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Food Future Session
2023.06.13. | 

[Vol.1]コロナ禍が明けた今、IsaI AkasakA が始動!【Sコンサルティング 軽部×RJオフィス 岸田×Yuinchu 小野】

「Food Future Session」という壮大なタイトルで展開する、×Mo:takeの座談会。今回は、7月に赤坂にオープンする複合型シェアオフィスビル「IsaI AkasakA」の管理者である株式会社RJオフィスの岸田浩治さん、コンセプト開発を担当するSコンサルティングの軽部拓さん、そしてビル内に今後オープン予定の「Mo:take STUDIO 赤坂」を担当するYuinchuの小野正視の座談会です。Vol.1では、プロジェクトへの3者の関わりや、コロナ禍前と変化した働き方やオフィスのあり方などについてお聞きしました。

IsaI AkasakAに関わるのはどんな人?シェアオフィス
ビルの管理、開発、運用の3者が集まった

――まずは自己紹介からお願いいたします。

岸田さん:私は複合型シェアオフィスビル IsaI AkasakAのビルの管理をする立場です。2000年ごろからレンタルオフィスの運営に携わり始め、もう20年ほどになります。6年前にRJオフィスを立ち上げて以降は、今までにないレンタルオフィスを作りたいという思いで取り組んできました。日頃さまざまな依頼をいただく中でも、このビルのプロジェクトはとにかく楽しそうだと感じ、管理者として取り組むことにしました。

 

軽部さん:私は、コンセプトを開発するという立場でIsaI AkasakAに関わらせていただいています。31年間博報堂に在籍した後、昨年独立してSコンサルティングを立ち上げました。博報堂では広告のマーケティング戦略を考えたり、広告を作る手前の段階にある、どんな商品を作ったらいいか、どんな事業をやったらいいかという経営に関わる相談へのコンサルティングをしてきました。

今はコンサルティングを中心に、コンセプト開発や商品開発事業、PRコミュニケーションなども行っています。

 

――軽部さんはこれまでにオフィスやレンタルオフィスなどを手がけられたことはありますか。

軽部さん:マンションやビルのブランディングはやってきましたが、レンタルオフィスは初めてです。

昔のブランディングはモノをブランディングするという感覚でしたが、ブランディングという言葉の意味合いも変化してきました。この10年ほどはモノだけではなく、携わる人をコミュニティ化して、コミュニティを元にブランディングすることも手がけています。

 

小野:Mo:takeは食のブランドではありますが、Yuinchuの主な事業である場づくり、そして場を動かしていくことをやってきました。岸田さんとは2022年にオープンした湾岸エリアのスモールオフィス「the SOHO」内の「SWITCH STAND ODAIBA」、そして2023年にオープンした初台センタービル内の「SWITCH STAND HATSUDAI」にも関わらせていただき、今回もお声がけいただきました。

僕に求められているものは、シェアオフィスの共用部分を内部の人がどう使うか、外部の人はどう使うのか、この施設自体にどんなつながりを作れるのか、という共用部分を、みなさんと一緒に考え、動かしていくことだと捉えています。

 

コロナ禍を経ても
レンタルオフィスが打撃を受けなかった理由

――プロジェクトの話に入る前に、コロナ禍もあってこの数年でガラッと変わった働き方についてお聞きしたいと思います。働くことや働き方が今どういう状態にあり、今後どうなっていくと感じているか、それぞれの立場からお願いします。

 

岸田さん: 私は元々レンタルオフィスに携わっているからこそ、いわゆるコワーキングと言われる場所のない働き方は日本人にはなじまないと考えていました。みんなどこかの主でいたいと思っていて、よその誰かと一緒に仕事をすることには抵抗があるだろうと思っていたので、コワーキングの分野には取り組んできませんでした。

だからコロナ禍になった時には「やばいな」と思いましたし、働き方が変わっていくだろうからそれに合わせたものを作らなければ、という強迫観念を抱きました。当時は誰も事務所に行かなくなる状態を想定していたんです。

 

でも、私は実際には何も変えませんでした。そして、その結果として、想像していたよりも事務所は残りました。もちろん、仕事が家でできるようになったのでオフィスが不要になった、という理由での解約も一定数ありましたが、予想よりも少なかったんです。

私は、自分だけの部屋があってそれ以外の共用スペースも充実しているのがオフィスの価値だと思っています。これは私の事業コンセプトでもあります。だからこそ共用部分を充実させたところ、コロナ禍で一度は減った分も戻ってきたんです。

コロナ禍が終わった今、出社しなくてはならない人たちがまた増えてきているので、このタイミングでIsaI AkasakAを出せていることには、我ながら“持ってるな”と思っています(笑)。

 

モノの価値が低くなる中で
今、場に見出されている価値とは

軽部さん: コロナ前は、一緒に集まって働くことに価値がありました。つまり、モノに価値があったんです。工場を作るなら1ヶ所に集めた方が絶対に効率がいいし、管理する事務方も同じビルにいた方が効率がいい、という働き方でした。だから誰も疑問を持たずに1ヶ所に集まり、9時から18時が勤務時間というルールの下で働くことで業績が伸びると考えていたんです。

でもそれがコロナ禍で崩れ、大げさにいうとモノに価値があるのではなく、本当の価値は頭の中にある、という考え方に変化しました。パソコン1台で仕事ができるので、場所はどこでもいいわけです。別にみんなが集合しなくてもいいじゃん、と言うふうに、意識が変化していきました。

一方で、岸田さんがおっしゃったように、場には価値があると私も思っています。今までは集合することだけに価値があったけれど、頭の中に価値があるならば、頭の中の価値を刺激してくれたり後押ししてくれたりする、そういう場があってもいいじゃないですか。だから場はどこかに必要だし、今、社会もそういうふうに変わり始めていると感じています。

働き方が変わり、場の意味も変わる、だから、一度はオフィスから出た人たちが、再び戻ってきたってことなのかなと思うんです。それに加えて、コロナでリモートワークをしていた人たちが戻ってきている状況もある。今二つの波が来ていて、やっぱり“持ってるな”って(笑)

 

――新しい意味での集まる場所を必要としてる人もいれば、このタイミングで以前の働き方でもう1回集まる人もいる状況で、新しい働き方を提供できる場を今作れているというのは、まさに“持ってる”んですね。

 

小野:僕は会社を立ち上げて10年になりますが、その前もずっとサービス業をして来ました。常に現場にいるような仕事なので、あまり1箇所に固まることを考えずにやって来ました。いい場所ができたら単価をつけてすぐに貸してしまうし(笑)

それがコロナ禍の少し前から会社のメンバーが増えてきたこともあり、逆説的に今、1ヶ所に集まって雑談したり、事業について意見を交わして刺激し合うことの価値をすごく感じています。だからこそ、このIsaI AkasakAに興味を持ったという面があります。

 

次回は6/15(木)に公開予定です。IsaI AkasakAの名前の由来やコンセプトについて、そしてどんな場所になっていくのか詳しく語っていただきます。(つづく)

– Information –
IsaI AkasakA

ライター / 平地 紘子

大学卒業後、記者として全国紙に入社。初任地の熊本、福岡で九州・沖縄を駆け巡り、そこに住む人たちから話を聞き、文章にする仕事に魅了される。出産、海外生活を経て、フリーライター、そしてヨガティーチャーに転身。インタビューや体、心にまつわる取材が好き。新潟市出身

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