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食を起点としたコト起こしの舞台裏
2024.06.21. | 

[Vol.2]農業の師匠、とうもろこしの師匠。師匠のおかげで今がある。

夏の風物詩といえば、八ヶ岳生とうもろこし!というわけで、前回に引き続きハマラノーエンの歴史や彼らの想いをお届けする今回は、ハマラの2人と八ヶ岳生とうもろこしとの出会い、そこからどんどんとファンを増やすハマラの歴史をひも解きます。そこには、農業の師匠とは別に、とうもろこしの師匠の存在も。その師匠の想いが彼らにしかできないことに気づかせてくれたようです。それでは後半戦、スタートです!

エピソード3:出会い
「八ヶ岳生とうもろこし」との出会い、対面販売を続ける理由。

現在の主力商品となる八ヶ岳生とうもろこしとの出会いは、もともと近所に住む私たちの“とうもろこしの師匠”の農家が何気なく食べさせてくれたのがきっかけでした。初めて見るサイズで、なんとも小ぶりな採れたての淡い黄色のとうもろこしを「生でそのまま食べてごらん」と渡された時に、生でとうもろこしを食べても美味しくないと知っていた私たちは渋々とうもろこしをかじりました。すると、口の中に広がったのは驚くほどの甘さ、そしてはじけるような食感と瑞々しい粒のはじけ感。生なのに青臭さがなく、もはや今までのとうもろこしの味ではない。これは新たなフルーツなんじゃないか?と驚きの連続で、こんなに衝撃を受けたのは初めてでした。

 

でも「こんな美味しいのになぜ普通に売られていなんですか?」と疑問を投げかけると、「とうもろこしはそもそもまだ生で食べる認識があまりないし、この品種は特にサイズも小さいから、今の市場のルールでは需要がないんだよ。いくら農家が美味しいと言っても今の市場のほとんどは、見た目やサイズでしか値段をつけてくれない。本当は美味しいとわかっていても、“伝えることの出来る場がない”から、こんな風に無くなっていく野菜たちがあるんだよ。」と寂しそうに話すとうもろこしの師匠。それを聞いた私たちは、営業をやってきた自分たちが農業をやっている意義は、もしかするとこういう野菜たちを知ってもらう事なんじゃないかと気づかされました。そして農家自体が伝えられないなら、自分たちが伝えられる形にして表現しよう、作るのが下手でも、農家だからこそ本当に美味しい野菜の味と想いを伝えることができる思い、そこから対面販売を続けるようになりました。

 

エピソード4:こだわり

こだわりからなる苦労を乗り越えられたのは、こだわって会いに来てくれた人たちのおかげです。対面販売だけをしようと決めてから市場への出荷をしなかったため、最初の数年は知名度もなく、お店に立っても一日の売上が一人分の日当にもなりませんでした。とうもろこしは収穫したタイミングから糖度が落ちてしまうという特性があります。それでも私たちは本当に美味しいと感じた味だけを伝えたかったため、朝どりのみを届ける、品質安定のため1日の収穫量を制限する、必ず試食をしてもらってから買ってもらうなど、強いこだわりをもって販売をしていました。でも、手に取ってもらえるまでのハードルは高く、多く売れ残る日も。そんな中でも自分たちの話を聞いてくれて、対面でもわざわざお手紙で応援してくれたり、毎年待ってましたと遠方から会いに来てくれる人たちが増えてくれたことが励みとなり、どんなに苦しくてもやり抜こうと思わせてくれました。

 

エピソード5:成長
いつしか噂が噂を呼び、行列ができるほどに。

直売所やマルシェでは八ヶ岳生とうもろこしを中心に売れ行きが増えていき、お客様の要望に応じて通販でも購入できるようにしたり、会社員時代に培った営業経験を活かして積極的な営業活動を展開。地元の宿泊施設や商業施設での取扱いや地域のブランド野菜としても少しずつ注目されるようにもなりました。そんな中、当時はとうもろこしに特化したギフトブランド化を目指して、生産から直接販売までを一貫して行う個人農家がほとんどいなかったため、近隣の農家から珍しがられたり、時には地元っぽくないとバッシングを受けることもありました。でも私たちは、自分たちが目指す”本当のおいしい野菜を知ってもらい、野菜自体の価値向上を考えている”ということを知ってもらいたいという想いで、農業を続けてきました。すると年々地元の方でもリピーターになる方が増えていき、直売所や施設内のマルシェは有難いことに行列ができるようにもなりました。今では想いに賛同してくれた地元農家と契約栽培をし、毎年生産できる量を増やしています。地元地域でもとうもろこしを栽培する農家も増えていき、少しずつ地域活性化に繋げられているのではと思っています。

 

