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食を起点としたコト起こしの舞台裏
2021.09.07. | 

真夏だからこそ味わいたい。「真澄」とOPEN NAKAMEGUROがつくる、甘酒の新しい楽しみ方

「甘酒」というと、皆さんはどういうイメージをお持ちですか?初詣で振る舞ってもらう、寒い日に温めて飲む、ひな祭りでいただくー。
おそらく、冬から初春にかけての、肌寒い季節の飲み物というイメージではないでしょうか。

そんな甘酒を使ったドリンクとフードが、真夏のOPEN NAKAMEGUROに登場しました。この記事では、8/11(水)から8/15(日)に開催された、真澄 × OPEN NAKAMEGUROのPOP-UPイベントの模様をお伝えします。

日本酒の歴史を築き上げた宮坂醸造の「真澄 糀あま酒」

今回のコラボレーションの主役は「真澄 糀あま酒」。
そう、銘酒「真澄」のメーカー、宮坂醸造さんが手がける甘酒です。

宮坂醸造の創業は1662年。長野県は諏訪、八ヶ岳山麓のふもとで伝統を受け継ぎながら、常に新しいことに挑戦している酒蔵です。

日本全国に1,000以上ある酒蔵のうち大半が、同じ「協会七号酵母」を使っているのをご存知ですか。宮坂醸造は協会七号酵母の発祥の蔵。日本酒の歴史を築き上げた代表的な酒蔵のひとつといえます。

宮坂醸造の看板商品「真澄」は、しっかりとした味わいがありながら後味がさらっとしていて、どんな食べ物にも合わせられる、食中酒にぴったりのお酒です。そんな「真澄」の酒蔵が造る甘酒は、いったいどんな味わいなのでしょうか。

POP-UPイベント期間中は「真澄 糀あま酒」の試飲ができるとのことで、さっそく1杯いただきました。

まず最初に気づいたのは、なんといっても口当たりの滑らかさです。
甘酒というとお米の粒々を感じる印象がありますが、この「真澄 糀あま酒」には、それがまったくありません。

口に含んでみるとトロッとした食感で、お米の甘味がブワッと口いっぱいに広がります。甘味がいつまでも口の中に残ることもなく、すっと消えるので非常に心地いいです。

そして面白いのが、お米なのに、栗のような甘味や香りが感じられるところ。
優しくほっこりとした甘味と上品な後味はいつまでも飽きずに飲めそうです。
あっさりしたお米のミルクといった味わいが楽しめます。

 

あま酒の上品な甘さを生かしたコラボメニュー

今回のイベントのために用意された2種類のコラボメニューについて、開発を手がけたMo:takeのヘッドシェフ、坂本さんのお話を伺いながら実際に味わってみました。

まずは糀あま酒ラテ から。
これは、OPEN NAKAMEGUROさんのオリジナルのコーヒーに、「真澄 糀あま酒」を入れたもの。シンプルですが、少し酸味のあるコーヒーと、まろやかな甘酒の組み合わせがとても爽快です。

先ほど飲んだ時、お米のミルクみたいだなと感じたのですが。

 

坂本:はい。これはまさに、「真澄 糀あま酒」をミルク代わりに使っています。入れすぎると完全に甘酒の味になってしまうので、バランスには気を使っています。

 

さっぱりと軽く飲めるので、暑い時期には本当に嬉しい飲み物です。あっという間に飲み切ってしまいました。

 

さて、先ほどから気になっていた サバサンド です。

サバサンドに甘酒?聞いた時には驚きましたが、とてもカラフルな仕上がりで、目にも美味しいサンドイッチが運ばれてきました。

仄かなスパイスの香り、レモンの爽やかさ。そして甘酒を使ったサワーソースが最大の特徴です。
甘酸っぱいソースは、知っているようでどこか新しい味わいです。とはいえ甘酒風味が濃いわけではありません。自然な甘味に、サワーソースの酸味が全体の味わいを引き締めています。

 

坂本:上白糖やグラニュー糖だと、もう少し甘みがとがった感じになりますが、甘酒のやさしい甘みは、サバの旨みをふわっと引き立てます。甘酒は、一つの調味料として使えるのではないかと思っています。

 

料理で甘味をつけるときに、蜂蜜やメープルなど液状の甘味料を加えることがあります。サバサンドに甘酒を使うと聞いたときはとても驚きましたが、蜂蜜やメープルシロップの代わりに甘酒を使うのは、考えてみれば自然なことかもしれません。

 

実はよく知らなかった、甘酒というもの

今回のコラボイベントは、甘酒という飲み物の魅力を知って欲しいという思いから実現したのだそうです。宮坂醸造のご担当伊藤さんはこう語ります。

 

「新型コロナの影響で、我々のような地酒メーカーだけでなく、小売店や飲食店はかつてない苦境に立たされています。その中でも、こういった新しい試みをすることによって新たな活路を見出すきっかけにもなればとの思いから、今回のイベント実施のお願いをさせていただきました。」(宮坂醸造 製造部 食品課 伊藤雄輝さま)

