SERIES
Food Future Session
2023.06.15. | 

[Vol.2]IsaI AkasakAは、異才の人たちが集まり、新たなことを生み出す場【Sコンサルティング 軽部×RJオフィス 岸田×Yuinchu 小野】

「Food Future Session」という壮大なタイトルで展開する、×Mo:takeの座談会。今回は、7月に赤坂にオープンする複合型シェアオフィスビル「IsaI AkasakA」の管理者である株式会社RJオフィスの岸田浩治さん、コンセプト開発を担当するSコンサルティングの軽部拓さん、そしてビル内に今後オープン予定の「Mo:take STUDIO 赤坂」を担当するYuinchuの小野正視の座談会です。Vol.2では、IsaI AkasakAの名前の由来やコンセプトについて詳しく語っていただきました。

「あなたこそ異才」
誰もが異なる才能を持っている

――働き方が変化しているタイミングでオープンするIsaI AkasakAですが、どういう場所にしていきたいと考えていらっしゃるのか、まずはブランディングを担当している軽部さんからお聞かせください。

 

軽部さん:今までのオフィスは効果効率のために集まっていましたが、今は集まることで新しいシナジーが起こったり発見や気づきがあるから集まる、というふうに変わってきています。IsaI AkasakAも、新しいものが生まれたり、イノベーションが起きる場にしたいと思っています。

コンセプトは「異才が集う。未来を彩る。」。名前を「IsaI」にしたのは、場に名前をつけたのではなく、ここに集まる人たちがどんな人なのかに名前をつけたんです。

これまではモノに価値があってモノにお金を払っていましたが、今は頭の中に価値があり、頭にお金を払う時代です。IsaIは、そういう異才の人たちが集まる空間です。これまでのようにそれぞれの場所で異才を放ってもいいですが、みんなが集まれる共有部分があることで、異才たちがより新しいことを作ったり産んだりできる場にしていきたい、と考えました。

 

――異才という言葉にはものすごくインパクトがありますが、具体的にはどんな人を想定されているのでしょうか。

 

軽部さん:異才とは、その人自身にしかない才能だと僕は思っています。今までは、その道のスペシャリストで、何かの秀でた力がある人たちが「才能がある」とされてきましたが、ここでいう異才とは一人ひとりが持つ才能であり、一人ひとりに価値があることに気づいてほしい、という意味も込めています。

ダイバーシティや多様性と言われるように、一人ひとりに才能はあります。何かに劣っているから才能がない、とするのであればそれは物差しの方がおかしいわけで、別の物差しで測ったら、ものすごくクリエイティブな才能があったりします。

IsaI AkasakAのコンセプト文の最後にも書きましたが、「あなたこそ異才。」です。全員異才なんだ、という自信を持ってここに来てほしいですね。

 

――ここに来て何かをやろうと思う時点でもうあなたは異才ですよ、ということですね。

 

軽部さん:IsaI AkasakAはそれを認め合う場所ですし、そうすることで新しいものが起これば自信にもなりますし、自分の才能に気づき、「俺たち異才だね」となると思うんです。

そしてそれを引っ張ってくれるような人も上層階に入居してほしいなと思っています。

 

1人でゆとりを持って使うも良し、
スタートアップのセカンドステップやワークスペースの見直しにも◎

 

――ワクワクするコンセプトですが、このコンセプトがどうやって生まれていったのか、その過程もぜひお聞かせください。

 

軽部さん:ビルのオーナーや、資本を出している人たちもいますので、その人たちとも相談しながら決めていきましたが、基本は岸田さんとキャッチボールをさせていただきながら、そして途中からは小野さんにも刺激をいただきながら作っていきました。

この建物は元々はホテルだったので、どんな設備があって部屋はこういう広さでと、側(がわ)がどんどん決まっていきました。その中で場を表現するコンセプトを考えていったわけですが、最初はどうもしっくりこなくて。放置したわけではないですが、寝かせる期間がありました。

そうしたらある日、「異能」というコンセプトがポンっと舞い降りてきたんです。岸田さんも「この方向だよね」と乗ってくれて、そこからみんなでブラッシュアップを図り、ここに至りました。

 

――何部屋ありますか? どんな方々が入居されるのかも知りたいです。

 

岸田さん:200室あります。4,5名で使える30平米程度の部屋が200室中の130室ほどあります。最大で8名は入れると思います。その倍の広さがある部屋もあるので、入居できる人数の総数でいうと1500名ぐらいになりますね。

