2022.05.05. | 

[Vol.1]デザイン会社が手がける「休日の」クラフトコーラ。「STUDIO HOLIDAY」堀内弘誓さん

デザイン会社「STUDIO HOLIDAY」を経営しつつ、クラフトコーラの開発・販売やキッチンカー事業を手がける堀内さん。その始まりは、意外なきっかけからといいます。「出会い」と「状況」をデザイナー視点で新たな事業に変えていく堀内さんに、「休日COLA」の魅力とプロダクトに込めた思いをうかがいました。

家族みんなで飲みやすい味にしたかったクラフトコーラ

堀内さんが手がける「休日COLA」。そのネーミングは、「STUDIO HOLIDAY」から由来していますが、なんともゆるくてリゾートや自然の中で飲むシーンを思い起こしてしまう響きがあります。現在2作目の「アップルジンジャー」味を販売中。爽やかな飲み口ながら、尖った味ではなく飲みやすいクラフトコーラシロップです。

ーー「休日COLA」は飲みやすい味ですが、以前からクラフトコーラについて研究されていたんですか?

 

堀内さん:いや、たまたま仕事で出会った方が作られてたご当地のクラフトコーラを飲んで、「こんなものがあるんだ。とてもおいしいな」と感動したんですよ。それから、クラフトコーラをいろいろ飲み比べてみると、尖った味のものが多いなと。スパイスを効かせて、マニアックに攻めて特色を出していくのが多い印象でした。でも、自分が作るときのコンセプトとしては「子どもでもおいしく飲めるもの」にしました。子供も大人も一緒に家族みんなで乾杯できる味で、間口を広く作りたかったんですよ。

僕は、よくファミリーキャンプをするので、「休日COLA」を楽しんでもらうシーンとして「キャンプ」というシチュエーションが大きくイメージとしてありました。クラフトコーラは、瓶で出されてる場合が多いのですが、「休日COLAコーラ」は、あえてパウチで販売しています。キャンプや屋外に持って行きやすさを重視しているんです。パウチなら飲んだ後の容器を持って帰るのも手軽ですし。

 

ーーシーンにキャンプを想定されたのは、なぜですか?

 

堀内さん:自分がキャンプ好き、ってのが何よりも一番ですが、キャンプのとても面白い部分って、「外で生活をする」ということなんですよね。キャンプって、食の側面もあるし、ギアを集めたいという物欲、空間や自然という切り口もある。もしかしたら、スポーツという切り口も持てるかもしれないし。車も関連する要素としてありますよね。旅やキャンプをベースにいろんなテーマに拡張ができそうで、掘りがいがあるとても良いテーマだなと思っているんです。

 

ネーミングに込めた思い。ハッピーなテーマを掘っていきたい

ーー「休日COLA」の販売経路は主にECですか?

 

堀内さん:今は完全にECで販売していますが、今後は卸しも始めようと思って、お店へ交渉しに行ったりしています。マニアックな商品ではあるので、そういう商品でも楽しんでくれそうな人が来るお店や、高級スーパーなども視野に入れています。それと、アウトドア系のお店も。そういうところで販路を開拓していけたらと考えています。

 

ーー「休日COLA」というネーミングが、キャンプや外のシーンを想像させますね。名前の由来は?

 

堀内さん:僕が広告代理店にいた時代から自分で「ホリデイ」という屋号をずっと使っていたんですね。その屋号をそのまま会社の名前にして「スタジオホリデイ」にしているのですが、自分で何かやるときは、「休日」というテーマで展開できたらいいなというのは、昔から考えていたんです。

「ホリデイ」だから「休日」。安直ではありますね(笑)。「ホリデイコーラ」も考えたんですが、ここはあえて日本語で。響きが良くて、よりゆるさが出るというか。だから、このパッケージにあるキャラクターもゆるいイメージで、僕が作ったんですけれど。「ホリデイくん」というナマケモノとイエティ(雪男)のあいの子という設定なんですが、コーラ以外にもちょこちょこ登場させようと思っています。

