お茶でもみかんでも、魚介でもない!?
さて、今回訪れたのは静岡市清水区。静岡市の南東部にあり、江戸時代から東海道の宿場町として県内外から人が集まり、明治時代に清水港が開港したことでグローバルな街としても栄えてきました。
港を中心に発展してきたこの街は、お茶だけでなくみかんの産地として知られ、水揚げ日本一のマグロや駿河湾の桜えびなどの海産物が有名です。
なるほど、ということは海鮮丼とか桜えびのちらし寿司とか、そういうものを想像していたのですが、
その答えは、、、見事にNOでした!
70年以上愛される「モツカレー」を発見!
なんと、今回我々が紹介するのは「モツカレー」です!
モツカレーとは一体何か?
モツは、紛れもなく、あのホルモンの「モツ」です。食感のよい豚のモツをカレーと一緒に煮込んだ、清水区周辺の居酒屋などで食べられている定番メニュー。
お店によってさまざまなアレンジが加えられ、甘口に煮込んだものもあれば、スパイスを効かせたこだわりカレーと合わせたもの、こんにゃくや牛すじを入れた煮込み風にしたものなど、それぞれのお店の個性が光ります。
やわらかく煮込んだモツは臭みもなく、カレーの味が染み込んで、おつまみにもおかずにもぴったりだとか。
さて、このモツカレー、戦後間もない昭和25年創業の、清水駅前の飲食店がルーツだそう。
店主が名古屋の「どて煮」をヒントに何か作れないかと考え、旧満州(現在の中国東北部)で学んだカレーをどて煮のみそ味の代わりにしたアレンジメニューが始まりです。
郷土料理の代表ともいえるどて煮に、全国民が大好きといってもいいカレーをミックスしたこの一品。
明治時代に清水港が開港し、早くから洋食文化が広まっていたことも手伝って、すぐにこのエリアで評判となります。
影響を受けた他のお店でも提供されるようになり、モツカレーは75年の月日を経た今も、清水区周辺の人々から愛されるソウルフードとして定着したのです。
フリーダムなモツカレーの世界を堪能せよ!
昔から港町は、どこか自由な空気に満ちていて、新しいことにチャレンジする気風が感じられるものです。もつカレーもまた、誕生からの長い月日の中で、串焼き、煮込み、洋食風といったように自由でさまざまなスタイルが存在しています。
元祖のお店でも提供されている「串焼き」は、一本ずつ串打ちをしたもつを、自家製のルーでじっくり煮込むため、焼き鳥のような食べやすさにも関わらず、カレーの味がたっぷりとしみています。
牛すじやごぼう、こんにゃくなどを入れ、シャキシャキとした白ねぎをのせた「煮込み」もぜひ試しましょう。ごはんにのせてもおいしいので、お酒が飲めない人にもおすすめです。
最後に、赤ワインやチーズを加えたもの、トマトを入れて煮込んだもの、もつ入りチーズカレードリアなど、これまでにない個性的な「洋食風」のもつカレーもあるそうです。
こうして記事を書いている今も、新しいアレンジメニューが生まれているかもしれません。
そうそう、モツカレーは缶詰でも楽しめます!
ぜひお取り寄せしてみてください!