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Mo:takeクリエイターに教わる、どこよりも細かいレシピ
2022.08.30. | 

[Vol.2]人参とマンゴーが馴染んで最高に爽やか。キャロットラペ|Mo:takeクリエイターに教わる、どこよりも細かいレシピ

「実家暮らしなので、なかなか料理をする機会がない」という料理ビギナーの小倉巳奈が、Mo:takeフードクリエイターに弟子入りします。レシピを読むだけでは気がつかない、美味しく仕上げるためのコツやアレンジを、一緒に厨房に立って「どこよりも細かいレシピ」を教わります。

今回のMo:takeフードクリエイターは、前回に続き、ドムさんこと、近藤大介さん。武蔵小山で人気のお弁当屋さん、秘密厨房(ひみつキッチン)を主宰、Mo:takeフードクリエイターとしても活躍しています。
秘密厨房のお弁当の定番メニュー「人参のラペ」。前回教わったのは、チーズグレーターで削った人参とドライマンゴーを混ぜ合わせ、クミンとオイルの火入れを始めるところまで。一晩置くと断然美味しい、人参のラペを上手に作るコツを、ドムさんに教わります!

熱したオイルにビネガーを加えて乳化したら、温かいうちに仕上げる

小倉:クミンの香りがしてきました。どこまで熱していけばいいでしょう?泡も出てきてます。

 

ドムさん:目安はクミンの色です。きつね色っぽく少し色づいてきたら、火を止めて、ビネガーを加えます。

 

小倉:ジャーっと音が!ちょっと怖いですね。

 

ドムさん:先に火を止めてあるので大丈夫です。火を止めないままビネガーを加えてしまうと引火する恐れがあるので、必ず火を止めてから作業してくださいね。

ビネガーが入ることで温度が下がって乳化が始まるので、すぐに人参のボウルに入れて混ぜ合わせます。

 

小倉:ここはタイミングが大事ですね。

 

ドムさん:このまま人参の水分としっかり混ぜ合わせます。温度がぬるい状態で仕上げるのがポイントです。

 

小倉:オイルは一番最後なんですね。

 

ドムさん:オイルは入れると混ざりにくくなるので最後に入れます。

人参だけの段階であらかじめ塩の味を整えておいて、オイルとビネガーで乳化させて、全体をひとまとめにする、という感じです。

 

小倉:なるほど。

 

酸味とクミンの香り。バラバラ感は一晩置くと馴染んでまとまる

小倉:かなりしっかり混ぜるのですね。

 

ドムさん:しっかり乳化させたいので・・・。

 

小倉:乳化の見極めはどうしたらいいですか?

 

ドムさん:ボウルを少し傾けてみて、出てくる液体がオレンジ色っぽくとろみが出てきたら乳化がうまくいっているサインです。乳化が足りないようだったら、もう少し混ぜ続けるか、少しずつオイルを足して混ぜていきます。

 

小倉:今、砂糖を足しましたね。

 

ドムさん:今食べるなら、もう少し甘味がほしいかなと。本当は一晩とか丸一日置いた方が、この人参ラペは美味しいです。

 

小倉:時間を置くと、マンゴーの甘さが出てくる?

 

ドムさん:そうなんです!それでいうと、今の状態は、ビネガーの酸味と、クミンと、マンゴーの甘さとがそれぞれ主張していて、少しバラバラ感があるんです。でも、一日経つとまとまってきます。

 

小倉:今はまだ、皆んな仲良くない・・・。

 

ドムさん:そうなんです(笑)。時間を置くと新たに水分が出てきてその分味がぼやけた印象になるので、食べる時にはまたしっかり混ぜて、水っぽい時にはオイルや塩を加えて調整します。

 

小倉:今更ですが、ビネガーは白バルサミコ酢じゃないとやっぱりダメですか?

 

ドムさん:僕の弁当屋では白バルサミコを使っていますが、手に入りにくいかもしれないですね。ご家庭では白ワインビネガーがお勧めです。穀物酢だと独特の香りがあるので、フルーツ系の甘味のあるビネガーが合います。

 

クミンの香りと胡桃のシャキシャキ感。美味しい、最高に爽やか!

ドムさん:では、盛り付けに入ります。

 

小倉:人参の顔つきが、細切りして作ったときと全然違います。一体化してる!

