「現地に行ってみたい」のその先は
「これも面白いんですよ」。宮本さんがMo:take LABOに持ってきてくれた食材の中に、新潟・佐渡の黒豚を使った餃子&ハンバーグと、熊本の自社牧場の牛乳を使ったヨーグルトディップがありました。
餃子&ハンバーグは、「佐渡をもっと知ってほしい」という思いで新潟市のラーメン店「がんこ屋」の店主が開発したもの、そしてヨーグルトディップは、熊本県合志市の酪農家の2代目が、牛乳の生産調整で打撃を受ける中、酪農家としての生き残りをかけてヨーグルトを開発する過程で生まれた、というストーリーを持つものです。
お話を聞いていると「がんこ屋の店主に会ってみたい」「その牧場に行ってみたい」という思いが湧き上がってくるのですが、宮本さんはその想いに応える仕組みをすでに考えていました。
宮本さん:「行ってみたい」というニーズに対してロコの星がそこにつなげたり、もしくは地方テレビ局が窓口になってもいいですが、2,3日でそのエリアのロコの星を巡る2,3日のツアーを作ることもできると思うし、そんな旅行コンテンツを作れたらいいなと思っています。
同時にそれが海外の人がロコの星を通して日本に入ってきた時に、東京や京都といったメジャーな観光都市とは違う、まだ知らない日本を体験し、日本の魅力と出会えるようになれば、インバウンドの誘致にもつながります。いつか海外でも、それぞれの国のロコの星を展開できるようになれば面白いですね。
アレンジの仕方を示せれば、付加価値が上がる
「せっかくなので、ちょっとアレンジしてみましょうか」。ヨーグルトディップを「Mo:take」ヘッドシェフの坂本英文(さかもと・ひでふみ)がアレンジ。佐渡の形をした黒豚のハンバーグに添えるソースを、即興で作ってみました。
<ヨーグルトソースの簡単レシピ>
ヨーグルトディップ
玉ねぎのみじん切り
溶かしバター
にんにくチューブ
オリーブオイル
塩胡椒
早速、焼き上がったハンバーグにソースをつけて味わってみた宮本さんは・・・
宮本さん:これは美味しい! ハンバーグも肉汁がしっかりしていてジューシーで美味しいのですが、その上に上質なソースがかかっているという感じ。いいですね!
このヨーグルトは実はかなり発酵していて酸味が強いので、そのまま食べるというよりは料理に添えて食べてほしいものなんです。でも、事業者はそれをどう活用するかを提案するところまではなかなか発想が及びません。だからこそ坂本さんのような人と“掛け算”することで世界観が広がり、付加価値が上がると思っています。
地方の星が手をつなぐ「阿蘇モデル」で
もっと高め合い、活性化する
「ロコの星プロジェクト」の画期的な一つのポイントは、東京を介さずに地方がネットワークを組んだところなのではないでしょうか。日本地図でロコの星の12地域を見てみると、東京を囲むかのように12個の点と点がつながり、横長の円のようにつながっていることに気づきます。
宮本さん:僕はそれを「阿蘇モデル」と呼んでいます。従来の、地方から東京を目指すやり方は、みんなが一つの頂上を目指していく富士山型といえます。でも、富士山は急だし、一人で頂上まで登り詰めるのは結構大変だったりしますよね。
一方、阿蘇はまったく形が違います。大きなカルデラと、カルデラの周囲を囲む外輪山があって、カルデラの中に阿蘇五岳があります。まさに外輪山がローカル同士のネットワークで、その中に、お互いが目指している目的やコンテンツがある。それが、ロコの星プロジェクトの形なんです。
いち事業者、いち地域ではできないことでも、お互いに課題や情報を共有しあっていけば高め合える。そう思っています。
宮本さんの話を聞きながら、脳裏に阿蘇の雄大な自然が浮かんできました。広大な阿蘇は、どんな原石でも受け入れ、輝かせる深い懐を持っているように感じます。
地方で輝く星たちが競い合うように一つだけの高みを目指すのではなく、星たちが手をつなぎ合いながらそれぞれの目指す場所に向かって助け合いながら登っていく。星の数が増えれば増えるだけ、ネットワークはさらに輝きを増していくことでしょう。
ロコの星の今後を、ますます楽しみにしています!
– Information –
ロコの星プロジェクト
Webサイト:https://www.rakuten.ne.jp/gold/loconohoshi/
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