
500本という数字と、7年半という時間
大垣:よろしくお願いします。今日は500本目記念ということで、あんまりかしこまりすぎずに、僕自身も楽しみながらできたらいいなと思ってます。ということで、Mo:take MAGAZINE(以下、マガジン)も、これで500本目を迎えるということで…まずは、おめでとうございます!
小野・坂本:ありがとうございます(笑)!
大垣:このマガジンの歴史を振り返ってみると感慨深いものがあるかと思いますが、率直な話、500本目を迎えてみてどうですか?
僕は最初に数字を見たとき「オウンドメディアで7年半やり続けて、しかも妥協しないコンテンツを出していくというのも大変だっただろうな」って思ったんですが、お二人はいかがでしょう?
坂本:いやぁ…500本…これは正直に言うと、最初は「あぁ500本か」って思いました。(笑)
大垣:あらっ!意外とあっさり!(笑)
坂本:いやいや(笑)、テレビ番組とかラジオ番組だと、何千回とかあるじゃないですか?それを思うと、数字だけ見たら「そんなもん?」って一瞬思ったんですけど、実際にこれまでの記事を辿っていったら、いろんな思い出や出会いもたくさんあるんですよね。そうやってきた時間を考えると、ちゃんと重みがある数字だなって思いましたね!
小野:そうですよね…だって年数で言うと、7年半ですからね。
大垣:いやぁ7年半って聞くと、一気に実感が湧きますね。
小野:これが本数だけ見ると、体感的には「そんなに出してたっけ?」って思う部分もありますが、色々と考えながら制作したコンテンツを7年半で500本お届けできたと考えると、「意外とやってきたな」っていう実感はありますよね!
坂本:そうですね!数字よりも、時間で考えたときに納得しますよね!
それに、一本一本は軽く見えるかもしれませんが、実際には取材の準備があって、お話を聞いて、文章にして、確認して、公開していくっていうプロセスがありますよね。それを500回繰り返してきたと思うと、「続いてきたな、続いたな」という実感が、あとからじわっと湧いてきました。
小野:そうですよね!僕も同じで、積み上げようと思って積み上げたというより、気づいたら積み重なっていた、という感じに近いかもしれないですね!
大垣:なるほど!振り返れば振り返るほど実感できそうですね…僕も関わって2年半という月日ではありますが、ここまであっという間でした。でも一緒に育ててきたという実感があります!(笑)

戦略的というより、「必要だよね」から始まった
大垣:改めて、“はじまりのキッカケ”について伺いたいんですが、どういった構想で「オウンドメディアをやろう」という流れになったのでしょうか?
小野:うーん……最初は、戦略的な構想があったわけではないんですよ。始めたキッカケで言うと、当時からうち(Yuinchu)のWEBサービスを担当してくれているメンバーが、「ちゃんとメディアをやってみませんか?」と提案してくれたことからスタートしたんですよね。
僕自身、会議や様々な現場で面白い取り組みの背景や想いを聞く機会が多いんですが、そのたびに、「この話、すごく面白いのに、形として残らないのはもったいないな」と感じていたんです。
その一方で、うちとしてレンタルスペースのポータルサイトを運営したり、当時からWebを使ってサービスの価値を伝えてきた会社です。だから、「メディアがあったら、もっと肉厚な情報が伝えられそうだな」という考えに行き着くのは、わりと自然な流れでしたね。
なので、すごく戦略的に始めたというよりは、「あったらいいよね」「じゃあ、やってみようか」くらいの感覚で、かなり自然に立ち上がったと思います。
坂本:そうですよね。戦略ありきというより、本当に「ちゃんと伝えるには必要だよね」という意思疎通が、先にあった感覚だったと思います。
当時は、今ほどSNSも成熟していませんでしたし、情報はたくさんあるけれど、どこか表面的なものも多いな、という印象もありました。
小野:そうですね!情報のスピードとか、端的な分かりやすさが重視される一方で、背景やプロセスが、省略されてしまうことも多かったですよね。でも、実際に現場に行くと、みんな本当によく考えているし、試行錯誤しているんですよ。
そこがアウトプットされた時に届いてないんじゃないかって、ずっと気になっていました。
坂本:僕自身、ケータリングの現場なども含めて色々なところで、面白い考えを持っている人や、挑戦している人に、たくさん出会ってきました。でも、そういう会話って、その場で終わってしまうことがほとんどなんですよね。だから、「ちゃんと記録として残せたら」と思っていました。
ただし、議事録みたいなものではなくて、ちゃんと読める形で、きちんと届くものとして残したいという強い想いはありましたね。

