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食を起点としたコト起こしの舞台裏
2022.10.25. | 

植物に囲まれて過ごすカフェタイム。「Green POP UP」で、人と緑がもっと近くなる

お台場のオフィスビル「the SOHO」の1階にあるカフェSWITCH STAND ODAIBA。ビジネスマンがPC作業をする傍らで、散歩中に立ち寄ったらしき親子連れが休憩していたりと、訪れた人たちが思い思いに過ごしています。そんなSWITCH STAND ODAIBAで少し変わったPOP UPイベントを開催中と聞き、行ってきました。

カフェ空間をグリーンのプロが特別コーディネート

10月3日から開催中の「Green POP UP」は、園芸全般を手がけるユニバーサル園芸社のPOP UPイベント。店内にはユニークな観葉植物がいくつも並べられており、植物のプロフェッショナルによるグリーンコーディネートを体感できます。ユニバーサル園芸社の「グリーンをもっと身近に感じてほしい」との思いをベースにPOP UPサービスを手がけるonestopがディレクションし、実現したイベントです。

onestopは、商品やサービスを提供する事業者さまの課題を解決するため、顧客体験の設計〜場所選び〜クリエイティブ開発をパッケージにしたライトなポップアップサービスです。

 

ひとつひとつの植物を見ていくと、アーチのように枝がくねくねと伸びたものや、天井に届くほど背が高いものなど、どれも個性的。テーブルに着くとグリーンの勢いがぐっと迫ってきて、まるで植物園の中にいるような気分になります。

POP UPイベントと合わせて、アンケートを実施していました。

 

さまざまな葉っぱの画像とともに、「どんな葉に心地よさを感じますか?」という質問が。ふだん、「グリーン=なんとなくいい感じ」とざっくり捉えがちですが、本当は人によって好みも違えば、「癒される」「スッキリする」など、感じる良さも異なるはず。そこで、植物に対するイメージ、そして感想や反応を詳しく知るためのアンケート調査を行っているのだそう。

さらに、グリーンのある空間の効果を図るための実証実験にも取り組んでいるとのこと。カフェスペースの半分ずつをグリーン有りorグリーン無しで区分けし、どちらによりお客様が集まるのかを調べているのだそうです。

 

期間限定の“食べる観葉植物”は、おいしい、楽しい、無駄がない

POP UPイベントとの連動企画として、カフェではグリーンにちなみ、“食べる観葉植物”と題した期間限定スイーツ「Plant-like fondant Chocolate」を提供中。“食べる観葉植物”とはいったいどんな味なんでしょう?かなり気になります。

 

これが「Plant-like fondant Chocolate」です。土…の上に、苔玉…?見た目は完全に観葉植物ですね。

 

土のような部分はチョコフレーク、苔玉は抹茶のフォンダンショコラでした。スプーンですくうと、中からとろりとソースが溢れてきます。チョコの甘さと抹茶のほろ苦さのバランスがたまりません。たっぷりのフレッシュミントがあしらわれているのも、いいアクセントになっています。

メニュー開発を手がけたのはMo:takeヘッドシェフの坂本英文。自身も観葉植物などのグリーンが好きだという坂本に、メニュー開発のポイントを尋ねました。

坂本:今回の「Plant-like fondant Chocolate」のメニュー開発では3つのポイントを意識しました。

1つ目はビジュアルです。「グリーンを日常的に」という今回のテーマを抹茶で表現しようと思ったときに、お皿に盛られた観葉植物のような感じにしようと思い立ちました。土に見立てたチョコフレークを敷き、その上に抹茶をベースにしたフォンダンショコラ(フォンダン抹茶)を置いて苔玉に見立てています。

2つ目は、食べるときの驚きや体験を意識した仕掛けです。より見た目でも楽しんでお召し上がりいただけるように、苔玉に見立てたフォダンショコラ(フォンダン抹茶)を崩すと中に隠してある濃厚な抹茶ソースがトロっと流れ出るようにしました。

