実は、新潟は全国2位の〇〇県だった!?
新潟の食といえば、お米、魚、日本酒が有名ですが、さすがに今回のローカルフードはそれらではありません。今、新潟で最もアツいローカルフードは、「ラーメン」です。
新潟は実はラーメン県なのです。総務省が発表した2021年家計調査で、新潟市は「中華そばにかけた外食費」で8年連続1位だった山形市を抜き、初めて全国1位を獲得しました。
翌22年以降は山形に再びその座を奪われているものの、昨年まで3年連続で2位を守っているのです。近年は1位奪還を目指し、自治体である新潟市もラーメンの消費を上げるためにさまざまな取り組みを行うほど。
当然ながら、ラーメン店の数も多く、人口10万人あたりのラーメン店舗数も新潟は2位を獲得。ラーメンは、新潟が全国に誇る食文化のひとつなのです。今回は、そんな新潟のラーメンについて、深掘りしてみました。
地域で細分化する新潟のラーメン文化
新潟のラーメンは細分化しているのが特徴です。「新潟5大ラーメン」と呼ばれる、地域ごとにジャンルの異なるご当地ラーメンがあります。雪国ならではの、体を芯から温めてくれる「長岡生姜醤油ラーメン」、背脂と極太麺が特徴的な「燕背脂ラーメン」、つけ麺のように割りスープが添えられる「新潟濃厚味噌ラーメン」、丼の底が見えるほど透き通ったスープのシンプルな味わいと極細麺の「新潟あっさり醤油ラーメン」。
そして、80年以上と古い歴史がありながら、県内でも限られた地域でしか食べられない「三条カレーラーメン」の5つです。
そして、それぞれ特徴的な新潟5大ラーメンのなかでも、特にオリジナリティーが強いのが「燕背脂ラーメン」です。「背脂ちゃっちゃ系」と呼ばれ、全国的にも話題になっているこのラーメンこそ、今こそ新潟で味わいたいローカルフードといえます。
全国区になりつつある「燕背脂ラーメン」がアツい!
燕背脂ラーメンは、名前のとおり金物産業の街・燕市がルーツです。およそ半世紀前、とある中華料理屋で誕生しました。市内の金物職人たちへの出前が多いその店では、普通のラーメンだと運んでいる間にスープがぬるくなったり、麺がのびてしまって、おいしさが半減することが課題でした。
そこで、スープにアツアツの背脂で膜をつくり、冷めにくくなるようにしたり、茹でる時間が短くなる分のびやすい細麺を極太麺に変えたり、試行錯誤をすることで、出前でもおいしいラーメンを作り出したのです。出前で食べるラーメンも、おいしいものを食べてもらいたいというその工夫がウワサになり、店頭でも提供される定番メニューとなるだけでなく、新潟ラーメンの一つのカテゴリーにまで成長したのです。さらに、背脂はかつて使い道がなく廃棄されていたというので、近年話題のフードロスの削減にもつながったそうです。
さて、この燕背脂ラーメン。たっぷりかけられる背脂は、見た目は重たく感じられるかもしれません。しかし、意外や意外、コッテリとはまた違うコクや甘みが感じられ、濃口しょうゆの煮干しベースのスープにうどんのようなモチモチの極太麺、みじん切りの生タマネギの歯応えもマッチして、クセになる味わいです。
アーティストたちが伝説となるようなライブを見せてくれるフジロックを楽しんだあとは、燕背脂ラーメンをはじめとする新潟5大ラーメンを食べ比べるラーメンフェスというのも面白いかもしれません!