大垣:お二人のお話にあった「ちゃんと伝える・残す」という軸は、Mo:take MAGAZINEで今でも大切にしている部分ですね!それが、広報やブランディングといった大きな枠組みから始まったというわけではないと!
でも、実際メディア運営は初めてだったわけじゃないですか?そこからは、どう作り上げていったんですか?
小野:これはもう……最初は手探りでしたね。立ち上げる前は、社内でワークショップみたいなこともやりました。「どんな価値が出せそうか」とか、キーワードをみんなで出したり、「Mo:takeって、そもそもどんなブランドなんだっけ?」といった問いを、一度ちゃんと掘り下げてみたり。
大垣:そうなんですね!まず社内でいろんな人に関わってもらいながら、「自分たちは何者なのか」を整理していって、自然に立ち上がっていく、そんなスタートだったんですね!
だからなのか、Mo:take MAGAZINEって、いわゆる企業情報を積極的にアウトプットする“オウンドメディアっぽさ”が、あまりないないなぁって思うんですよね!
小野:正直、「オウンドメディア」という言葉自体は、あまり意識してなかったですね。
外の情報も扱うし、自分たちの取り組みも伝えているので、結果的にそう呼ばれる形にはなっていますが、最初から「これはこういうメディアです」と枠組みを決めていなかったですね。
坂本:確かに「こういうメディアだ!」っていう定義が決まっていないからこそ、「これをやらなきゃいけない」という厳密なルールもないんですよね。だから、伝えるべき情報を、ちゃんと届けるために、その都度チューニングしながら続けてきた感じかもしれないですね!
小野:ですよね!強いて言うなら、全部「食」でつながっている、それが唯一のルールかもしれないですね!(笑)

「食」を入口にした理由
大垣:確かに“「食でつながる」”という唯一のルールだけはあるけど、あとは自由度が高いと感じていました(笑)。
ちなみに、Yuinchuとして色々なブランドで事業展開をしている小野さんに、なぜメディアの受け皿となるブランドがMo:takeだったのか。ここは敢えてお聞きしてみたいんですが、いかがでしょう?
小野:これは明確に意図を持って、Mo:takeにしたんですよ。坂本さんともよく話していましたが、Mo:takeはメディアを作る前からずっと「食」を起点とした体験を届けたい、という考えがあったんです。
だから、Mo:takeとして提供してきた体験の形を、オンラインメディアとしてもやってみよう、というのはごく自然な流れでした。
それに、食べるという「行為」の周りには、暮らしがあるし、仕事があるし、文化があるし、場がありますよね。だから、食を入口にすると、自然と人の話が深くなっていくんですよね。
大垣:かなりハッキリと意図を持っていたんですね!それとMo:take MAGAZINEは。ただお料理の情報やグルメ情報の紹介をするのではなくて、それらに関わる環境にフォーカスをして、特にそれに取り組む“人”が何を考えているかという視点を大事にしていますよね。
小野:そうそう。人にフォーカスをしつつ、大事にしたいのが、成功事例を事象として分かりやすく記事にまとめるよりも、「この人は今、何を考えて、どこに立っているのか」を、出来るだけそのまま残したいというのも、ポイントですね。
坂本:そうですよね。まさに今も変わらずにその感覚をもっていますよね。そこまでのプロセスだったり、”なぜそれをやるか”っていう部分を届けることで、その人やその取り組みがちゃんと伝わると思うんです。これは、大垣さんとも編集会議で良く話しますよね。
大垣:はい!ここはすごく重要なところで、良く話しますよね。
例えば、新店舗をオープンするタイミングで取材をしたら、「このお店のこんなところがすごい!」という記事は、他のメディアさんやニュースリリースにお任せして、我々は「なぜそれをやるのか」っていう“想い”だったり、やるまでの“ストーリー”をお届けする…そうすることで、他では語りきれなかったところを補完できると思ってますね。

小野:いやぁ、ありがたいですね(笑)。自分としては、そう言った記事だと、読んだ人も自分の学びだったり、気づきだったり、何かを持ち帰れる気がしています。
また、届ける内容についても、どちらかというと「正解はこれですよ」って届けるんじゃなくて、キッカケを渡す感覚に近いかもしれないですね。
坂本:本当にそうですね。取材を受けてくれた方々も読者の方々にも、この取材が、何かのキッカケになればいいなと思いますね。
大垣:いやー……こうやって話してみると、500本っていう数としての節目ではありますが、改めて、ここまでの“積み重ね方”が500本分あるって思えてきました。
小野:そうやって積み重ねてきて、続けてきた理由は今日話した内容に尽きるかもしれません。僕たち自身が「なぜやるのか」っていう部分で、食に関わる人の想いやストーリー、取り組みをちゃんと伝えたい・残したい、っていう軸をブラさずに、でも堅苦しくルールは作らずに、そんな感じでこれからも進めていきたいですね。
取材の場で交わされた言葉を、どう残すか迷いながら、選びながら、気づけばここまで積み重なってきたMo:take MAGAZINE。では、その言葉は、どのように整えられ、どんな判断のもとで記事としてかたちになってきたのか。
Vol.2では、Mo:take MAGAZINEの編集の現場と言語化のプロセスに、もう少し踏み込んでいきます。