2021.01.12. | 

[Vol.1]“美味しい”と“健康”を両立させる 管理栄養士・フードコーディネーター北嶋佳奈

美味しくて、体が健康になる料理を作れたら最高!そんな願いを叶えてくれるレシピ本を20冊以上出している北嶋佳奈さん。管理栄養士とフードコーディネーターという二つの資格を持つ北嶋さんならではのレシピが人気です。なぜこの道に進もうと思ったのか、今回は北嶋さんの原点についてお話をお聞きします。

はじまりは「化学式が好きだったから!」

「ビジネスマンのためのコンビニ栄養学」「遅夜ごはん」「デパ地下みたいなごちそうサラダ」など、管理栄養士という資格を生かしたレシピ本を多く出版している北嶋さん。子どもの頃から料理が好きだったのかと思いきや……

 

北嶋さん:もともと料理が好きだったわけではなく、高校の時は化学、特に化学式が好きだったんです。せっかくなら好きなことを生かせる資格を取りたいなと思っていた時に、管理栄養士という存在を知りました。

そして、管理栄養士ってなんだろうと思って調べてみたら、栄養学を元に、栄養指導や管理指導を行う人のことだったんですね。(編集部注:栄養学とは、食品の持つ栄養素や、その働きについて研究する学問のこと。)食べることは好きだったので、食べ物が体の中で化学反応を起こして体を作ったり、逆に病気を引き起こしたりすることがすごく面白いなって。それで、管理栄養士専攻のある大学への進学を決めました。

 

栄養士というと、「献立を作ることができる人」というイメージが強いので、管理栄養士と聞いても、具体的な仕事内容をなかなか思い浮かべられない人も少なくないのではないでしょうか。そこで、管理栄養士の仕事について、あらためて北嶋さんに聞いてみました。

 

北嶋さん:一言でいうと、栄養に関する唯一の国家資格で、より臨床に強いのが管理栄養士です。栄養士は、専門学校や短期大学でカリキュラムを修了すれば資格をもらえますが、管理栄養士になるためには、そのための大学へ行った後か、栄養士として実務経験を積んだ後に国家試験に合格する必要があります。

栄養士は保育園や小学校などで献立を作ることができますが、管理栄養士の国家試験に合格すると病院での栄養指導ができるようになります。より臨床に強く、病気の人の食事のケアや、病気を予防するという側面が強いのが管理栄養士ですね。

 

 

管理栄養士の勉強を始めて知った驚きの事実とは

大学での勉強は葉脈の観察やラットの解剖など実験も多く、とても面白かったという北嶋さんですが、実は入学後に“ある事実”を初めて知り、とても驚いたといいます。

 

北嶋さん:管理栄養士さんって料理もできると思っていたのに、私が学んだ大学ではカリキュラムの料理の勉強は、私が思っていたより少なかったんです。バランスのいい献立を組み立てるのは得意だけど料理の技術自体はない、という事実に結構衝撃を受け(笑)、栄養学は面白いけれど実際に料理できないとあんまり意味がないなあ、と感じるようになっていきました。

もう一つ勉強をしながら考え始めていたのは、食べると健康になるメニューを作りたいということでした。

管理栄養士は国家資格を取ったら病院で働くのが王道なのですが、私はそもそも病気になる前に健康でいつづけられる人を増やしたいと感じ、健康につながるメニューを作りたいと思ったんです。

今はだいぶ変わりましたが、病院の食事は美味しくなさそう、というイメージも以前は強かったですよね。それも嫌だったので、“美味しい”と“健康”を両立させたいな、と強く思いました。だから大学3年の頃は、病気にならないための食事を身につけてもらうためには、保育園や小学校で働くのかな、と漠然と思っていました。

 

 

1冊の料理本が、人生を大きく変えた

そんな北嶋さんにとって一つの転機となったのが、当時付き合っていた彼氏にご飯を作ろうかなーと思ってパラパラとめくっていた料理本。その本をきっかけに、描いていた自分の姿が大きく変わっていったそうです。

 

北嶋さん:料理本を見ていたら「この本可愛いな。こういう本って、どうやって作られてるんだろう。楽しそうだな」と思ったんです。「健康で美味しい食事を、こういう形でナチュラルに届けることができたらいいな」って。

そこから調べてフードコーディネーターという資格があることを知り、「いつかは料理本を出せるようになりたい」と思うようになりました。それが大学3年の終わりです。

 

とはいえ、大学4年生は管理栄養士の国家試験の準備で一番忙しい時期。フードコーディネーターの学校に行きたいけどどうしよう・・・迷っていた北嶋さんの背中を押してくれたのはお母さんだったそうです。

 

北嶋さん:「行けるうちに行っちゃいなさいよ。働き始めたら行けなくなるから」と言ってくれたんですよね。大学の先生にも心配されましたが、国家試験の前にはファミレスで朝から夜中までずっと勉強して、なんとか合格することができました。

 

22歳で大学を卒業すると同時に、フードコーディネーターの学校も無事に卒業。ここから、料理と共に歩む北嶋さんの道が始まっていきました。

次回は1/19(火)に公開予定です。

フードコーディネーターのアシスタントとして働き始めた北嶋さんが本を出版するまで、そして北嶋さんに大きな影響を与えた“ある人”のお話などを聞いていきます。(つづく)

 

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ライター / 平地 紘子

大学卒業後、記者として全国紙に入社。初任地の熊本、福岡で九州・沖縄を駆け巡り、そこに住む人たちから話を聞き、文章にする仕事に魅了される。出産、海外生活を経て、フリーライター、そしてヨガティーチャーに転身。インタビューや体、心にまつわる取材が好き。新潟市出身