 

ドムさん:高さを出すように盛り付けて、完成です。

 

小倉:クミンが入ることで、香りだけでなく、見た目のアクセントにもなりますね。

 

小倉:では、味見をしてみます!

・・・美味しい!これは、お店で食べる、おしゃれなラペですね・・・。クミンの味と、ところどころの胡桃のシャキシャキが美味しいです!

 

ドムさん:よかった。

 

小倉:私が前につくった細切りの漬物っぽいラペと、全然人参の食感が違います。よく馴染んでますね。

 

ドムさん:グレーターで繊維を破壊して削るので、味が馴染みやすいんです。

 

小倉:チーズグレーター、必要ですね。マンゴーもめちゃくちゃ美味しい。最高に爽やかです。

 

小倉:これは教えてもらうと差が出る料理ですね!家で作ったのと全然違います。

 

ドムさん:一日経つと、馴染んでもっと美味しく変わりますよ。今はまだ酸が立っていますよね。

 

小倉:そう言われると、口に入れた瞬間は酸っぱいですね、その後「美味しい」ってなりますけど。

 

ドムさん:時間を置いて馴染んだら、改めて味付けし直すというのも大きなポイントです。

今はマンゴーを食べないとマンゴーの風味がしませんが、時間が経つにつれて実が崩れて、香りも全体に広がります。

 

小倉:贅沢な味ですね。

 

ドムさん:マンゴーが入るとリッチな感じがしますよね。人参の香りとマンゴーの甘い香りは、相性がすごくいいので。また、ドライマンゴーだと人参の水分を吸って味がよく馴染むのもおすすめポイントです。

 

小倉:この人参ラペは、材料も道具もこれがベストっていう、ぴったり決まった味ですね。

 

ドムさん:そうですね、できればそろえて、作ってみてください。

 

人参のラペ「どこよりも細かい」レシピ

<作り方>

①人参をチーズグレーダーで削る(繊維を壊すようなイメージで削る)

どこよりも細かいレシピポイント
ピーラーを使った皮むきは、ピーラーではなく人参を動かす
チーズグレーターに人参を鋭角に沿わせ、長さが出るように削る

②削った人参に塩と砂糖をしてよく混ぜて馴染ませる

どこよりも細かいレシピポイント
まず、分量外の塩をして、10分ほど置いて水分を出してから味付けを行う

③冷たい状態の鍋にオリーブオイルを入れ、クミンシードを加え弱火でじっくり火を入れる

どこよりも細かいレシピポイント
オリーブオイルがなければ、サラダ油やグレープシードオイル、菜種油など、あまり味に特徴のない油がよい

④人参からエキスが出るので、ドライマンゴーを合わせて吸わせる

どこよりも細かいレシピポイント
人参から出た水分は油と乳化させる液体として使うので、捨てない。

⑤④にローストした胡桃も加える

どこよりも細かいレシピポイント
味の邪魔にならないよう、無塩の胡桃を使う

⑥③のクミンシードから香りが出てきたら、火を止めて、すぐに白バルサミコビネガーを加えて乳化させる。引火の恐れがあるので必ず火を止めてから行う。

どこよりも細かいレシピポイント
必ず火を止めてから、ビネガーを加える
白バルサミコビネガーがなければ、白ワインビネガーがお勧め

⑦⑥を温かいうちに人参に加えて、しっかりと混ぜ合わせて完成!

どこよりも細かいレシピポイント
乳化するまでしっかり混ぜる
液体がオレンジ色っぽくとろみが出てきたら乳化のサイン。
乳化が足りなかったら、もう少し混ぜ続ける。または、少しずつオイルを足す。

⑧温かいうちに食べても美味しいが、一晩寝かせると味が馴染んでさらに美味しい

どこよりも細かいレシピポイント
時間を置いた時は食べる前に混ぜて、味がぼやけているようなら改めて塩や砂糖、オリーブオイルをを足す

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ライター / 谷井 百合子

会社員からライターへ転向。腰の軽さで興味に乗っかる行動力で、ビジネストレンドやブックレビュー、食や旅にも題材を広げている。 目についた野菜を連れて帰り、レシピをググって調理するのが楽しいこの頃。

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