2019.06.13. | 

[Vol.1]「リラックスできる時間」が身近にある心地よさを提案したい ー yaunn 陳野友美 ー

毎日の暮らしに寄り添ってくれるライフスタイルブランドがあります。それは「yaunn/ヤウーン」。幾重にも重なりあう雲=八雲(やくも)という言葉から生まれました。作り手や素材のもつストーリーが、使う人の生活にすっと溶け込むことで、心からリラックスできる時間を過ごしてもらえたら。そんな思いが込められています。ユニークなのは、オーナーの陳野友美さんがマーケティングのコンサルタントだということ。デジタルの世界で活躍する彼女がなぜ、ライフスタイルブランドを立ち上げたのでしょうか。きっかけや思いについてお聞きしました。

[PR]yaunn

「愛着がもてるものを作りたい」に込められた思い

2015年から「データ&マーケティング株式会社」の経営者として事業を展開している野友美(じんの・ともみ)さん。yaunnを立ち上げたのは、2018年10月のことでした。

 

野さん:起業をしたときから、「社会の役に立てるような事業をしたい」と思っていました。当時はまだ具体的な計画は何もなかったのですが、日常的に使うものへの疑問を持っていたんです。大量生産、大量消費が当たり前になっている今、自分が着ているものや使っているものがどんな素材で、どんな人の手でどんなふうに作られたのかがわからない。こんなにも情報があふれいるのに、そういった情報にはたどり着けないんですよね。

企業は大量に生産して、消費してもらうことで売上をあげています。そうやって生産・消費されたものは作り手や素材が見えないので、雑な扱いになりがちです。SNSにアップしたら捨ててしまうとか、そんなことも起きています。

 

「そういう世の中を違う形にしたい」。野さんはこの仕組みを変えるため、事業を立ち上げたそうです。

 

野さん:ものづくりとITの橋渡しをするようなかたちで、買う人、使う人の意識や行動を変えられるようなことができたら。そういう思いでyaunnを立ち上げました。私自身もものづくりに参加して、作り手の想いや工程、素材などストーリーを伝えていくことで、買ったものを愛着もって使っていただけたらという願いを込めてブランドづくりにあたっています。

 

yaunnでは商品の紹介だけでなく、ブランドに関わる人や企業などにフォーカスし、丁寧に伝えています。Webサイトには丁寧に取材された記事が並んでいて、より深く知ることができます。

 

野さん:伝え方についてはまだ課題があると思っています。もう少しわかりやすく、さらにITやマーケティングの視点からもっと工夫ができないか、模索しているところです。

yaunnに共感し、一緒に伝えてくれる仲間がほしいですね。事業を始める前に半年くらいビジネスモデルについて考えていたのですが、ひとりだとできることに限りがあるんですよね。作り手として関わってくださる方はいるのですが、ブランドをより上質なものへ育てていくためにも、もっとたくさんの人を巻き込んでいきたいです。

 

 

目に見えにくい、大切な価値を、わかりやすく丁寧に見せる

野さんがyaunnの第一弾に選んだのは、アパレル商品のシャツでした。「LOUD AIR」のデザイナー、岡村成美(おかむら・なるみ)さんと作った個性的なユニセックスデザインのシャツです。

 

野さん:アパレル業界の問題に関心があったので、ライフスタイルブランドとして、まずはそこから始めることにしました。ファストファッションなど、誰もが買いやすい価格で提供することは企業努力として大事なことだと思います。でも、一方で人の手が施されていることや、目に見えない付加価値が忘れられてしまうのではないかという危惧を持っていました。だから、yaunnは見えづらい価値を伝えることでこの問題を解決できないかと思ったんです。

 

第二弾はカップ&ソーサーとコーヒー豆です。それぞれyaunnのビジュアルイメージである、青い空と雲をもとに作られています。

 

野さん:日常にあるものをラインアップしたいと思っています。シャツだけだとわかりづらかったかもしれませんが、カップ&ソーサーとコーヒー豆が生まれたことで、ようやくライススタイルブランドとして伝えられるようになりました。

 

シャツをデザインした岡村さんも、カップ&ソーサーを製作した岡崎慧佑(おかざき・けいすけ)さんも、コーヒー豆を調合・焙煎した板倉和之(いたくら・かずゆき)さんも、「作る工程を見せたい」というyaunnのコンセプトに共感し、参加してくださった作り手さんです。ただ、大きなチャレンジでもあったようです。

 

野さん:アパレルのデザイナーさんには、どんなことを考えているかとか、どんなふうにデザインしているかとか、あまり言いたくないという考えの方もいらっしゃるそうです。デザイナー同士はライバルだから、どこの縫製工場を使っているかといった情報も共有しないこともあるそうです。それくらい競争の激しい業界なのだそうです。そういった状況の中、岡村さんは「一緒にやりましょう、作る過程も伝えましょう」と言ってくださいました。

「毎日使っているものなのに、生い立ちがわからないっておかしいよね。ものが生まれるプロセスを知って、愛着をもって生活したほうが心地いいよね」という意見に共感してくださったからこそ、「開示してもいいよね」と言ってくださったのだと思います。yaunnはこんなふうに一つひとつ、作り手さんと一緒にプロダクトを増やしている最中です。

 

 

わざわざ旅行に行かなくても、
日常そのものがリラックスできるように

作り手や作る工程を知ることで、使う人の側に立ってとても丁寧に作られていることがよくわかるyaunn。では、yaunnが日常にあることで、ライフスタイルはどう変わるのでしょうか。
 

野さん:yaunnのプロダクトを使うことで豊かな気持ちになったり、リラックスできる時間を過ごしていただければ嬉しいですね。忙しい毎日でも、お気に入りのものが生活の中にあれば、わざわざ外にリラックスできる場を求めなくていいと思うんです。

たとえば朝、会社に行くのがおっくうな日も、「あ、あのカップでコーヒーを飲みたいから起きようかな」と思えたり、「あのシャツを着たいから、今日もがんばろう」とエネルギーが湧いたり。

旅行など、遠くに出かけなくても、日常の中にリラックスできる時間が散りばめられている。そのそばにあるのはyaunn。そんな生活を彩る一部になればと思っています。

毎日毎日そこまで思い入れて使っていただかなくても、生活のかたすみにあってくれたらうれしいですね。「お気に入り」のひとつになって、使うことで心からほっとできる時間をもってもらえたら。そのお手伝いができればうれしいです。

 

次回は6/18(火)に公開予定です。

野さん、そしてコーヒー豆を調合・焙煎した板倉さん、カップ&ソーサーを製作した岡崎さんに制作秘話をお聞きしました。それぞれが大事にしている思いとは。なぜyaunnに参加したのか。作り手たちの言葉をお届けします。(つづく)

 

 



– Information –
yaunn

https://yaunn.jp/

軽井沢コーヒーカンパニー

長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢555-1

<営業時間>10:00~17:00

定休日:水曜日(8、9月は無休)

http://karuizawa-coffee.jp/

 

岡崎慧佑さんHP

http://okazakikeisuke.com/

ライター / たかなし まき

愛媛県出身。業界新聞社、編集プロダクション、美容出版社を経てフリーランスへ。人の話を聴いて、文章にする仕事のおもしろみ、責任を感じながら活動中。散歩から旅、仕事、料理までいろいろな世界で新しい発見をすること、わくわくすること、伝えることが好き。

Mo:take MAGAZINE > [Vol.1]「リラックスできる時間」が身近にある心地よさを提案したい ー yaunn 陳野友美 ー