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コーヒースタンドを起点とした場づくりの舞台裏
2020.01.14. | 

[Vol.2]連結し、広がり続けるお店。TARPtoTARPはキャンプの可能性の入口だった

一緒にキャンプをしている人を「うまい!」と感動させるために考えたり準備したりするのが好き、そう楽しそうに語る須山さんのお店「TARPtoTARP」は横浜駅から3駅となりの馬車道駅近くにあります。今回は、須山さんの活動の中心にある「キャンプでつながる」とは一体どういうことなのか、驚くようなストーリーをご紹介します。

TARPtoTARPの須山さんにとって「良いつながり」とは?

人と人のつながりを大切にしているTARPtoTARPの須山さん。その想いは、お店の名前を「タープとタープがつながる」ことを意味するTARPtoTARPと名付けたことからも伝わってきます。

しかし、人と人のつながりと言っても、世の中にはいろいろなつながりがあります。良い未来を生むつながりもあれば、逆によくない結果をもたらすつながりすらあります。そんな中、須山さんの考える「つながり」とは一体何なのでしょうか。

 

須山さん:僕がつながりについて考える時、いつも大切にしていることはみんながハッピーになれるか?という点です。特にキャンパーがハッピーになれる未来が浮かぶかどうか?という視点です。

 

須山さんの指す”みんな”の中心にはキャンプをする人たちがいます。その輪の中にTARPtoTARPだったり、コラボレーションする相手もいます。キャンパー、コラボ相手、TARPtoTARPの三者がハッピーになれること、それが須山さんの考える”つながり”のスタートラインなのです。

 

須山さん:一方で、アウトプットのクオリティも大切です。そのためには技術があることも重要ですが、そこに共通の体験があるかが強く影響してくると思っています。それがキャンプを通じて感じる場の一体感だったり一緒に作業をすることで生まれる共鳴のようなものだと思ってるんです。

 

 

キャンプを通じて生まれた奇跡のようなあるお菓子屋さんの話

須山さん:キャンプを通じたあるお菓子屋さんとデザイナーの人の出会いが本当に素晴らしくて。

 

と、話し始めた須山さんは心の底からキャンプが持っている可能性を楽しんでいる様子でした。そのストーリーはこんな具合です。

 

須山さん:キャンプ仲間の中に、20年来のお菓子屋さんの社長さんがいたんです。彼がちょうど銀座にお店を出したいと思っていた時、最初の偶然が生まれました。

ちょうどキャンプ仲間のなかに不動産屋さんがいて、その人を通じて東銀座にちょうどいい土地を見つけることができたんです。

 

ここまではただの偶然と言えばそれまでで終わってしまうかもしれません。しかし、すごかったのはその次の出来事でした。

 

須山さん:新しく銀座に店を構えるにあたって、その社長はお店のブランドをリニューアルしたいと思っていたんです。

 

お店のブランドをリニューアルするというのは、本来何ヶ月も下手すると何年もかかる可能性がある仕事です。

 

須山さん:その話を聞いた頃に、社長が前回紹介したテーブルを知るきっかけとなったデザイナーの人とキャンプで出会っていたんです。しかも、ただ出会うだけではなく、一緒に一晩中太鼓のセッションをしていました。

 

社長がリニューアルしたいという話を思い出した須山さんは、後日そのデザイナーの人に「実は先日のキャンプで太鼓のセッションを一緒にしていた人がお店のブランドのリニューアルをしたいと思ってるんです、興味ありますか?」と聞いてみたそうです。

デザイナーの人はすぐに承諾。さっそく1回目の打ち合わせを迎えます。

 

須山さん:そしたら、最初の打ち合わせの時にそのデザイナーの人はもうすでにプランを考えて持ってきていたんです。それもドンピシャのプランを。社長はその場で即決して、ブランドのリニューアルの方針がものすごい速度で決まりました。

 

そのプランは、相手のことをよく理解していないと到底考えつかないような素晴らしいものだったそうです。

キャンプには人と人のつながりをうながし、つながった後の動きをスムーズにする潤滑油のような力があると語る須山さん。

そう信じるのも、目の前で驚くべき速度でそれが実現したからだと言います。

 

 

来年、TARPtoTARPのつながりを集めたお祭りを計画している

TARPtoTARPには、こんな風にキャンプを通じて生まれたつながりから生まれたキャンプギアやグッズが集まってきています。その数は、まだTARPtoTARPがオープンから1年経っていないことが信じられないほどです。

そして、来年1周年を迎えるTARPtoTARPでは、1年間のつながりを集めたお祭りをしたいと考えているそうです。

前回のVol.1で、キャンプにおいて食はとても重要だと考えていると語っていた須山さん。今回の取材を通じてMo:take MAGAZINEとコラボして何か「キャンパーの食に対する感動を高めるアイディア」を一緒に実現したいと話していました。

実は、取材の席にはMo:take MAGAZINEのヘッドシェフ坂本も同席していました。取材中、何度も須山さんと同じ価値観を持っていることを確認していった私達。

1/21(火)に公開予定の次回では、TARPtoTARPとMo:take MAGAZINEがコラボレーションした先に生まれる未来の可能性についてご紹介します。(つづく)

 

– Information –

店舗名:TARPtoTARP

住所:横浜市中区太田町6-70 井上ビル2F

「TARPtoTARP」の看板が出ているビルの2階

Instagram:https://www.instagram.com/tarptotarp/

営業時間:12:00-20:00
定休日:日月火

※ 臨時休業する場合があるので事前にInstagramでご確認下さい

ライター / 和輝 齋藤

1991年生まれ。築地の市場でせり人の見習いから社会人を始めた不思議な経歴の持ち主。現在は「齋藤商店」の屋号でワークショップデザイン中心にライター・カメラマンをするフリーランスとして活動している。趣味は5人以下しか集まらない尖ったイベントを企画すること。

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文脈や背景を知ることで、その時、その場所は、より豊かになるはず。

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