2021.10.12. | 

[Vol.2]まず果物のファンになってもらい、最終的には産地に連れて行きたい Unsungs&Web 有井誠 × Yuinchu 小野正視

朝完熟の果物を都内の無人販売所で売る株式会社Unsungs&Webの事業「F STAND」と、ポップアップイベントや商品開発を得意とする Yuinchu が共同で始めた新たなプロジェクト「F STAND プロジェクト」。Unsungs&Webの有井誠代表と、Yuinchu代表の小野正視による対談の2回目は、プロジェクトが生まれた背景やプロジェクトが目指すものについて語ってもらいました。

“課題解決型”の二人が出会って生まれたプロジェクトの構想

ーー前回、Unsungs&Webの事業としての果物無人販売所「F STAND」について詳しくお聞きしましたが、そこにYuinchuが絡んで「F STAND プロジェクト」が立ち上がった経緯について聞かせて下さい。

 

小野:有井さんとは知人の紹介で出会いました。

Unsungs&Webさんが手がけるブランドが、こだわりの日用品やレアドライフルーツといった、ものすごくこだわっているんだけど普通に考えると商流としてちょっと難しいな、という分野を扱っているところにすごく惹かれて。
それで話を聞いていたら、F STANDではもっとすごいことをやっていたんです(笑)

 

有井さん:基本的にひねくれてるんです(笑)。常識に対するアンチテーゼをブランドとして表現するというか、常識や習慣に対して「こういう考え方があるんじゃない?」と提案するような”新しい旗”を立てるというコンセプトでやっています。

できるだけ、常識からギリギリ遠く離れたところに旗を立てたいと思っているんですが、それは事業として成り立つかどうかのギリギリのレベルの、ゲームみたいな感覚です。
その中でもF STANDはかなり遠いところに旗を立てている気がします(笑)

 

小野:お互い、何かに対する憤りを行動に移して問題解決を試みる部分が似ているんですよね。ただ、僕なら引き下がるかなというところまで踏み込んで、我慢比べをしながら勝ちに行くのが有井さんなんですよね。

出会って2、3回目にはもう、お互いがやっていることを掛け合わせれば、生産者の人たちとリンクさせるようなサービスができるかもね、という話をしていましたね。1年ぐらい前でしたね。

 

「有井さんが描いている未来を、一緒に見たい」

有井さん:「消費者が神様」が一般的な流通の常識ですが、F STANDはあくまで生産者起点なんです。生産者が「これ、美味しいから食べてみて」と勧めたくなる商品を流通させるチャレンジです。
販売している場所まで消費者に来てもらわなければなりません。その一歩手前に、まず「買ってみよう」と思ってもらえるきっかけ作りができるといいなと思っていました。

Yuinchuさんはカフェがあってお客様もいる、単なる箱ではない場所があって、しかも商品開発もされています。ジュースやスイーツを開発するような展開は僕らにはできないから、一緒にやらせてもらったら面白いことができるんじゃないかと思ったんです。

 

小野:有井さんにはF STANDという入り口があって、最終的には消費者を産地に連れていきたいという出口も見えています。僕たちは、その中間としての東京での発信方法や、場所とオペレーションを提供することができるし、フードロスという観点でも商品開発によってできることがあるのでは?と提案しました。

カフェのイベントとして、桃の食べ放題や、新鮮な果物を味わう体験をしてもらって、食べ方のバリエーションも見せる。その先に「さあ、次は産地に体験しに行こうぜ!」という、有井さんが描いている未来を一緒に見たいと思いました。

 

有井さん:最終的には、お客さんを一番いい時期に産地に連れて行って食べてもらう、というのをやりたいんですよね。
というのも、生産者さんも、エンドユーザーさんが目の前で「美味しい美味しい」って食べる姿を見たことないんですよ。「こんな美味しいの食べたことない」って言われたら嬉しいし、これまで体験したことのない美味しさを知ったら、ファンになるじゃないですか。

 

出口が入口とつながる 無敵の循環を生み出す

ーー1回目のPOP UPイベントをやって、何か変化はありましたか?

 

有井さん:今までリアルでイベントをやったことはなかったんですけど、イベント後からF STANDですごく売れるようになったんですよ。果物を届けに行くと、車を停めて待っている人がいたりとか。Yuinchuさんの協力のおかげもあって、認知度がグーっと上がってきたのを感じています。

 

小野:僕らはいつも、認知を広めるためにポップアップをやりましょう、と推進しています。そのポップアップのイベントで何万個を売ることはなかなか望めないけれど、認知を広げましょうと。ただ、認知されても、その後の受け皿がないと、結局つながっていかないんです。

でも、今回「F STANDプロジェクト」としてやってみて「ああ、こんな風に循環するといいよね」という形が明確になりました。今後、消費者を産地に連れて行った時には、生産者も喜んで「またF STANDに託そう」と思ってくれるでしょう。そんな風に出口が入り口につながって循環していったら無敵ですよね。

 

有井さん:実際にイベントのあと、来場した方から「どうしても知り合い5箇所ぐらいに送りたいから農家さんにつないでほしい」と連絡が来たりもしました。農家さんもとても喜んでくれました。

これまでF STANDに毎回買いに行ってくれていた人や、「仕事とかぶってなかなか行けなかったんですが、今回初めて来ることができてうれしいです」という方と話すことができたのも収穫でしたね。

 

 

次回は10/19(火)に公開予定です。プロジェクトの次なる展開に加えて、一番美味しい果物の驚きの見分け方!についても教えてもらいます。(つづく)

 

– Information –
F STAND プロジェクト
https://fstand.jp/fstand-project/

F STAND
https://fstand.jp

ライター / 平地 紘子

大学卒業後、記者として全国紙に入社。初任地の熊本、福岡で九州・沖縄を駆け巡り、そこに住む人たちから話を聞き、文章にする仕事に魅了される。出産、海外生活を経て、フリーライター、そしてヨガティーチャーに転身。インタビューや体、心にまつわる取材が好き。新潟市出身