2020.10.27. | 

[Vol.3]「とうもろこし」と「東京」、「遊び」と「仕事」をつなぐ、YATSUGATAKE DRIVENの試み

東京と八ヶ岳エリアを、人やモノの行き来でつなぐ「YATSUGATAKE DRIVEN」プロジェクト。関わる人の「面白い」「やってみたい」をベースに活動が盛り上がっています。Vol.3では、地方と東京をつないでいく過程で起きた変化や日々の発見について、「YATSUGATAKE DRIVEN」発起人の株式会社カントリーオフィス代表・高橋さんと、Yuinchuの小野が語ります。

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「虫とか大丈夫かな?」と思う人にこそ来てほしい

小野:実はね、ぼく、もともとアウトドア好きじゃないんですよ。車も苦手だし、長距離移動も苦手。最初行った時も、「虫とかいるんじゃないかな、大丈夫かな」って(笑)。

 

高橋さん:今でもあんまり……

 

小野:得意ではないですよね(笑)。だから、今でも行く直前って気が重いですもん。でも、行っちゃうと夢中になるんですよね。この間行った時は何をしていたかというと……

 

高橋さん:小野さん、ひたすら木を切ってましたよね(笑)。

 

小野:そう、チェーンソーで、ずーっとひとりで黙々と(笑)。それが楽しいんですよ。行く前は、「疲れるんだろうなあ、いやだなあ」って30%くらい思ってます。でも、いざ行ってしまうと、たしかに疲れるんだけど、楽しいんです。

 

高橋さん:ぼくもそんな感じですよ。

 

小野:今はぼくたち自身がやっていますが、この先は、同じように東京から来て八ヶ岳で生産活動する人を増やしていきたいと思ってます。

 

高橋さん:こういう場所があるよ、っていうロケーションの案内だけでなく、そこに体験のパッケージがある。現地に行ったらコーディネートしてくれる運営会社がある、というような動きをつくっていきたいんですよね。

 

自分たち以外にも、東京から来て八ヶ岳で生産活動を起こす人が出てきてほしい、と話す小野と高橋さん。しかし、来る時の目的は多様でいいと考えているのだそうです。

 

高橋さん:「八ヶ岳を良くするために来ました!」じゃなくて全然いいんです。研修なり会議なり、自分たちのために来てくれたらいい。

 

小野:そうそう。自分たちのメンタリティやアクティビティを良くするために来ました!でいい。そのシンプルなエネルギーが結果として八ヶ岳をもっとよくしていくんじゃないかという感覚がすごくあります。ぼくのように「いやだよ遠出なんて」って思っている人にこそ、来てほしいですね。

地元の面白いプレイヤーを巻き込んでいく

八ヶ岳は、Yuinchuにとっても小野自身にとってもこれまで縁のうすい場所です。そういった土地で新しいことを始めることの難しさはなかったのでしょうか。

 

小野:正直、Yuinchu単体で行ったらなかなか難しいと思うんです。「東京でレンタルスペースやってる会社が来ました。楽しんでやらせてもらいます」って行っても、いきなりは受け入れられにくい。信頼してもらって、一緒にやれるまでにはかなり時間がかかる。その点、高橋さんが入ってくださったことで、コミュニケーションのスピード感が段違いだったと思います。もちろん、高橋さんの方には大変さがあると思うんですが。地元のプレイヤーを巻き込む、折衝的な面で。

 

高橋さん:いや、全然コミュニケーションしやすいと思いますよ。一緒にやりたいなと思えるプレイヤーって、こちらのやりたいことを理解してくれるスピードが早い。先日のもろこし農家の折井くんとか、もともと「農家もPRにお金かけるべきだよね」というマインドをもっていますしね。

 

小野:そんな風に高橋さんが地元の人たちのことをよく知っててくれるから、「そのアプローチの仕方はちょっとなあ」という時には止めてくれる。そこの信頼感があるからこそ思いっきりやれる、というところがありますね。

 

高橋さん:ぼくの方でも、地元で面白いことやっているな、絡みたいなと思っていた人のところにどんどん行けるのは楽しいですね。この人に持っていけばわかってくれそう、という人を選んで声をかけることもできますし。そこは、地元だからこその嗅覚だといえるかもしれません。

「八ヶ岳で食べるからおいしい」を超えられるか

「YATSUGATAKE DRIVEN」とMo:takeとの、今後のつながりについても聞いてみました。

 

小野:地域発の活動をしていく上ではやっぱり「食」が重要だと最近思っているんです。

 

高橋さん:八ヶ岳で何か面白いプロダクトやっている人を、と考えたときに出てきたのが、クラフトビール工房、酒造、とうもろこし農家、肉屋……

 

小野:「食」はその地域の自然の良さが生きるプロダクトとして最たるものだから、やっぱり外せないんですよね。

 

そう考えたときに、Mo:takeとしてトライしたいことが見えてきた、と小野は言います。

 

小野:「八ヶ岳で食べるからおいしい」という、シーンありきのおいしさを超えてみたいんです。東京で食べてもおいしく感じる本質的な価値を出していけるかどうか。開発能力が問われています。

 

高橋さん:もろこしシェイクは、まさにその事例なんですよね。やっぱり八ヶ岳の山々に囲まれながら獲りたてをかじるおいしさってかけがえがないですしね。

 

小野:その体験を東京で超えるには、何か新しい発見や体験がないといけない。体験価値で変えていくというのが、これからは重要になると思うんです。

 

「現地で食べたらおいしい」という価値と同時に、東京でしかできない価値もつくりたい、という小野。OPEN NAKAMEGUROでの小さなとうもろこし畑での収穫体験も、そのひとつなのでしょうか。

 

小野:小さい畑でもいでみる、遊びみたいな体験もひとつの価値です。それは、八ヶ岳の農場で大自然に触れながらの収穫体験とは違うし、両方の面白さがあっていい。そう考えると、Mo:takeが提供する食の体験の振り幅が、どんどん広くなっていきそうですね。

 

– Information –

YATSUGATAKE DRIVEN
https://yatsugatake-driven.com/

Yatsugatake LOCATIONs
https://yatsugatake-locations.com/

八田吏

ライター / 八田 吏

静岡県出身。中学校国語教員、塾講師、日本語学校教師など、教える仕事を転々とする。NPO法人にて冊子の執筆編集に携わったことからフリーランスライターとしても活動を始める。不定期で短歌の会を開いたり、句会に参加したり、言語表現について語る場を開いたりと、言葉に関する遊びと学びが好き。