エピソード6:晴天の霹靂
農業の師匠である祖父母からの最後の贈り物。

 農業の転機は「ハマラノーエンの八ヶ岳生とうもろこしが日本ギフト大賞に選ばれました」という一本の電話からでした。その出来事は、なにひとつ農業のことを知らなかった私たちに、一から農業のことや考え方を教えてくれた師匠の祖母が亡くなって間もなくのこと。自分たちで応募した覚えも無く、これは詐欺の電話ではないかと疑いながら、何度も確認して正式な受賞であることがわかりました。この受賞で、とうもろこしの需要は増え続け、とうもろこし専門になろうと決めたきっかけにもなりました。実はこの受賞、名乗ることのない審査員の方が、とにかく無我夢中で様々なマルシェに行って対面販売をしていた私たちを見て、熱意と味に感動したことがきっかけで受賞できたことを後になって知りました。でもこれはきっと陰でいつも支えてくれていた祖母が、天国から贈ってくれたものだとも感じています。そして、同じようにずっと心配していた祖父も私たちからギフト大賞受賞のことを聞くと、初めて嬉しそうに笑ってくれました。それから間もなく、祖父も祖母を追うように亡くなります。私たちにもう師匠の祖父母はいませんが、今があるのは、厳しくも優しく、周りの批判や反対があろうとも誰よりも最後まで自分たちを信じて見守り続けてくれた祖父母のおかげです。

 

その後も様々な賞を受賞し、メディアから取材を受けることも増えていきました。農業をはじめて十数年が経ち、需要とともに栽培量が増えるのと同時に、一緒に栽培する仲間も増え、八ヶ岳生とうもろこしは地域のブランド野菜として認知してもらえるようになってきました。

 

新しい「農」に関わりたいという皆さんの力と、共に発展させたい

そんな今の私たちだからこそ、農を通してできることはなんだろうと本気で考えた時に、「農」体験を通して、人々の「らしさ」を引き出す場づくりをすることが、ひとつの答えではないかと思っています。それを具現化したのがこの「ハマラハウス」です。この「ハマラハウス」を誰もが居心地良く、農を気軽に感じながら、第二の故郷(ふるさと)だと思っていただける場所にしたいというのが、このクラファンの本質です。そして、ハマラハウスを自分たちだけで作るのではなく、新しい「農」に関わりたいという皆さんの力と共に発展させたいと考えています。

皆様からのご支援は、発展のカタチのひとつでもあるコンテンツを増やす(施設拡大、新たなサービス提供)ために活用させていただきます。私たちが贈る「農」体験を通して、人々の「らしさ」を引き出す場づくりにぜひご期待ください!

 

最後に

ここまで私たちハマラノーエンの過去と想いを読んでくださり、本当にありがとうございます。農業はいまでも3K(きつい、稼げない、格好悪い)の仕事と言われ続け、自分でやる、関わるには覚悟をしないといけないとも思われがちです。でも私たちハマラノーエンはそうは思っていません。本当はもっと楽しいですし、稼ぐチャンスもあるし、格好だっていい。もっと自由なんだと。私たちが表現する新しい農業のモノコトで、「これも農業なんだ」と見方を変えて新鮮に感じてもらったり、もっと気軽に世の中に関わってもらえるようになれたら嬉しいです。

今回ご理解いただき、ご支援いただけましたら、責任を持ってお返しをさせていただきます。そしてご支援により多くの方が新たなハマラハウスにお越しいただくことで、新しい農業の在り方を自分事のように感じていただきたい。これから将来の農業にワクワクしてもらえますよう努めていきますので、何卒ご支援のほど、よろしくお願い致します。

ハマラノーエン一同

 

彼らが困難に立ち向かう時の原動力、壁を超える時に力になってくれるのはいつも人の優しさや喜んでいる姿。ハマラノーエンの想いがつまった八ヶ岳生とうもろこしは、今年もまた待っている誰かに美味しさを届けます。クラウドファンディングのリターンでは、クラファン限定セットや現地ハマラハウスでもハマラノーエン公式ECサイトでも優待が受けられる24年限定VIPカード、収穫体験特別枠といった八ヶ岳生とうもろこしを楽しめるものから、体験ツアー、株主制度(もろこしの株)で畑の主になれるという驚きのリターンも!
詳細はCAMPFIREのプロジェクトページをチェックしてみて!

 

– Information –

開催中のクラウドファンディングは6月21日から7月31日まで
プロジェクト掲載先:CAMPFIRE

ハマラノーエン

 

ライター / Mo:take MAGAZINE 編集部

モッテイクマガジンでは、イベントのレポートや新しい食のたのしみ方のアイデアを発信します。そして、生産者、料理人、生活者の想いをていねいにつないでいきます。 みんなとともに考えながら、さまざまな場所へ。あらゆる食の体験と可能性をきりひらいていきます。

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