2021.12.28. | 

[Vol.2]国分寺野菜×クリエイターで生まれる新発想。アグリタリオのプチマルシェ訪問レポート

今年11月に開催されたアグリタリオのプチマルシェには、国分寺の農家さんが丹精込めてつくった野菜と、その野菜を使った限定販売のお弁当やお菓子が並びました。プロデュースを手がけたのは、Mo:takeです。vol.2では、当日完売となったそれぞれの商品のこと、商品に込められた仕掛けについてお伝えします。

「お弁当、何時からですか?」フードを楽しみにやって来る人たち

マルシェが開いてからしばらく経つと、フードトラックの前に少しずつ列ができはじめました。並んでいる中のお一人に聞いてみると、「お弁当を買いに来たんです。去年は買おうと思ったら売り切れちゃってて。だから今年は早めに来ました」とのこと。他にも、スタッフさんに販売開始時間を尋ねている人もいれば、列を見つけてやって来て「お弁当売ってるみたい。お昼ごはんに買って行こうか。」「お菓子もあるみたいよ」などと話している人もいます。来場者にとって、フードはマルシェの大きな魅力のひとつになっているようです。

 

島崎農園の野菜を使い、限定メニューを開発

今年の商品は全部で3種類。気鋭のフードクリエイターとMo:takeがタッグを組んで開発しました。

「Agritario弁当」は、武蔵小山の「秘密厨房」のDOMさんとのコラボレーション。島崎農園で収穫した新鮮な野菜をふんだんに使っています。曲げわっぱ風のお弁当箱にカラフルなおかずが詰められている様子は、農園がまるごとお弁当になったよう。秘密厨房の「おいしいと、みんな笑う」のコンセプトそのものの、目にも舌にも楽しいお弁当です。

「ディル×パルメザンのスコーンwithはちみつ&レモンのバタークリーム」は、下北沢に店舗を構えるシモキタシマイさんとのコラボレーションです。シモキタシマイさんの焼き菓子ならではの優しい味わいの中に、島崎農園で育ったディルが香りと味のアクセントになっています。

そして、和菓子の「黄葉(こうよう)」に使われているのは、なんと「ルッコラ」。もちろん島崎農園産です。求肥の黄色にルッコラの緑を散らすことで、晩秋に至る木々の色合いを表現したのだそう。手掛けたのは、板橋の和菓子屋「梅香亭」の三代目、長沼輪多さん。伝統的な技法をベースにした新しい和菓子づくりを得意としています。

11時半の販売スタートから、どれも売れ行きは上々。マルシェの終了を待つことなく、すべて売り切れとなりました。

 

野菜の生育具合を見ながら商品開発する

Mo:takeの坂本に、今回のコラボレーションのことを尋ねました。

 

坂本:地域の活性化をはかりたい、<食>を通して地元に貢献したいという島崎さんの思いに賛同し、今回で3回目の出店になります。今年は、Mo:takeとも縁の深い気鋭のフードクリエイターと一緒に、今回のイベント限定のオリジナル商品を共同開発しました。

 

それはなぜなのでしょうか。

 

坂本:新鮮な島崎農園の野菜の良さを最大限に生かしてもらうためにはまず、料理人としてのしっかりした技術を持った各専門分野の方々にお願いして楽しさや新しさを表現したいと思い、DOMさん、シモキタシマイさん、長沼さんにお声がけしました。

具体的には、島崎さんからどんな野菜が出来そうか教えてもらい、クリエイターとブレストしながら使う野菜やメニューを決めていきました。それぞれ何品かアイディアを出し合い、試作も経て、これぞ、という一品に絞り込みました。

野菜は天候に左右される部分が大きいので、生育具合を島崎さんと確認しながら慎重に進めていきました。

 

「鮮度」でお客さんを感動させる。そのための手間は惜しまない

島崎農園があるのは国分寺、秘密厨房は武蔵小山、シモキタシマイは下北沢、梅香亭は板橋と、少し距離があります。野菜や商品の行き来はどんな風に進めたのでしょうか。

 

坂本:いちばんこだわったのは鮮度です。マルシェに並んでいた野菜は、とてもみずみずしかったでしょう?採れたての新鮮な野菜を身近に楽しめるのは、都心から近く、暮らしと農業が隣接する国分寺ならではの魅力です。

そこで、イベントに合わせて野菜の生育を見ながら島崎さんに各クリエイターのキッチンや工房に野菜を送ってもらい、それぞれお弁当、お菓子を制作。イベント当日の今朝、僕たちがフードトラックで運んできました。

 

野菜をつくって送ってくれた島崎さんも、クリエイターのみなさんも、そして間に入るMo:takeも、タイミングを見計いつつ準備を進めてきたことがわかります。農園そのもののように色鮮やかなお弁当、ハーブの色や香りが印象的なお菓子が並ぶ舞台裏では、そんな連携プレイが行われていたのです。

 

坂本:Mo:takeは、食を通じて心が動く体験を提供しています。マルシェの企画で鮮度を大切にしたのも、Agritarioの野菜の魅力をいろいろな方々に伝えたい想いと、そこに心の動く可能性があったからです。クリエイターとのコラボレーションを通じ、感動を体験できるフードメニューが提供できたのではないかと思っています。

 

– Information –

■島崎農園アグリタリオ
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Mo:take MAGAZINE 取材記事

弁当:秘密厨房
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Mo:take MAGAZINE 取材記事

■焼き菓子(マフィン):シモキタシマイ
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■和菓子:梅香亭
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Mo:take MAGAZINE 取材記事

ライター / 八田 吏

静岡県出身。中学校国語教員、塾講師、日本語学校教師など、教える仕事を転々とする。NPO法人にて冊子の執筆編集に携わったことからフリーランスライターとしても活動を始める。不定期で短歌の会を開いたり、句会に参加したり、言語表現について語る場を開いたりと、言葉に関する遊びと学びが好き。