高級ホテルをリノベーションしたオフィスなので、元々は弁護士やコンサルタントなど高級な属性の方々をターゲットにスタートしました。そういう方たちが1人で借り、打ち合わせスペースも作りながら使ってもいいですし、逆に8名の会社で使うと1名あたりの単価はすごく安くなります。スタートアップの規模よりは大きいかもしれませんが、スタートアップ後にクライアントが増えてきたので社員も雇わなきゃ、というセカンドステップの方々にもちょうどいいかもしれません。

コロナ禍でオフィスが分散した人たちを戻す、という使い方もあります。ただ、コロナ前のように社員全員分の席を作らなくてもいいので、20名の会社であったとしても中心となる人の人数が5名から10名ぐらいの会社にとって使いやすいのかなと思います。

そういう使い方も、こちらから魅せてあげると使いやすいのかなと思っています。

 

クローズドの共用部を少しずつオープンにし
入居者がその場を育てていく

 

――小野さんはどのタイミングでジョインされましたか。

 

小野:プロジェクトが立ち上がり、軽部さんがコンセプトで入ることが決まり、プロジェクトが動き出してからです。最初にお話を聞いたときに思ったのは、僕自身が固定のオフィスで働くイメージがなかったので、どうしたら魅力的に思えるか、ということです。僕は集中する時間は取りたいけど、外部の刺激がないとつまらなくなりそう、というタイプです。その点、個室がちゃんとあり共用部でも動きがあるのはすごく相性がいいと思いました。

一つの案として、サテライトオフィスとして使うのもいいなと考えました。例えば地方の建築会社が、東京にクライアントが増えたから設計チームの3,4名だけ東京へ行かせようとなったときに、閉じた支店を作るのではなく、共用部でいろいろな出会いもあるIsaIを借りて、共用部をショールーム的に使って見せる場所にするとか。その共用部にどう絡んでもらうかを考えるのが僕の役回りだと思いました。

 

――そうやってこのオフィスを借りる人の姿を思い描いていく中で、共用部でどんなことをすべきかも見えてきましたか。

 

小野:通常レンタルスペースは貸切なので、借りた人以外は誰も入って来ません。でもこの共用部でのイベントは、クローズドだけれど「入居者の人たちは、私たちの撮影会に参加してください」とか「入居者の人たちにヒアリングさせてください」とか、ちょっとサンプリングをしたりとかが意図的に仕掛けられるんじゃないかなと思います。

 

軽部さん:見えるところでやっていると、最初は入りづらくても、だんだん何人かが勝手に入ってくるようになりますよね。中の人の割合が多い時もあれば、外の人の方が多い時もあってもいいし、その機会をどんどん増やしていけば自然に関わり合える場所になるんじゃないかと思います。

 

小野:入居された方々が保有しているプロダクト、商品を体験できるブースをつくるのも一つだと思います。例えば、3年後に建つ商業施設の建築模型が期間限定で見られます、などとやると、今までは特典なのかわからなかったようなことが特典になる、といったこともできますよね。

 

軽部さん:この共用部がこれまでの共用部と違う特徴は、入居する人たちが使うクローズドの共用部をだんだんオープンにしていくことです。最初は自分達が使う場でありながら、模型とかを見せつつ少しずつ外の人も入れる、ということをしていくことで、共用部自身が育っていく。これがもう一つの特徴だと思っています。

例えば、厨房を使ったイベントがあったら、そのメニューを一定期間ここで食べられますよ、ということもできますよね。元々クローズドな共用部だからこそ、入居者が共用部を育てるんです。その育っていく様子が、外の人から見て面白い。育てる共有部という考え方は、すごく新しいと思います。だからこそ、IsaIに人がいっぱい入ってくるようになると思っています。

 

次回は6/27(火)に公開予定です。
Vol.3では、キッチンのある共用部をどう使っていくか、共用部をどう育んでいくかについてお聞きします。(つづく)

 

– Information –
IsaI AkasakA

ライター / 平地 紘子

大学卒業後、記者として全国紙に入社。初任地の熊本、福岡で九州・沖縄を駆け巡り、そこに住む人たちから話を聞き、文章にする仕事に魅了される。出産、海外生活を経て、フリーライター、そしてヨガティーチャーに転身。インタビューや体、心にまつわる取材が好き。新潟市出身

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