3つ目は、これはもちろんのことですが、スイーツとしてのおいしさです。中から出てきた濃厚な抹茶ソースと甘さとほろ苦さのコントラストや食感の違いを楽しんでいただけると思います。土に見立てたチョコフレークを絡めながらお召し上がり頂くことで、チョコフレークもまとまり全てキレイにお召し上がり頂けます。
そして、甘さとほろ苦さのコントラストや食感の違いを楽しんでいただきつつ、上に添えたミントが爽快感を与えてくれます。

たくさんのグリーンに囲まれながら、テーブルの上までグリーンになる。そんな楽しさも魅力の一皿です。

 

POP UPと実証実験で、人とグリーンの関係性を探る

ユニバーサル園芸社の妹尾さんと山口さんに、普段手がけているお仕事や今回のPOP UPイベントについてお話を伺いました。

––まずはユニバーサル園芸社さんのことを教えてください。

妹尾さん:観葉植物、造園、生花、造花まで、グリーンのことならなんでも扱う総合園芸会社です。今回はカフェでの室内装飾をしましたが、室内装飾で圧倒的に多いのはオフィスの装飾です。近年、職場環境の見直しが進み、快適に過ごせる環境づくりが進んでいます。その一環として、植物が求められるケースが増えてきました。

 

––今回、カフェでPOP UPイベントを行うことにしたのは?

妹尾さん:昨年会社がリブランディングしたんですが、改めて自分たちが何を目指していくべきかを考える中で、植物をより日常的なものにしていくために行動していこうと決めたんです。

個人の日常に訴求するためにはまず個人との接点を深めたいと思い、カフェでのPOP UPイベントをご依頼することにしました。SWITCH STAND ODAIBAの空間に合わせたグリーンコーディネートをご紹介しながら、植物のある空間での快適性について、実証実験をさせていただいています。

カフェは、集中したい人もリラックスしたい人も訪れるニュートラルな場所だと思うんです。そういう場所で、それぞれの目的に応じたグリーンのあり方を検証できるのは、とてもありがたいですね。

 

––今回のコーディネートは、SWITCH STAND ODAIBAの空間のどこに注目してどんな風に決めていったのか教えてください。

山口さん:まず注目したのは天井の高さですね。天井も高く、広さのある空間なので、置いたときに空間に負けないグリーンを選びました。シンプルにボリュームのあるものはもちろん、変わった枝ぶりのもの、ひと鉢で置いても動きが感じられるものなど、一癖あるものを中心にしています。

2人で自社の温室に行って現物を見ながら、「これをこんな風に置けたらいいかな」などと話し合いながら決めていきました。

 

––今回のPOP UPで「こうなったらいいな」と思うことはありますか。

山口さん:カフェにいらっしゃる皆さんの反応が楽しみです。今までグリーンのご提案については自分の知識や感覚頼りの部分も大きかったのですが、アンケートで個人のお客様の好みや価値観を知ることで、よりニーズに沿ったご提案ができるようになると期待しています。

妹尾さん:the SOHOのテナントやオフィスに植物がひと鉢でも多く入るといいなと思ってます。カフェで当社のグリーンに触れて「やっぱり植物っていいな」と思っていただけて、さらにご自分のテナントやオフィスへも置きたいと思っていただけることがあれば嬉しいですね。

 

最近、植物に触れていますか?お気に入りの植物に囲まれたとき、どんな気分になるでしょうか?Green POP UPに来れば、あなたと植物の新しい関係が生まれるかもしれません。溢れるばかりの緑に会いに、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

 

– Information –

ユニバーサル園芸社
【大阪本社】
〒568-0095 大阪府茨木市佐保193-2
【東京本社】
〒103-0015 東京都中央区日本橋箱崎町5-11

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SWITCH STAND ODAIBA
〒135-0064 東京都江東区青海2-7-4 the SOHO 1F
営業時間:11:00 – 17:00

ライター / 八田 吏

静岡県出身。中学校国語教員、塾講師、日本語学校教師など、教える仕事を転々とする。NPO法人にて冊子の執筆編集に携わったことからフリーランスライターとしても活動を始める。不定期で短歌の会を開いたり、句会に参加したり、言語表現について語る場を開いたりと、言葉に関する遊びと学びが好き。

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