 

また、イベントを通じて新たな発見もあったようです。

 

「造り手の私たちは、糀あま酒はノンアルコールだと当たり前のように考えています。しかし、今回、あま酒はアルコールが入っていると思われる方も少なくないと知りました。私たちも、お客さまにお伝えする努力をもっとしていく必要があると気付かされました」(伊藤さま)

 

坂本:甘酒は、清酒ほどポピュラーではありません。でも、実際に「真澄 糀あま酒」を口にしてみると、本当に飲みやすくておいしいんですよね。宮坂醸造さまといえば「真澄」が有名ですが、「真澄 糀あま酒」も、負けないぐらいに魅力的な商品です。

 

とはいえ、寒い季節の飲み物というイメージがある甘酒を夏真っ盛りのタイミングで提供したのはなぜなのでしょうか。

 

坂本:甘酒は栄養価がとても高く、「飲む点滴」とも呼ばれるほど。夏バテの防止にいいんですよ。「暑い時期にこそ楽しんでほしい」と、宮坂醸造さまとも意気投合し、真夏のイベント開催になりました。

 

伊藤さんによると、実はもともと甘酒は夏の飲み物なのだそうです。夏の季語にもなっています。江戸時代には、冬場の酒造りのない夏の時期につくられており、あま酒売りが江戸の町を売り歩いていたのだと教えていただきました。

 

夏は食欲も落ちがちな時期。外出の機会も少ない今年の夏はなおさらです。だからこそ、体に優しく栄養価のあるものを取り入れることで、快適に過ごせるのではないでしょうか。

 

ふと訪れたカフェで甘酒と出会う面白さ

取材中にちょうど、あま酒ラテを注文したお客様がいらっしゃいました。
一口飲んで「びっくり!おいしいですね」とお客様。すかさず坂本さんがご説明しています。こんな風にお客様と気軽にコミュニケーションをとれるのも、カフェならではの良さかもしれません。

店内でお仕事をしている方、お友達と楽しそうに会話をされている方、みなさんの手元に、試飲用のカップがありました。みなさん、思いがけない甘酒との出会いを、どんな風に楽しんでいたのでしょうか。

思いがけずに知ったことって、強く印象に残りませんか?今回の取材で、僕自身「真澄 糀あま酒」の素晴らしさを体験し、これまでのイメージとは違う甘酒の魅力を知ることができました。

遠出もままならない時期だからこそ、街場のカフェで、それまで知らなかった味と出会えるのは嬉しいものです。「真澄 糀あま酒」との出会いから、カフェイベントならではの可能性も見えてくるようです。

 

イベント実施後、宮坂醸造の伊藤さまからコメントをいただきました。

 

米糀と水のみで仕込んだ真澄の「糀あま酒」はノンアルコール。砂糖は一切使わず、糀菌の働きである「糖化酵素」によるやさしい甘みをお楽しみいただけます。

糀あま酒には、必須アミノ酸やビタミンが豊富に含まれており、天然の栄養ドリンクとも言うことができます。

「真澄の糀あま酒」が造られている真澄富士見蔵は、長野県富士見町の標高960mに位置する場所で、日本で最も標高が高い蔵になります。
八ヶ岳や南アルプスなどがそびえたつ自然豊かな場所で、天然の仕込み水を使って造っています。

私たちが造る「真澄の糀あま酒」は、

・粒が無い
・さらっとした味わい
・やさしい甘さ

といった特徴がありますが、ストレートで飲むだけでなく、他の飲み物にブレンドしたり、砂糖などの代わりに料理の調味料としてもお使いいただけることが大きな特徴です。

今回その特徴を十分に生かしていただいたのが、オリジナルメニューにもなった「鯖サンド」と「あま酒ラテ」ですね!坂本さんからメニューが完成したと報告を受けた時の感動と衝撃は今でも忘れられません。日本古来の伝統的な飲み物と現代の創造性が見事に融合した瞬間でした。

今は新型コロナで日本中の皆さんが大変な時を過ごされていると思います。
ワクチンや日頃の対策など必要ではありますが、自己免疫力を高めることの重要性は非常に強く感じています。

あま酒がもっともっと多くの人の生活の中に取り入れていただき、みんなが健康に過ごせるようになる。そんな世の中になる事が私たちの夢でもあります。

是非、一度「真澄の糀あま酒」をお試しになってみて下さい。

 

 

– Information –

OPEN NAKAMEGURO
https://open-nakameguro.com/

宮坂醸造 (真澄醸造元)
https://www.masumi.co.jp/

ライター / 本村 忍

押上の日本酒バー『咲々 さいさい』の店主 20年間接客業に従事し、言葉の大切さを常に意識しています。そして何よりも『味わうこと』が大好き。バーを経営しながら、ライター業を始めました。次の野望は酒造免許を取ること。

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