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コーヒースタンドを起点とした場づくりの舞台裏
2020.01.07. | 

[Vol.1]連結し、広がり続けるお店。TARPtoTARPはキャンプの可能性の入口だった

横浜駅から電車で3駅となりにある馬車道駅。ここから徒歩2分ほどのところにキャンプ好きの間で密かに話題のお店「TARPtoTARP」があります。扉を開けると、まるで夜の焚き火を囲んだ時のような居心地のよさがあるこのお店。気さくにおしゃべりもできるし、静かに本を読むにも適した雰囲気が迎えてくれます。今回はTARPtoTARPのオーナー須山友之(すやま・ともゆき)さんのお話をうかがいました。

キャンプを通じて生まれた”つながり”が集まる交差点

みなとみらい線の馬車道駅から歩いて2分ほどの場所に今回紹介するお店「TARPtoTARP(タープ・トゥ・タープ)」はあります。近くには神奈川県立歴史博物館があって、そこまで来れば写真のような看板を発見することができます。

TARPtoTARPの入口を開けると雰囲気ある電球型ランプがぶら下がった天井と大きなテーブルがお出迎えしてくれます。この大きなテーブルの真ん中にはエタノール燃料で燃える焚き火風のランプが置いてあって、夜にはキャンプ場で焚き火をしている気分になれます。

ところで、TARPtoTARPに来ると、キャンプ好きの人でもなかなか見かけないアイテムがあるのに気がつくかもしれません。例えば店内に展示されている折りたたみテーブル。実は台湾のメーカーが作った「hxo モジュラーテーブルシステム」というもので、日本国内で展示販売をしているのはまだTARPtoTARPだけ、という超レアな商品。他にも珍しいアイテムがごく自然に並んでいます。

 

須山さん:TARPtoTARPが大切にしているのは、キャンプを軸にしてつながった人たちとより良いキャンプを追求することです。逆に言えば、TARPtoTARPはキャンプを通じて生まれたつながりが集まる集合地点とも言えます。

 

そう語る須山さんが、まるでいたずらをたくらむ少年のような目で紹介してくれたのがこのテーブルでした。

 

 

TARPtoTARPは、来る人にあわせて自由自在に変化するこのテーブルみたいなもの

須山さん:このテーブル、デザイン性が優れていたり作りが驚くほどしっかりしているのは確かに気に入ってるポイントです。でも、それ以上に好きなポイントが2つあるんです。

1つは、キャンプを通じて生まれた人とのつながりで出会えたギアであること。もう1つが、連結して無限に広がっていくことができるテーブルだっていうところです。

 

「TARP(タープ)」とは、キャンプで使う雨や日差しをよけるために張る布のこと。
「TARPtoTARP」というお店の名前は、キャンプ場でタープとタープをつないでいくことをイメージしてつけたのだそうです。
店内には随所に須山さんが大切にしてきたつながりを感じることができました。

 

須山さん:今年の5月にお店をオープンしたら、Instagramでつながっていた人も遊びに来てくれました。その中のひとりが、お店で使っているグラスをデザインした人だったんです。そこから仲良くなって、何度も会う中でこのテーブルの話を聞きました。

 

須山さんと遊びに来てくれたデザイナーの人が意気投合した結果、TARPtoTARPでこのテーブルを展示販売しようということになりました。

 

須山さん:このテーブルのどこまでもジョイントして広がっていけるところがまさにTARPtoTARPの世界観だなって思ってるんです。

今、試作品でなんですがL字型も開発していて、それができたら形も自由に作れるようになる。集まった人によって自由に生活する空間が作れるのって、キャンプの醍醐味だなって思ってます。

 

つながりの中で自由に変化していくこと、このテーブルが持っているつながって自由に形が変わることは、そのままTARPtoTARPのテーマにも通じるものだそうです。

 

 

「うまい!」という感動を共有することがキャンプの可能性をひろげる鍵になる

須山さん:グループでキャンプに行くと、みんなでいろんなものを持ち寄ります。例えば来週キャンプに行くんですが、そこに集まる人のことを思いながら何を持っていこうとか、いい肉が手に入ったからみんなで食べようとか。そういうことを考えている時間が本当に楽しくて。

 

こうして集まったメンバーが、お互いを「うまい!」と言わせようとすること。その準備する時間から須山さんにとってのキャンプは始まっています。そして準備したものが揃って、その日その人達だから生まれた体験を共有することで、一気に人と人の距離が近くなる。それこそが須山さんにとってのキャンプの醍醐味だと言います。

 

須山さん:僕にとって仕事で大事なのは人とのつながりだと思ってるんです。それはキャンプを始める前から変わらず持っている価値観で。でも、キャンプをするようになってから、人と人がつながる速度や密度がものすごいことになってる。こうしてTARPtoTARPにつながったものが集まることで、やっぱりキャンプの可能性は人と人をつなぐことにあるなって確信するんです。

 

取材を通じてキャンプが本当に大好きなことが伝わってくる須山さん。1/14(火)に公開予定の次回では、キャンプを通じて須山さん大切にしている「つながり」とは何なのか深堀りします。そして、そこから見えてくる須山さんの「可能性が広がるキャンプ」をご紹介します。(つづく)

 

 

– Information –

店舗名:TARPtoTARP

住所:横浜市中区太田町6-70 井上ビル2F

「TARPtoTARP」の看板が出ているビルの2階

Instagram:https://www.instagram.com/tarptotarp/

営業時間:12:00-20:00
定休日:日月火

※ 臨時休業する場合があるので事前にInstagramでご確認下さい

ライター / 和輝 齋藤

1991年生まれ。築地の市場でせり人の見習いから社会人を始めた不思議な経歴の持ち主。現在は「齋藤商店」の屋号でワークショップデザイン中心にライター・カメラマンをするフリーランスとして活動している。趣味は5人以下しか集まらない尖ったイベントを企画すること。

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