イベント尽くしの季節から、だんだんと穏やかな日常が訪れ始めるこの頃。国分寺野菜をつかったサラダ屋さんであるSWITCHですが、やっとサラダにレタスが仲間入りするようになりました。国分寺の畑でレタスが採れるのはだいたい11月〜6月の期間です。サラダの代表格でもあるレタスが年の半分しか登場しないというのはSWITCHの特徴とも言えます。レタスがないからこそ、サラダに取り入れられる様々な葉野菜との出会いもありました。
さて、今回は野菜ではなく、街にいる魅力的な人々との出会いについてお話ししたいと思います。前回のコラム、「人と人との繋がりは畑から生まれる」でもお話ししたように、これまで私にとっての国分寺は農家さんや畑に集まる人、そしてお店を利用するお客さんといった小さなコミュニティでした。
ある時、国分寺市内のイベントやプロジェクトを紹介する「ローカルテーブル」というワークショップがあることを知りました。
ローカルテーブルは毎月最後の金曜日、駅前の市政施設で開催されます。市の企画するお堅い内容なのかと思いきや、そんなことはありません。国分寺市内で活躍する街の人たちが登壇し、様々な街のイベントやプロジェクトを毎月1つずつ紹介するという内容で、ファシリテーターはこくベジ配達人の奥田さんと南部さんです。20〜60人程の参加者が和気あいあいと交流しています。お店に立っているだけでは知ることのできなかった街のさまざまな姿に触れることができます。
昨年、SWITCHが飲食店として関わらせてもらった農業系イベントがローカルテーブルで紹介されたことが、私がはじめてそこに足を運んだきっかけでした。その時の登壇者は、国分寺にある企業のとある部署の方々。飲食店、農家、市民をつなぐためのツールを開発し、それをイベントで実用したという報告からはじまりました。その後「このイベントを街に定着させるには?」「三者の視点から想起される課題は?」などといったディスカッションがおこなわれ、グループにわかれて各々の意見を膨らませます。発表の場も設けられているので、生まれた様々なアイデアを登壇者は持ち帰ることができ、ローカルテーブルを通して登壇者と参加者の双方で成長できるという仕組みです。
登壇者はそもそも一市民ですから参加者との垣根がありません。フラットな雰囲気の中で、みなさんが積極的に参加していることが印象的でした。これまで出会うことが難しかった飲食店の店長さん、国分寺で様々な取り組みをされている市民の方、国分寺に興味を持つ隣の市の方、国分寺で働く人、そして農家さん。毎月参加する人、たまに顔を出す人、頻度は様々ですが足を運ぶ理由はみんな同じです。「自分の住んでいる街を盛り上げたい!」という思いを持っていることを、すぐに感じ取ることができました。
そうして街の輪に飛び込むことに成功したSWITCH2年目である2019年は、その後もどんどん出会いが広がりました。お店の敷居が低くなることで、いろんな相談をしてくれる人が現れました。お弁当やケータリングなどの依頼はもちろんのこと、先日はSWITCHの店内がピンク色の光に包まれる、怪しげなスナックを模したイベントも開催されました(笑)。「街の仲間と他愛のない話で盛り上がりたい!」なんていうちょっとした思いつきから、芋づる式に協力者がどんどん現れ、あっという間に実現してしまいました。
ローカルテーブルは誰でも簡単に集まれるちょっとしたツールで、手を取り合うきっかけが作れる場でもあることに気が付いたのは、それからのこと。本気の「自分の住んでいる街を盛り上げたい!」が集まるとものすごい力が発揮されて、何でも形になるんですよね。国分寺はそういった人々によるイベントやプロジェクトが盛んに企画されているので、ローカルテーブルのようなイベント・プロジェクト紹介のための場が生まれるのも納得です。
当初は「自然と共存する」という思いで店づくりに取り組んでいましたが、次第に地域のコミュニティの一員として協働していく店へと変化の時を迎えています。いつかSWITCHで開催したイベントをローカルテーブルで紹介することができたら、なんて密かに思うのでした。
– Information –
店舗名:SWITCH KOKUBUNJI
住所:東京都国分寺市南町3-22-31 島崎ビル201
マッサージ屋さんの入っている建物2階
連絡先:050-1709-0492
営業時間:火-日 11:00-19:00
定休日:月
(月祝は営業、翌水曜が休み)