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意外と知らないローカルフード
2026.01.30. | 

【長野】冬でも熱い! 長野で愛されるあのコンビ | 意外と知らないローカルフード

食の歴史や文化、そして土地の魅力がぎゅっと詰まった“地域の味”を再発見して楽しく紹介する「意外と知らないローカルフード」。このコーナーでは“誰もが知っているあのメニュー”ではなく、知る人ぞ知るローカルフードや、昔から変わらないその土地ならではのこだわりの逸品、時代を超えて今もなお愛される一皿、その「食」の背景にある物語をひも解きながら、その地域ならではの味とは何なのかをカジュアルにお届けします!

第21回となる今回は『長野』。毎年1月中旬、長野では日本三大火祭りのひとつとも言われる「野沢温泉道祖神祭り」が行われます。高さ十数メートルに組まれた社殿が炎に包まれ、雪に覆われた夜空を赤く染め上げる迫力ある伝統行事は、山国・長野の冬を象徴する“火の祭礼”。

今回は長野で愛される“熱いローカルフード”を取り上げたい――ということで、県民のソウルフードを探してきました!

国民的組み合わせ?「キムタクごはん」

今回紹介するのは、近年すっかり“県民的ソウルフード”として知られるようになった「キムタクごはん」。名前だけを聞くと、あの国民的芸能人を連想してしまいますが、もちろん無関係。「キムチ」+「たくあん」=キムタクという語呂のよさから生まれた、長野県発の混ぜごはんです。

刻んだたくあんのコリッとした食感と甘じょっぱさに、キムチのほのかな辛味と酸味を重ねることで、箸が進む“魔法の組み合わせ”が誕生。そこに、豚肉やキャベツ、にんじん、玉ねぎなどを炒め、ご飯と混ぜ合わせれば、長野県民の誰もが夢中になるキムタクご飯の出来上がりです。

学校給食をきっかけに誕生したこのメニューの根底には、「子どもたちに楽しく食べてもらいたい」という願いがあります。野菜への苦手意識を和らげ、子どもたちの“食べ残し”を減らすという課題に向き合う中で、野菜を少しでもおいしく、楽しく食べてもらいたい――そんな栄養教諭や調理員の方々の願いが、子どもたちが喜んで食べるキムチと、日本の食卓でなじみ深い漬物たくあんをひとつにするというアイデア料理へと結実したのです。

長野県では「キムタクご飯の日」が“当たりの日”と呼ばれるほど人気で、子どもたちの歓声が上がる定番メニューになりました。食べやすさと栄養、親しみやすさと新しさ。そのすべてが一椀に詰まったキムタクご飯は、単なる混ぜご飯ではなく、地域の知恵と優しさの結晶なのです。

 

山国ゆえの漬物文化が人気を後押し!

キムタクご飯は長野の食文化への敬意も込められた料理です。山国と呼ばれる長野県では、古くから冬の保存食として漬物文化が発達し、たくあんは野沢菜の漬物と同様、身近な存在でした。その食材のチョイスからして、子どもだけに人気がとどまるはずがありません。

合わせるキムチも発酵食品で、一見クセの強そうな組み合わせなのに、実際には自然な酸味と奥行きが生まれ、歯ごたえと食感が心地よいリズムを刻みます。親しみやすく、食べやすく、栄養バランスも良い。またたく間に家庭にも広がり、今ではスーパーに「キムタクご飯の素」が並ぶほど浸透しています。そして、アレンジの豊かさも魅力のひとつ。

たくあんを多めにして食感を強調する家庭、キムチを炒めて香りを立たせる学校、塩分を控えめにした優しい味の定食屋――などなど、県内だけでも無数のレシピが存在します。
飲食店ではごま油を効かせて韓国風に寄せたり、炒飯のようにパラッと仕上げたりと、給食メニューの枠を越えた進化も見られます。ちなみに、給食で使われるキムチは辛さ控えめが多いとか。

 

日々の食卓に欠かせない「ぬくもり」

旅で長野を訪れた人にとっても、キムタクごはんは印象に残るローカルグルメです。長野市内の食堂や道の駅では、給食の味を再現した定食がメニュー化され、ほっとする家庭料理として観光客の舌をつかんでいます。

お弁当や総菜として売られている場合もあり、旅の途中でも気軽に味わえるのが魅力です。道祖神祭りの炎が、雪景色の中に柔らかな光の柱をつくるように、キムタクごはんもまた、日々の食卓に小さな“ぬくもり”を灯してきました。素朴なのに力強く、誰からも愛される味。ぜひひと口、味わってみてください。長野の豊かな食文化と、人々の思いが静かに伝わってくるはずです。

ライター / Mo:take MAGAZINE 編集部

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