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コーヒースタンドを起点とした場づくりの舞台裏
2022.01.11. | 

[Vol.6]カフェでスポーツドリンクを売る理由:コーヒースタンドを起点に場づくりを行う人たち

「自分のやりたいことやつくりたいものを表現できる場がほしい」。そんな声に対し、コーヒースタンドを起点にした場づくりで応えるのが、株式会社Yuinchuが運営するサービス「HYPHEN TOKYO」です。本コラムでは、HYPHEN TOKYOの日々の活動や、その内側にある思いをご紹介します。

OPEN NAKAMEGUROのスポーツドリンク

HYPHEN TOKYOが中目黒で展開している「OPEN NAKAMEGURO」では、自家製スポーツドリンク[LIFE WATER]を不定期で販売しています。お客さまの中で静かにご好評をいただいている商品です。

第一弾は、「BERRY VINEGAR」。

ベリーとお酢を絶妙なバランスで配合した、すっきりとした味わいが特徴のスポーツドリンクです。

第二弾は「MIKAN GINGER」。

湘南みかんとジンジャエールをミックスし、のどごし爽やかなドリンクに仕上げました。使っているのはいわゆる「※摘果みかん」。生産過程でどうしても生じるロスを有効活用しています。
※摘果…良質の果実を収穫するため、また樹木を健康に維持するために、多すぎる果実を間引きすること。

第三弾 : SALTY GINGER。

自家製ジンシャーシロップを使用した爽やかな味わいのスポーツドリンクに、ほんのりとした塩味がクセになる塩キャラメル風味のクッキーを乗せました。

(第一弾〜第三弾については、現在は販売終了しています)

 

なぜ、カフェで「スポーツドリンク」なのか?

OPEN NAKAMEGUROで販売されるスポーツドリンク[LIFE WATER]の誕生には、実はこんな理由がありました。最初から「スポーツドリンクを提供しよう!」と始まったわけではなく、ミクロとマクロ、2つの視点から設定した目的を達成できるのが、スポーツドリンクだったのです。

まず、ミクロな視点でいうと、
「コーヒーを飲めない人にもこの場を楽しんでもらう、ワクワクしてもらう」
「新しい体験を提供する」という目的がありました。

それとは別に、マクロな視点では、「マスクがすっかり定常アイテムとなっている日常で、夏の熱中症や隠れ脱水になりやすくなっているという課題をカフェの立場から解決する。」という目的があったのです。

こうした目的を叶えたいとの思いを込めて生み出したのが、美味しく栄養補給ができるスポーツドリンク[LIFE WATER]でした。

ミクロ視点では、カフェでスポーツドリンクを飲むという新しい体験を創り出し、マクロ視点では、カフェにしかできない方法で“日常と水分補給の距離”を近づけ、熱中症という課題解決が可能になるのでは?と考えたのです。

 

“日常と水分補給の距離”を近づけたい

「そういえば、コンビニや自販機で最後にスポーツドリンクを買ったのはいつだったかな?」と思う人も多いのではないでしょうか。

定期的に運動をしている人の中には、スポーツドリンクを意識的に飲んでいる人もいるかもしれません。ただ、日常的に、「喉が渇いたからスポーツドリンクを飲もう」と行動する人はどれだけいるのでしょうか。

スポーツドリンクは定番の種類も多く、お店でもよく見かける商品です。効率的に水分と栄養素が補給でき、とても優秀な飲み物だと思います。しかし、日々たくさんのドリンクが生まれ、販売されている中で、スポーツドリンクを手に取るまでは、実は簡単なようでハードルが高いのです。

では、カフェだったらどうでしょう。

メニューの選択肢は、コーヒーや紅茶、ジュースなど、ある程度限られています。コーヒーを飲めないというお客さまもいて、そういった場合、スポーツドリンクという新たな選択肢が増えます。もしかしたら、遊び感覚で楽しんでくれるかもしれません。

何より、カフェでスポーツドリンクを飲むという、ほかにはなかなかない新しい体験を喜んでくれるかもしれない。私たちはそう考えたのです。

カフェができることは、コーヒーを淹れることだけではありません。

この混沌とした時流の中で、非日常を提供することでお客さまがリフレッシュできるきっかけをつくることもできるはずです。

実は、「カフェでスポーツドリンクってどういうこと?」というご意見をいただくこともあります。しかし、ただ真剣に、遊び心を私たち自身も楽しみながら商品を開発して、新しいスタンダードを醸成していきたいという思いが私たちにはあります。トライアンドエラーを繰り返すことが場を持つ者の使命だと思っているのです。当たり前という概念をつくることが難しい今の世の中では、特にそう考えています。

これからも、お店に足を運んでくださるお客さまに、「“なんか”面白い!」と感じていただける商品を用意して、お待ちしています。“なんか”という感覚に、思いとこだわりを込めて。

 

– Information –

OPEN NAKAMEGURO
WEB : https://open-nakameguro.com/
Instagram : https://www.instagram.com/open_nakameguro/

HYPHEN TOKYO
WEB:https://hyphen-tokyo.jp/
Instagram:https://www.instagram.com/hyphen_tokyo/

ライター / たかなし まき

愛媛県出身。業界新聞社、編集プロダクション、美容出版社を経てフリーランスへ。人の話を聴いて、文章にする仕事のおもしろみ、責任を感じながら活動中。散歩から旅、仕事、料理までいろいろな世界で新しい発見をすること、わくわくすること、伝えることが好き。

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