思い出の詰まったアトリエから
最後のインスタライブ配信
9月29日夜、SHIORIさんのの料理教室が代官山のアトリエ「L’atelier de SHIORI」からインスタライブで配信されました。いつものように旦那様が撮影し、おしゃべりしながら料理をし、楽しくすぎていった2時間でしたが、最後の数分間、SHIORIさんの目には涙がにじんでいました。
というのも、アトリエを9月30日でクローズするため、この場所からの最後となるライブ配信だったのです。
SHIORIさん:6年前にこのアトリエを構えてから、この場所で本当にたくさんの出会いがありました。全国各地から足を運んでくれた生徒さんもそうですし、仕事仲間もそうですし、本当にたくさんの思い出が詰まった場所です。
夫がこの場所を見つけてくれたんですが、最初にここを見た時に、全面ガラス張りでこんなに気持ちのいい空間ってないなと思ったんです。だからこのアトリエは友人の家に招かれているようなアットホームな雰囲気で料理を楽しむというコンセプトで、数えきれないくらいの料理教室を開いてきました。
アットホームな雰囲気の中での料理教室は、フランスで通った料理教室にインスピレーションを受けたもの。先生、生徒という関係ではなく、友人同士が一緒に作るような雰囲気の中、最初はウエルカムドリンクで乾杯し、中央の台をみんなで囲んで料理をしたそうです。
SHIORIさん:フランスに行く前に、もともと料理教室は結構やっていたんですよ。でも、私1人が壇上で料理をして、生徒さんはモニターを見ながら自分の席で料理をやるような感じが多くて、「ちゃんと伝わってるかなあ」「楽しんでくれてるかなあ」と不安ばかり残ったんですよね。だから料理教室にとても苦手意識があって。
それがフランスをはじめいろいろな国の料理教室を経験するうちに、今までの教室のスタイルを帰ればきっと楽しくできるんじゃないか、と思って始めたのがこのアトリエでした。
これからもこの場所から、
たくさんの美味しい笑顔を広げてほしい
思い出の詰まったアトリエをクローズすることを決めた背景には、コロナによる社会情勢の変化と、息子さんのための時間をとることが大きかったと言います。
SHIORIさん:料理教室って、実はすごく時間と労力がかかるんですよ。1歳になった息子は先天性難聴を抱えているので、息子の療育が本格化してくると私はもっと時間が取れなくなります。働き方や生活を変えていかなければならないので、料理教室をこのまま続けるのは厳しいなと思っていたところ、コロナで完全に教室ができなくなって。
そんな時に、無我夢中でレシピを紹介するインスタライブをやっていたら「もっと学びたい!」とすごく好評だったんですよね。それで、料理教室をオンラインでできるという可能性を見出し、7月から、月額制のオンライン料理教室をスタートしました。
場所を選ばないオンラインのおかげで、生徒さんは全世界に広がり、仕事や育児で学びたくても教室に通う時間が取れなかったママなど、今まで以上にたくさんの方にレシピを届けられるようになりました。
生徒数は7,000名を超え、オンラインと言えども共通の趣味を持つ人たちのとても温かいコミュニティに育っていて、私も日々学ばせてもらうことばかりです。
アトリエ「L’atelier de SHIORI」はこの後、Mo:takeを運営する株式会社Yuinchuが食の発明をする研究所(Mo:take LABO)として運営していくことになりました。
商品開発・クリエイティブ・プロモーション・スタジオ機能を備えたこの場所で、沢山の人々の想い・アイデアを具体化した、新しい食体験が発明されていく予定です。
SHIORIさん:ここは、人と人とのご縁をつなぐ場として活躍してくれた場所なので、ここから先も、ここでたくさんの良いご縁が生まれてくれたらいいな、と願っています。そしてここから、美味しい笑顔がたくさん広がっていってほしいなと思っています。
学びながら成長し、
有言実行する人でいたい
22歳の時に出版した「作ってあげたい彼ごはん」からスタートし、結婚というターニングポイントを経て、またここから、SHIORIさんの新たなステージが始まります。
SHIORIさん:これからはオンラインの料理教室を通して日本の家庭料理の底上げを目指しながら、美味しいだけじゃない、取り組むべき環境問題や家族の健康にもつなげていければいいなと思っています。
とはいえ、私自身もまだまだ勉強中です。遠くかけ離れた先生というより、私が一歩先を行き、生徒さんをアテンドしながら一緒に学び、成長していく。そんなスタンスで共に歩んでいけたらいいな、と思っています。
息子さんが生まれたことで、いち読者としては「作ってあげたい彼ごはん」に続く、母としてのレシピ本などを勝手に期待してしまいます。
SHIORIさん:私自身、今は不思議なことに昔ほど本を作りたいという情熱がないんですよ。今は目の前にやるべきことがあるので、そういうタイミングなんだと思います。雑誌や本、時間の決まったテレビ番組では省かれたり、削ぎ落とされてしまう行間の部分を、オンラインの料理教室でしっかりと丁寧に伝えていきたいなと思っています。
そしてSNSなどではこれからも自分の意見を積極的に発信していきたいと思っています。また、そこでつづったこれからの決意や展望を有言実行していく人でありたいなと思っています。
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