2022.01.27. | 

[Vol.3]いま目を向けているのは地元・箱根。街を盛り上げ、昔のような活気を取り戻す フードプロデューサー 小川弘純さん

フード、ホテルのプロデュースを経て、小川さんが新たに取り組み始めたのは、地域活性化。18歳で拠点を東京に移した小川さんですが、現在は地元である箱根を盛り上げるため、1865年創業の「鈴廣かまぼこ」とのお仕事をするなど、積極的に活動しています。再びMo:takeの坂本も交え、小川さんから見た箱根の現状と課題、目指す将来像、さらにMo:takeと一緒にやってみたいことなどをお聞きしました。

「やっぱり箱根はいいね」と言われたい

地元を出てみて感じる、箱根の魅力と課題はどんなところでしょう?

 

小川さん:箱根の魅力は、関東屈指の温泉地であり、東京から電車で1時間半という近さながら、自然が豊かで昔ながらの街並みを楽しめるところです。一方で、箱根というブランドがあるため、お客さんは自然にやって来ます。必死にならずとも日々の営業はやっていける分、長期的に捉える視点に欠けているかもしれません。

例えば、インバウンドで外国人がたくさん来るようになったら、看板には日本語と同じ大きさの外国語が書かれ、電車やバスでは数ヶ国語でアナウンスが流れるようになりました。でも、それって来た波に乗っただけであって、この先の対応策は考えていないんですよね。東京で勝負している身からすると、「商売への姿勢が弱いのでは」と感じてしまいます。

僕が幼い頃は、もっと街に活気があったような気がします。今は地元産業が縮小し、人口も当時の半分ほど。暮らしているのは65歳以上の高齢者が多数を占めているという現状があります。働き口がなく、スーパーも病院も少ないので、若者や子育て世代が出て行ってしまったのでしょう。

これまでは目の前のことに必死でしたが、これからはこうした地元の現状に対して何らかの形で貢献し、盛り上げていけたらと思っています。「やっぱり箱根はいいね」と言ってもらえるくらい、活気を取り戻したいですね。

 

老舗企業「鈴廣かまぼこ」の想いに共感

小川さんは現在、箱根・小田原に拠点を構える老舗企業「鈴廣かまぼこ」のブランディングに携わっています。地元を盛り上げる大きな足がかりになりそうですが、協業のきっかけは何だったのでしょうか。

 

小川さん:「鈴廣かまぼこ」のブランディングを手掛けることになったのは、本当にひょんなきっかけからでした。東京で行われたフードイベントにいらしていたところをご紹介いただいたんです。かまぼこはお正月に食べるイメージが強いですが、「鈴廣かまぼこ」では、かまぼこはおいしくて体にいいものだから、年間を通じて食べてほしい。それが練り物業界、水産業界で働く人たちの幸せにもつながると考えているとうかがいました。

さらに、かまぼこの魅力を日本はもちろん、世界に広めていく活動もされていると知り、地元企業と一緒に何かできないかと考えていたところだったので、「無償でもいいからお手伝いをさせてほしい」と前のめりで手を挙げさせていただきました。

お客さんのタッチポイントになるスーパーの店頭までイメージしてブランディングを行いつつ、ホームページでかまぼこを暮らしに取り入れるヒントやおいしく食べる方法などをご紹介しています。ホームページのリニューアルから1年半が経ち、ようやく購読者が増え、ECへの誘導もできるようになってきましたね。

 

かまぼこが秘める新たな可能性を
Mo:takeに引き出してほしい

フードプロデューサーの小川さんと新しい「食」のたのしみ方を発信しているMo:takeは、とても相性が良さそうです。これからMo:takeと一緒にやってみたいことはありますか?

 

小川さん:今、箱根はスーパーも地元の人が気軽に利用できる飲食店も少なく、箱根で働く人の食事のほとんどがコンビニ弁当なんです。そんな現状を変えるため、「食」のプラットフォームをつくり、街全体の給食のようなかたちで、皆さんの「食」の支援ができたらと思っています。プロジェクト化された際には、ぜひMo:takeさんにもご参画いただき、箱根や小田原で採れた食材や売れ残った食材などを使ったメニューを考えていただきたいです。

また、「鈴廣かまぼこ」のホームページに掲載している、かまぼこレシピの監修もお願いしたいですね。かまぼこ以外にも、水を加えて練るだけで生すり身ができる「万能すりみパウダー」という商品があって。好きなものを入れれば、今までにない、どこにも売っていないかまぼこをつくれるんです。例えば、エビと大葉を入れたり、ベーコンやチーズを入れたり。Mo:takeさんには、「万能すりみパウダー」を使って、僕らが思いつかないようなレシピを提案していただけたらありがたいです。

 

坂本:そんな商品があるんですね!今までにない新しい使い方ができそうですね。色々なジャンルのフードクリエイターにレシピを考えてもらうのもおもしろそうですね。

 

小川さん:おもしろいですね。ご登場いただいた方に、次の方をご紹介いただくリレー形式にしてもいいかもしれません。タイトルは「かまぼこの輪」で!

 

– Information –

小川酒店
Facebook:https://www.facebook.com/ogawasaketen.jp/
鈴廣かまぼこ
HP:https://www.kamaboko.com/
小川さんが携わる鈴廣のメディア「かまぼこのある暮らし」
HP:https://www.kamaboko.com/column/?pctop

ライター / 上條 真由美

長野県安曇野市出身。ファッション誌・テレビ情報誌の編集者、求人広告のライターを経て、フリーランスとして独立。インタビューしたり、執筆したり、平日の昼間にゴロゴロしたりしている。肉食・ビール党・猫背。カフェと落語が好き。

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