を。

3.調理の手数が少ないメニュー。
肉を揚げてから煮る、みたいなメニューはお店で。

他にもいろいろ書いたのですが、消しました。この3つを守っていたら、あとは些細なことだと感じたので。

 

砂糖やみりんを多用しないことも心がけているのですが、これはルールに入れるほどのことでもないかな。でも、砂糖やみりんを入れなくても、意外と素材の甘さだけで味がまとまることは頭の片隅に入れておくといいかも。あと、油も減らすようにしていますが、和食オンリーにすることで自動的に油は減るんですよね。パスタは油なしでは味が決まらないけど、ごはんは油がなくても美味しく炊けます。2は添加物を減らすこと、3は料理が苦行にならず続けていくための工夫です。

このルールを決める前は、和食以外の料理もよく作っていました。もともと料理が好きなので、いろんなことにチャレンジしたい気持ちはあるのです。でも、私の料理欲と家族の健康を天秤にかけた時、家で多国籍料理をつくることは諦めました。結果的に料理が楽になり、「疲れて何もしたくない……」という日も粛々と料理できることが増えました。そう考えても、これでよかったなと思っています。「毎日食事をつくるたび、家族の健康を守っている」。こんな風に、具体的な形で家族に気持ちを伝えらえる行為としても気に入っています。自己満足ではあるのですが。

みなさんも、大切な人を大切にする方法として、家のごはんをどういうものにしたいか、改めて考えてみると楽しいかもしれません。私のやり方はほんの一例です。大切な人の顔と日々の生活を思い浮かべて、自分らしい方法を見つけてくださいね。

 

では、私は今晩、攻め(外食)てきます! 攻めと守りをバランスよく、食事をたのしみましょう◎

ライター / 界外 亜由美

数社の広告制作会社でクリエイティブ・ディレクター/コピーライターとして活動。2018年2月14日、mugichocolate株式会社を設立。コピーライターとして培った言葉の力と、デジタル・ソーシャル・マーケティングを掛け合わせた、総合的なコミュニケーション設計を行う。夫と2008年生まれの息子の3人家族。料理、お酒、詩歌が好き。

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