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美味しい科学 CAST × Mo:take
2024.12.03. | 

[Vol.2]『美味しい科学』 〜 醤油編 〜 鶏肉で実験!どうして焦げると美味しくなるの?

「美味しい科学」の第2回目!ところで皆さん、「メイラード反応」って聞いたことはありますか?例えば、トーストを焼いた時に焼き目がついて香ばしくなりますよね?これもメイラード反応の一つなんです!今回は、鶏肉とお醤油を使って、この美味しさがどんな風に生まれてくるのかをCASTと一緒に学んでいきましょう!

これが分かると、なぜあの料理が美味しいのか、美味しく感じる理由が見えてくるかも!

メイラード反応ってなに?教えてCASTさーん!

CASTさん:焼きたてパンの香ばしい香り、焼き鳥のあの食欲をそそる匂い、みなさんは好きですか?実はこれらは「メイラード反応」によるものなんです!メイラード反応を説明する前にメイラード反応に重要な“アミノ酸”と“糖”について簡単に説明しましょう!

 

■アミノ酸ってなに?

アミノ酸は、体を作るとても大事な「部品」のようなもの。私たちの筋肉や皮膚、髪の毛、爪など、体のいろんな部分は、「タンパク質」からできているけど、その元になるのがアミノ酸なんです!

例えば「タンパク質」が、完成した「ジグソーパズル」だとしたら、そのパズルのピースの一つ一つが「アミノ酸」というイメージです!アミノ酸もパズルのピースみたいに、いろんな種類があるんです。そのいろんな種類のアミノ酸が集まって、私たちの体を作る手伝いをしてくれているんですよ。またアミノ酸は、“うま味のもと”とも言われていて、美味しさの引き立て役でもあるんです。

 

■糖ってなに?

糖は、甘い味を作る成分で、お砂糖やフルーツにも入っているけど、実はお肉や野菜の中にも少しだけ入っているんです。

それではここから、メイラード反応についてお話していきましょう!メイラード反応とは、簡単に言うと食べ物を焼いたり炒めたりすると、食べ物の中に入っているうま味のもとの「アミノ酸」と「糖」が結合して、茶色い焼き色やいい香りを作り出す化学反応です!

 

例えば・・・

パンを焼いたときの香ばしい匂いや、お肉を焼いたときのジューシーな香り、お味噌が茶色いのもトーストやクッキーの茶色い焼き色も、これらはみんなメイラード反応によって生まれてるんですよ。では、まずはアミノ酸と糖のお話からしていきましょう!これを知ると、どうしてお料理が美味しくなるのかヒントが隠されているんです。

 

メイラード反応は、アミノ酸と糖が仲良くなって美味しさのもとが作られること!

お肉や今回のテーマでもあるお醤油にはうま味のもとでもある「アミノ酸」が入っていて、この「アミノ酸」と野菜やお砂糖なんかにも含まれている「糖」が一緒になって長時間経過したり、高温の熱が加わると

・いい香り
・美味しそうな焼き色
・うま味たっぷりの味

が生まれるんですよ!というわけで簡単に言うと、メイラード反応は「食べ物をもっとおいしくしてくれる化学反応」うーん、「魔法」だと思ってください!(笑)

 

鶏肉で検証!「醤油を塗ってから焼く」VS「焼いてから醤油を塗る」どっちが美味しい?

さて、メイラード反応について簡単に学んだところで、ここからは実験の時間です!今回はMo:take STUDIO 代官山で、鶏肉と生醤油を使ってメイラード反応がどのように料理の美味しさに影響を与えていくのか。以下の2つのパターンの鶏肉を実際に調理をして検証していきます!

パターン1:焼く→醤油を塗る

パターン2:醤油を塗る→焼く

調理工程としては、表面をフライパンで焼いたあと、オーブンに入れてじっくり火を通して焼き上げていきます。この時、オーブンに入れるタイミングで、パターン1はそのまま、パターン2は醤油を塗ってからオーブンにいれて焼き、それぞれを実食してみて、その美味しさを比較していきます!

 

こちらが焼きあがった2つの鶏肉。キツネ色に染まった見た目は、どちらも美味しそうな仕上がりです!よーく見比べてみると、パターン2の「醤油を塗る→焼く」は、こんがりとした焼き色がついていますね。香りも、お醤油がついている方は、焦げた醤油の香ばしい香りがしています。

気になるのはそのお味。まずはパターン1の「焼く→醤油を塗る」からレポートをしていきます。

 

パターン1の「焼く→醤油を塗る」は、味がバラバラ?

焼きあがった後の鶏肉に醤油を塗って食べてみると、、、パリッと焼いた鶏肉の皮から軽い香ばしさを感じるものの、醤油の旨みや風味をそれほど感じることができません。。どちらかと言うと、醤油単体の味が強く、どうも鶏肉と醤油が「バラバラ」になっている印象も。食べた時の香りや味が別々に感じられて、香ばしさも控えめでした。ではでは、続いてパターン2の「醤油を塗る→焼く」を食べてみます!

 

パターン2の「醤油を塗る→焼く」は、香り豊か

こちらは、鶏肉に醤油を塗ってから焼いたことで、焼き色がしっかりとついていますね。口に入れる前から香ばしさが広がっていますが、食べてみると醤油の香りとまろやかな塩味が鶏肉に馴染んでいる印象です!

鶏肉と醤油が調和した美味しい一品となっていました!

 

結論、パターン2の「醤油を塗る→焼く」が美味しい!

「美味しさ」はパターン2の醤油を塗ってから焼いた鶏肉に軍配!この美味しさの理由について改めてCASTの見解を伺いました。

−−今回のパターンで鶏肉を比較してみて、醤油のメイラード反応が「美味しい」にどう影響したと思いますか?

CASTさん:香りとやっぱり「うま味」が影響しているのかなと思います!パターン1の「焼く→醤油を塗る」は、お肉とお醤油を別々に食べているみたいで、さっぱりとした醤油とお肉の味がぴったりと調和しているようにはあまり感じられませんでした。でも、パターン2の「醤油を塗る→焼く」は、香り高さを感じて味の調和もしていたように思います。

これは使用した醤油が生(なま)醤油というのも一つのポイントかもしれません。生醤油は加熱をしていない状態のお醤油なので加熱をすることでメイラード反応によって香りがしっかりと出て、料理の風味が全然違ってくるんですよ!

 

料理に「奥深い風味」を与えてくれる、メイラード反応!

今回の検証では、醤油を「塗ってから焼く」ことで、メイラード反応が起こって、うま味と香ばしさが生まれることが分かりました。一方で、焼いてから醤油をつけても、メイラード反応がおこらないので、あの食をそそる焦げた醤油の匂いはもちろん感じることができません。

ちょっと大袈裟に思うかもしれませんが、、、メイラード反応があるかないかで、美味しさが全然違うんです!!みなさんがお料理をする時、メイラード反応をうまく利用すれば、食卓に、香ばしさと美味しさが広がるはず!ぜひ色々試してみてください!

 

次回、『美味しい科学』第3回のテーマは「切る」。お料理をするときに必ずと言っていいほど当たり前の工程ですが、切り方ひとつで美味しさが変わるという説があるんですよ。さて、そこにはどんな美味しい科学が潜んでいるのか。次回もお楽しみに!

 

– Information –
東大CAST

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