キャンプと同じで「休日」にもいろんな入り口と出口があるし、めちゃくちゃハッピーなテーマじゃないですか。そのテーマももっと掘っていきたいなと思っているんです。僕、コーラ屋さんになるつもりは全くなくて。コンテンツクリエイターとして「休日」をテーマにしたいろんな価値発信を今後もやっていけたらいいと考えています。だからこそ、クラフトコーラもその一つのアイテムとしてあるよねという展開を考えています。

 

「仕方なく始まった」クラフトコーラの販売のきっかけ

ーーそもそも、クラフトコーラを手がけるきっかけは何だったのですか?

 

堀内さん:地方のクラフトコーラをリデザインする仕事があったんですが、ある程度デザインが進んだ後に、いろいろあってデザイン費が支払われないという状況になってしまったことがあったんですね。誰が悪いという事態ではなく、諸事情あってのことだったので、だったらデザイン費の代わりに、STUDIO HOLIDAYのクラフトコーラを一つ作ってくださいということで、開発してもらったんですよ。モノ対モノではなく、スキル対スキルの物々交換というんですかね(笑)。それが一番平和的な解決策だなと思ったんですよ。

なので、ある意味、「休日COLA」は「仕方なくできたプロダクト」だったんです。でも、もともと「自分たちのプロダクト」を作ってみたいという想いはずっとあって、ちょうどいい機会だなと。食品ですが、賞味期限が1年ぐらいあるモノなので、在庫リスクも低いし、やってみようというところが始まりなんです。

そんなわけで、1作めは開発を外部にお願いしたんですが、2作目の「アップルジンジャー」味は試作から自分たちで開発しました。縁あって、大分県臼杵の生姜を使っています。今後もいろんな味を増やしていきたいんですが、ある特定の地域の食材を使ってその地域の良さが結果としてコーラになって出せたら楽しい。理想は自分たちが旅したところのいろんな食材を使って、それをコーラというもので「翻訳」するイメージ。そんなことができたら、めちゃくちゃ幸せだなと思っています。

 

次回は5/12(木)に公開予定です。
さまざまな事情や状況が、思いもよらぬ形に発展していく堀内さん。キッチンカー事業のスタートも偶然の出会いで「意図せず始まった」そう。次回は、キッチンカー事業のお話や、デザイナーながら「事業をしてみたい」と思い続けてきた堀内さんの思いをお聞きします。

 

– Information –
株式会社STUDIO HOLIDAY
WEB / Facebook / Instagram

休日COLA
WEB / Instagram

キッチンカー事業
Instagram

 

プロフィール

堀内 弘誓(ほりうち ひろちか)さん

デザイン会社「STUDIO HOLIDAY」CEO/CREATIVE DIRECTOR。大手広告代理店にて、ミスタードーナツ「ポン・デ・ライオン」キャラクター開発やスシローのCIデザインなどを手がける。さまざまな業種のデザインやデバイスの開発なども行った。2019年に独立し「株式会社STUDIO HOLIDAY」を立ち上げる。2021年にはクラフトコーラの「休日COLA」の販売を始め、2022年初頭からキッチンカー事業もスタート。現在、大阪と東京を行き来しながら、デザインと食事業を手がけている。広告代理店時代からキャンプにハマり、インスタグラムのキャンプアカウントはフォロワー1万人を超える。

ライター / 東 麻吏

紙媒体の専門誌副編集長、webメディアの編集長を経て、フリー。ライティングや編集のほか、コンテンツコンサルとしてメディア制作・運営のサポートや「伝える講座」も行う。個人活動で親子のハイキングイベントを主宰。

Mo:take MAGAZINE > [Vol.1]デザイン会社が手がける「休日の」クラフトコーラ。「STUDIO HOLIDAY」堀内弘誓さん