
長野から西へ。農からつながる縁!
毎年夏になると旬な野菜としてスタメン入りしている「とうもろこし」。 北は北海道から南は沖縄まで、全国各地で栽培されていて、産地や品種によってその個性や味わいは実に多彩です。
そんな数ある“とうもろこし”の中でも、ハマラが展開する農業ブランド「ハマラノーエン」の八ヶ岳生とうもろこしは、その名のとおり“生で食べられる”のが大きな特徴です!みずみずしさと自然な甘みがぎゅっと詰まった、夏の特別な一粒を一度味わえば、もう虜。毎年その季節が来るのを心待ちにするファンも多いはず。
ところが、なんと今年は、ハマラノーエンが手がけた新しい“生とうもろこし”がシーズン前に味わえたんです。その名も・・・「淡路島生とうもろこし」。そう、その名のとおり淡路島の自然の恵みをうけて育った生で食べられる「とうもろこし」が新たに誕生していました!
淡路島生とうもろこしは、ホワイトコーン。八ヶ岳生とうもろこしの瑞々しさも伝承して、爽やかな甘味でサラっとした味わいです。7月初旬に、Yuinchuが手がける下北沢のカフェ『TOGO』でPOPUPも兼ねた2日間限定の販売も行われ、東京初上陸となる「淡路島生とうもろこし」を味わうことができました!そんな取り組みについて、ハマラノーエン農園長の折井祐介さんにお話を伺いました。

−−今年は「八ヶ岳生とうもろこし」のシーズン前に新たな動きとして「淡路島生とうもろこし」が東京では初お披露目となりましたね!私たちにとって、「生とうもろこし」が少しでも早く食べられるのは嬉しいことですが、「淡路島生とうもろこし」がどんな想いで始まったのか、その経緯についても伺いたいです!
折井さん:実は、この淡路島生とうもろこしの生産は、友人からのご縁で現地の農家さんと知り合ったことからスタートしました。実際に取り組んでみて、私たちがまず魅力を感じたのは、八ヶ岳の「山」と淡路島の「海」という地理的なギャップでした。どんなものができるのかワクワクしましたね!
さらに、全国的にも有名な玉ねぎの産地として知られている淡路島では、「春ものは生でも美味しい」という話を聞いて、“生”で食べられるとうもろこしとの高い親和性から、淡淡路島で生とうもろこしを生産することで、また新しい感動体験を届けられると思い、生産することを決意をしました!
−−ハマラとしても新しい挑戦となりますし、異なる地域での「生とうもろこし」にはまた違った魅力がありそうですもんね!
折井さん:そうですね!淡路島生とうもろこしは、八ヶ岳生とうもろこしよりも半月早く収穫がスタートできるため、お客様にも旬な“生とうもろこし”を長く楽しんでいただけるという点が大きな魅力にもなっています!今回のプロジェクトに賛同し、ご協力いただいた農家さんには本当に感謝しています!

そしてバトンは沖縄へ。「とうもろこしリレー」
−−原村仲間をもじって名付けられた「ハマラ」が、地域を超えた仲間とつながってきましたね!淡路島以外では、静岡、沖縄の農家さんと連携されましたね!沖縄のとうもろこしはシーズン前にも販売されましたし、実際に他の地域と連携することで、これまで夏のシーズンにしか出会えなかったお客さんとの接点も、シーズン前から生まれたのではないでしょうか!
淡路島や静岡、沖縄の農家さんにとっても違うエリアのお客さんに自分が手がけた「とうもろこし」をハマラさんと一緒に届けられたということは喜ばしいことだと思いますが、協力してくれた農家さんからはどんな感想をもらいましたか?」
折井さん:今年は他の地域の農家さんと連携する「とうもろこしリレー」という企画ではじめたのですが、実は私たちハマラノーエンの二人(折井・柳沢)が昨年の夏に「マツコの知らない世界」という番組に出演して、日本中の様々なとうもろこしをご紹介したことから、実現しました!
企画に協力してくださった松島農園さんは、沖縄で「汐風パール」というとうもろこしを生産されています。まずは電話でこの企画についてお伝えしたところ、快諾してくださって、すぐに協力いただけることになりました。当然、私たちは嬉しかったのですが、松島農園さんも同じとうもろこしの生産者として、地域ごとの特性を活かしたかたちで協力しあえることに、大きな魅力を感じてくださったようです。
−−なるほど!地域ごとにとうもろこしの特性が違うから、同じとうもろこしの生産者だけどぶつかり合うことなく、ポジティブに広がっていくわけですね!

