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食を起点としたコト起こしの舞台裏
2023.05.09. | 

[Vol.1]楽しみ方は無限大。日本オリジナルの「レモンサワー」を極める! レモンザムライ 鈴木慶洋さん

居酒屋の定番ドリンクとして、また、近年では低糖質のアルコールとしても注目を集めるレモンサワー。そんなレモンサワーに魅せられ、「レモンザムライ」として活動している人がいます。「レモンサワー」を極めるために、「レモンザムライ」として活動中の鈴木慶洋さん。鈴木さんがレモンサワーのレシピ開発に携わったり、レモンサワーのおいしいお店をインスタで紹介したりし始めたのは2017年のことです。広島県尾道市瀬戸田町産の「瀬戸田レモン」に出会い、その旨さに衝撃を受けた鈴木さんは、瀬戸田レモンのおいしさを伝えたいと個人で瀬戸田レモンの卸販売を開始。2021年からレモンザムライの活動に専念することに。

レモンザムライとしてメディアにも多く出演する中、レモンサワーへの探究心、おいしいレモンサワーに欠かせない最高のレモンとの関わりも深め続ける鈴木さん。2020年からの数年間はコロナ禍による大打撃も経験するなど、レモンザムライの活動の背景には、好きなことを自由に仕事にしたいという想いやさまざまな試行錯誤がありました。

「レモンサワーが好き」!シンプルな気持ちから始まった

−−鈴木さんとレモンサワーの出会いを教えてください。

鈴木さん:もともと、お酒を飲みに行くのが好きだったんです。ビールから始まってウイスキーへ、どんどんはまっていくうちに、良いお店を探して行くようになりました。でも、30歳ごろから、あまりお酒が飲めなくなってきて。そこからまずはお茶割りにはまり、レモンサワーにたどりつき、「レモンサワー、うまい!」と(笑)。レモンサワーが好きになり、グッとはまっていきました。

 

−−「レモンサワーが好き」から始まったんですね。

鈴木さん:そうなんです。レモンサワーの定義って実はあいまいで、特に決まったものはないんです。「定義が決まっていないのであれば、それを追求するのは面白そうだな」と思い立ち、いろんなお店のレモンサワーをインスタに載せ始めたのが最初です。余談ですが、海外で「レモンサワー」というと、蒸留酒にレモン果汁を入れて甘みを加えたショートカクテルのことを指すんです。アメリカに行ってレモンサワーを頼むと、炭酸が入ってないショートカクテルが出てきます。炭酸を入れてシュワシュワさせるのは日本オリジナルのレモンサワーなんです。

 

−−そうなんですね!知りませんでした……。「レモンザムライ」と名乗るようになったきっかけは?

鈴木さん: 30歳手前の頃、その時は飲食業に就いていたのですが、年齢的にも今後の身の振り方をいろいろ考える中で、このままサラリーマンを続けるよりも、好きなことを仕事にしたいという想いがずっとあったんですね。そんな時、一緒に飲んでいたある先輩から、「そんなにレモンサワーが好きなんだったら、いっそのこと極めてみて、〝レモンザムライ″ってキャッチーな名前つけて活動してみたら」って言われたんです。そのとき、「レモンサワーには可能性がある。それを追求したらいろいろなバリエーションの仕事につながるかも」って思いついたんですよ。

それに、定義があいまいということは自由ということ。好きなことを自由にできて、しかも仕事になったらすごいなと。「〝レモンザムライ″、いいっすね! 世界に日本のレモンサワー文化を発信したい!」とスイッチが入って、やろうと決めました。飲食店さんにレモンサワーについてのレシピを提供するなどしながら少しずつでも収入につながれば、好きなことが仕事になるはず。それならちょっと頑張ってみようと思いました。

 

「レモンザムライ」が伝える、日本のレモンサワーの魅力

−−「レモンザムライ」の活動のようすを教えてください。

鈴木さん:レモンサワーのおいしさを伝えるためのイベントを開催する、飲食店さん向けに瀬戸田レモンの卸販売をし、お客さまがこれまで飲んだことのないようなおいしいレモンサワーを提供する、EC販売でご家庭向けに、瀬戸田レモンのおいしさを伝える、の3つです。

 

−−「日本のレモンサワー文化を世界に発信したい」ともおっしゃっていましたね。

鈴木さん:それも思っています。2019年にポートランドでレモンサワーのイベントをやったときに、海外の人に日本のレモンサワーを出すと、「これ、レモンフィズじゃない?」って言われたんです。そこで海外の人に、日本人はお酒離れしていることや、お酒が飲めない若者が増えていること、2015年ぐらいから、日本の若者の間で横丁ブームがきて、健康志向も相まってレモンサワーがブームになったことなどを話してたんです。そのとき、日本のレモンサワーを紹介することは、日本の文化を伝えることにつながって、とてもおもしろいことだと思いました。2020年からはコロナの影響で海外渡航が制限されていましたが、だいぶ自由になってきたので、海外でも日本のレモンサワーを広める活動を再開したいです。

 

−−日本人が普通に飲んでいるレモンサワーは日本独特の文化なんですね。

鈴木さん:そうですね。日本独自のものだからこそ、「サムライ」の名称もぴったりだと思います。

 

 

失敗はした方がいい。「とりあえずやってみよう」がレモンザムライの行動原理。

−−鈴木さんの子どもの頃のことも教えていただけますか。

鈴木さん:僕は奄美大島で生まれて、幼稚園ぐらいのときに茨城県へ引っ越しました。それからは、だいたい年に1回は奄美に遊びに帰るぐらいですが、今でも奄美は大好きな場所です。

 

−−小さいころから何かに凝るタイプだったのでしょうか?

鈴木さん:実は、そういう感じではなかったんですよね。サッカーはやってましたけど、何かに凝る、というタイプではなかったと思います。レモンザムライも、先輩に勧められて興味を持ったので。僕は、子どもの頃から、やってみて、失敗して、大事なことに気づくタイプ。だから、とりあえずやってみようというのは昔からありますね(笑)。

 

レモンザムライとしての活動が始まった鈴木さん。鈴木さんがハマった、おいしいレモンサワーに欠かせない瀬戸田レモンの魅力とは?次回詳しくお伝えします!

次回は5/11(木)に公開予定です。

 

– Information –

レモンザムライ
WEB/ECサイト/Instagram

ライター / 黒澤 真紀

愛媛県生まれ。5年間の都内学習塾勤務を経て、2011年にフリーライターに転身。ウェブや雑誌のインタビュー記事、教材や試験問題の作成や小論文の添削などを担当する。高校生と中学生の息子とのおしゃべりが大好き。

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