2020.12.22. | 

一緒に食べたい、つくりたい。新しい食体験は「Mo:takeLABO」から生まれる

代官山の旧山手通り沿い、公園や大使館などが点在する閑静なエリアに「Mo:take LABO」がオープンしました。「あらゆる食の体験ニーズに応える、フードデベロップメントソリューション」とのこと。いったいどんな場所なのでしょう?オープン記念のトークイベントにおじゃましてきました。

「土を食べる」。Mo:takeのユニークなフード開発

ドアを入るとまず目に飛び込んでくるのが、何人もが作業できるような、大きな調理台。棚には調理道具が整然と並び、出番を待っています。Mo:takeLABOはまず何よりも、食を中心とした場所なのだと感じます。

大きなテーブルの上には、様々な料理が所狭しと並んでいます。「食べられる土」「新鮮野菜のガーデンバーニャカウダ」「宮川クリアプリン」「伊賀ライスムージー」「KIKURAGEバーガー」。これらはすべてMo:takeがこれまで手がけてきたフードメニューです。

Mo:takeヘッドシェフの坂本と、Yuinchu代表の小野によるトークイベントは、見た目も名前もユニークなこれらの料理のお話から始まりました。

 

ーー「食べられる土」って一瞬びっくりしますよね。「え?土って食べる必要ある?」って最初ちょっと思ったんですけど(笑)。どうしてこういう面白いものをつくってるんですか?

 

坂本:僕が一番大切にしているのが、興味を持ってもらうことなんです。まずは見た目のところでびっくりしてもらいたいんですよね。びっくりすると、そこから会話が始まると思うんですよ。そうやって、一緒にいる人とコミュニケーションが生まれるきっかけになったらいいなと思っているんです。

 

伊賀の忍者メシを東京のカフェで展開する

ーーこの「伊賀ライスムージー」はどんなところから生まれたんですか。

 

坂本:これは「食材や人など、地域の魅力を伝えるプロジェクトのPRをしたい」というご相談から始まったんですが、「食」目線から伊賀の食材を使ってみようと考えていくうちに、伊賀といえば忍者、という発想から「現代版の忍者メシ」というコンセプトにたどりつきました。

 

ーーこれも、飲んだら何か伝えたくなりますね。「伊賀ライスムージー」ってあるけど、なんだろうね、何が入ってるんだろう、って。実際ご依頼を受けて商品を開発したあとは、どこでどんな形で広めていったんですか。

 

坂本:これはまず、ぼくらのやっている中目黒のカフェ「OPEN NAKAMEGURO」で期間限定メニューとして出したんです。

 

ーなるほど。「食材や人など地域の魅力を伝えるプロジェクトのPRをしてほしい」というお題からこんな商品ができて、東京のカフェでもクローズアップされて、という一連の流れをMo:takeがプロデュースした、ということなんですね。

コロナでも、「食」はやっぱりオフライン

ーーコロナの影響で、もう場所は持たない、できるだけオンラインで行く、という流れがある今、あえてリアルな場を持ったというところがすごく気になっていて。

 

小野:場をもった理由をシンプルにいうと、「食べるということはオフラインだから」ということに尽きるんですよね。

ぼくらの主事業だったケータリングも、コロナで大きな打撃を受けました。一方で、今、レンタルスペース事業の方でお会いするお客様をみていると、いろいろな工夫で感染リスクも押さえながら、少人数で意味を持って集まる、という流れも起きているんです。食を起点とすることで、その「集まる意味」の濃さもより強くなってくるんじゃないかなと思っています。

 

ーー具体的にはどんな使われ方を想定しているんですか。

 

小野:スペースとしての貸し出しもしているので、料理を通じて個人的にコミュニケーションを取りたい、という場合なんかにも、ラフに使っていただけるといいのかな、と思っています。

「川のきれいさを伝えたい」というリクエストも

ーー「ラボ」であることの意味についてはどんな風に考えていますか。

 

小野:たとえば、いいコンテンツを持っているけれどどう活かしたらいいだろう、という企業のかたや行政のかたってたくさんいらっしゃいます。

ぼくらは、そのコンテンツをどうやって食に落とし込むかというメニュー開発の部分から、それをどんな風に、どこで誰に向けて出していくか、というコミュニケーションの部分まで、すべて開発しているんです。

たとえば、この宮川クリアプリンの最初のご依頼は、伊勢にある「宮川」という川の水のきれいさ、環境保持の大切さを訴求したい、というものだったんですよ。最初にお話聞いた時は、ぼくらも「え?川!?」って(笑)。

 

ーーそれはなかなかの難題でしたね(笑)。そこから考えていった最終的な打ち手がプリンだったと。

 

小野:イメージとして、空間で何かを起こすと訴求できるんじゃないか、というところから考えていったんですよね。その「何か」を考えていくとやっぱり「食」は強い。そこで結果的にプリンになりました。

 

坂本:透明なもの、って考えた時に、「プリン」ってやっぱりびっくりするでしょう?SNSでもかなり評判になったんです。

 

ーーなるほど。これ面白いなって思って食べてみたら「宮川クリアプリンって書いてあるけど、宮川って何だろう」って興味持ちますよね。「訴求したい」という当初のリクエストが、しっかり実現したんですね。

Mo:takeLABOは、人が集まる、人を招ける研究所

ーーMo:takeさんとどんなことを一緒にやれるのか、商品をつくってからあとの部分についても教えてください。

 

小野:ここはスタジオ機能もあって機材も揃っているので、商品紹介のためのデジタル配信や撮影といったところまでお任せいただけます。それと、今多くなってきているのは、先ほどお話したライスムージーやクリアプリンのように、開発した商品をぼくらの持っているカフェとのコラボレーションという形で、メニューとして出していく、というスタイルです。

 

ーーなるほど。じゃあ例えば「川のきれいさを訴えたい」っていう人がいたら、ここからプリンが生まれたり、それをカフェメニューとして出してもらえたりとか、写真撮影も映像の配信も全部まるっとお願いできる。そんな感じになっているんですね。

 

小野:そうですね。広い打ち手で、いろいろなPRのお手伝いをさせていただくことができる。こういった過程を、これからはMo:take LABOでやっていこうと思っています。クライアントさんにも来てもらって、みんなで集まってイノベーションを起こしていく「招ける研究所」として、広く活用していきたいと思っています。

 

– Information –
Mo:take LABO
東京都渋谷区鉢山町15-2プラザ1000代官山4F
https://motake.jp/labo/

八田吏

ライター / 八田 吏

静岡県出身。中学校国語教員、塾講師、日本語学校教師など、教える仕事を転々とする。NPO法人にて冊子の執筆編集に携わったことからフリーランスライターとしても活動を始める。不定期で短歌の会を開いたり、句会に参加したり、言語表現について語る場を開いたりと、言葉に関する遊びと学びが好き。