POPUPで集まった「生の声」を八ヶ岳にお届け!
7月初旬の「淡路島生とうもろこし」に続き、今年も9月上旬に、SWTCH STAND各店舗で開催されたPOPUPに登場した「八ヶ岳生とうもろこし」。今年もたくさんのお客さんが味わっていただき、店内では「甘いね!」「美味しい!」という声もたくさん聞こえてきました。
“その声を丁寧にハマラノーエンさんへ届けたい”そんな想いから、POPUP会場に用意された、メッセージカードブースで多くのお客さんが感動の声を文字に込めて書く姿も見られました。そして集まったメッセージカードをしっかりと八ヶ岳のハマラノーエンの皆さんのもとへお届けしました!
カードには、
「初めて“生”で食べました。感動です!」
「毎年このとうもろこしを楽しみにしています」
「来年は原村に行って、畑で食べてみたい!」
そんな生の声が次々と寄せられました。お客さんに喜んでもらいたいというPOPUP会場のスタッフの想い、 そしてハマラノーエンのみなさんの想いが、しっかりと届いていたように感じます!
“食べた瞬間の記憶”が詰まっているような数々のメッセージを受け取ったハマラノーエンのみなさんは、カードを一枚ずつ手に取りながら、「うれしいですね」「こういう声がいちばんの励みになります」と顔をほころばせていました。
東京のカフェでのPOPUPから生まれた出会いが、 こうして八ヶ岳の生産者のもとに届く。東京と八ヶ岳の物理的な距離を越えて“農の縁”が確かに広がっていることを、このメッセージカードで実感します。そこで改めて折井さんに、 この夏のこと、そしてこれからのハマラノーエンについてお話を伺いました。

−−今シーズンもお疲れ様でした!今年も開催したハマラ×SWTCH STAND(赤羽・お台場・元住吉)のPOPUPで、八ヶ岳生とうもろこしの感動体験を味わった方々も多く、みなさんにもその感動冷めやらぬ中、メッセージを書いてもらいました!このメッセージをご覧になって、率直にいかがですか?
折井さん:まず、今シーズンもこのPOPUP企画にご尽力くださったSWITCH STANDの皆さんには、本当に感謝しています!そして、八ヶ岳生とうもろこしを体験いただいたお客さまの温かいメッセージも本当にありがとうございました!メッセージもひとつひとつ読ませていただき、「美味しい」「また食べたい」「初めての体験で驚きました!」など、本当にどんなメッセージでも、率直に嬉しいですね!
私たちが15年前に初めてこのとうもろこしと出会って、衝撃を受けたあの感動が、時を超えて、今、これほど多くの方々にも同じように伝わり、体験してもらえていることに、農園長としてこの上ない喜びがあり感慨深いです!!

−−いやぁ、折井さんのお話ししている表情を見ていると、聞いている私も嬉しくなりますね!私もPOPUPの現場に行きましたが、老若男女問わず、「八ヶ岳生とうもろこし」でみんな笑顔になってましたから…感動、ちゃんと伝わってると思いますよ!
また、今年は15周年ということもあり、現地でハマラノーエン祭をやっていることをPOPUPに参加されたお客さんにお伝えすると「現地に行ってみたい!」という声もたくさんありました!
ハマラさんにとっても、ハマラノーエン祭のようなコンテンツ盛りだくさんの夏は初めてだったと思いますが、今シーズンのハマラを振り返ってみて、どうでしたか?
折井さん:そうですね、現地では15周年という節目の年に、初めて「ハマラノーエン祭」を開催してみましたが、本当に大きな反響をいただきました。このひと夏を終えて改めて実感するのは、農業には奥深い魅力と無限の可能性が溢れているということですね。それは、POPUPにご参加いただいたお客様の「現地に行ってみたい!」という声や、ハマラノーエン祭の活気をとおして、確信へと変わりました。
まだまだやれてないこと、やってみたいこと、まだ気づけていない“何か”があるかもしれませんが、「農が世の中をもっと豊かに、もっと面白くする」と信じて今までもやってきました!だからハマラノーエンはこれからも、農業の可能性を拡張するような新しい取り組みを続けて行きたいと思ってますので、次の展開にご期待ください(笑)!

農の可能性を広げ、進化し続けるー
これまでトライアンドエラーを繰り返しながら「とうもろこし農家」として15年走り続けてきたハマラノーエン。そして今、また新しいステージが幕を開けました。
2023年に開園した体感型農園『ハマラハウス』は、いわゆる農家さんが手がける野菜の直売所という場ではなく、“農”の可能性を追求しながら、感動体験ができる場として誕生しました。
この場所では、八ヶ岳生とうもろこしの収穫体験、八ヶ岳を眺めながら、もぎたてのとうもろこしが食べれる感動体験、ホッと一息つける畑でのカフェタイムなど、さまざまな体験コンテンツが詰まった場所です。
また、食体験だけでなく、地域の方々の工芸品や雑貨やアパレルなどのライフスタイルグッズも販売していたり、地域愛がつまった空間となっています。
そんな『ハマラハウス』は夏のシーズンを終えると来年までお休みします。ところが、今年は少しばかり様子が違う…なんとシーズンを終えても畑で楽しめるカフェや雑貨屋さんのように楽しめる場として、オープンしているんです!
今年は何かが違う。
そう感じさせてくれるハマラについて、農園長の折井さんとともにハマラノーエンを立ち上げ、今夏も一緒に走り抜けた株式会社ハマラの代表・柳沢卓矢さんに、これからのハマラについてお話を伺いました!

カフェスタンド、アパレルブランドの立ち上げも
−−今シーズンもお疲れ様でした!今年も「八ヶ岳生とうもろこしだけ」でなく、収穫体験や、コーンスープ、そしてドレッシングなど色々なコンテンツで、たくさんの人を笑顔にし、様々な感動体験を届けられたかと思います!
また、淡路島とうもろこしという新しい「生とうもろこし」も生まれたり、とうもろこし好きの私にとっても、すごく印象的な年でした!いろんなチャレンジをされてきたと思いますが、改めて今年を振り返って、柳沢さん個人として、そしてハマラとしていかがでしたか?
柳沢さん:今年は特に「農×〇〇」という事を表現したいと意識し、とうもろこしの出荷が終わっても様々なチャレンジをしてみました。
まず畑で一息つく時に飲むコーヒーの美味しさは格別!という農家目線の想いから、FEELD FEEL COFFEという農家ならではのカフェスタンドを、元コーヒー屋出身のスタッフを軸に地元のロースターさんと組んで展開し始めました。

柳沢さん:また元アパレル出身のスタッフとは、厳しい環境の中で生まれる野菜には本来の味だけが残り、純粋な本当の味になるという姿に自身を重ねて、農体験を通して本来の自分らしさと向き合えたことを表現をしていこうという意を込めたNōnai(ノーナイ)というアパレルブランドも立ち上げ始めました。
この2つの事業を始めたことで、一見、農業とは関係なさそうなところから、実はそれぞれが農家だからこそ表現出来きたという新しい形態を表現出来るようになりました。
−−また良い意味で農家らしからぬ面白いことをはじめましたね(笑)!農家だからこそできる表現というのが『ハマラ』らしいし、それぞれのブランドがスタッフのバックグラウンドを活かして生まれたというのも、必然性を感じます!
柳沢さん:そうですね!今年はハマラノーエンとしての新たな加工商品を持ちつつ、県内の雑貨マルシェにはアパレル商品をメインで参画させてもらい、様々な人たちに想いを伝えて接客をした結果、完売する事が出来ました。
他にも、『アーバンリサーチ』が運営するキャンプ場「TINY GADEN」でのイベントでは、カフェスタンドとして参加させていただきました。これまでは「農家」としてのハマラノーエンという役割でしたが、農を起点として表現をするハマラノーエンとして、「農×何か」という今後の新しい農との関わり方で伝えられるようになりました。
先ほど、折井が「農が世の中をもっと豊かに、もっと面白くする」とお話ししたように、私もそのために、やれることがまだまだあると思っています!今後はそれらの取り組みから、さらに新しい繋がりを築き、農業の幅を広げ、今までになかった農の在り方を表現し続けていけたらと思っています!
15年の歩みの先に見える、未来の農の景色。
きっとその景色の中には、歩みを止めることなく、農の可能性を追い求め続けるハマラの姿があって、仲間やお客さんの笑顔が今よりももっと見れると思います。
そんな未来を想像しながら、来年の夏をまた楽しみにしています。