赤羽に出現! ごま油の世界への入り口!
店内の入り口には「そそげ、ごま」というインパクト大の大きな暖簾。すでにいつものSWITCH STANDではない装いとなった店内の入口では老舗ごま油メーカーとして名を連ねる「カネタのごま油」と「和田萬」の商品も購入できたり、ごま油に関する雑誌にPOP、16種類のごま油を好きなだけそそげる「ごま油かけ放題コーナー」も出現!そのごま油を好きなだけかけて食べられる店内メニューには、「根菜のごま油ラペ ベーグルサンド」「ごま油香るキャロットケーキ」またごま油をかけるほど美味しいと評判の「胡麻香る鯖焼き ザクザク野菜の梅肉ソース」というラインナップが提供され、もはや店内は“ごま油”一色に。
店内に入るなり迷い込む未知なるごま油の世界に、テンションがあがります!実際にごま油のかけ放題を楽しみに訪れたお客さんからは「ごま油によって味も香りも全然違う!」という声や「「これも試してみよう!」「ごま油ってこんなに種類があったんだ!」などなど、新しい発見と食体験を楽しみながら食事をするお客さんの姿が多く見られました。
実はたくさんある「ごま油製品」
「ごま油かけ放題コーナー」では、今回ごま油メーカー7社の協力のもと、16種類のごま油製品が用意されていました。私たちがスーパーなどの商品棚で目にするごま油は、3、4種類程度ですよね。五月女さんはごま油部を発足後、ごま油メーカーさんとお話しする中で、ごま油の用途が“どれも違いはなく、料理に使えれば良いもの”として消費者に限定的な印象を持たれているということが、陳列される“ごま油製品の少なさ”に影響しているのではないかと考えるようになったと言います。
実際に、用意されたごま油製品を一つ一つ試してみると、味も香りも舌触りも色も異なり、それぞれに特徴がありました。これはスイーツに合いそう、これは煮物に合いそう、そんな想像を膨らませながら楽しむごま油体験は初めてでした。様々なごま油を試してみて、初めて知る「ごま油」の世界は、本当に奥が深いもの。
このイベントで体験したお客さんのように、ごま油の多様な楽しみ方がもっと世の中に広がっていくと食体験の可能性や幅も広がりそうです。
ごま油で作るオリジナルドレッシング
当日はそそぐ、食べるだけでなく、オリジナルドレッシングが作れるワークショップも開催されていました!ドレッシングの作り方を教えてくれるのは、クラフトチャイを通じて食育やインナーケアにも詳しい新海ジュリアさん。そして「村松製油所」の木下さん、「和田萬」の和田さんから、今回のドレッシングの主役となるごま油の歴史から、ごま油の煎り方(深煎り・浅煎り)や抽出する温度、ごまの種類によって異なるごま油の“色の違い”、そしておすすめ食べ方や調理で上手に活用する方法など、ごま油の魅力を惜しみなく参加者に伝えるという場面も見られました。
ごま油の専門家からお話を聞くという貴重な機会に、参加者も興味津々!大人も子供も楽しみながら耳を傾けていました!
そしていよいよ始まったドレッシングづくりでは、新海さんから、美味しいドレッシングのポイントをレクチャー。スパイスと果実酢、お醤油、ごまペースト、ごま油などを混ぜ合わせながら作るオリジナルドレッシング作りは、配合する比率を細かく調整して自分好みのドレッシングに近づけていきます。
中でも人気だったのは、ごまの風味とザクロ酢の程よい甘酸っぱさを生かした、ごま油、ザクロ酢、白胡麻ペーストという掛け合わせのもの。 市販のものではあまり見かけない組み合わせですが、とても食べやすくおいしいドレッシングでした!
「何をいれました?」
「もう少し甘くしたいんです」
と参加者同士でコミュニケーションをとりながら作る人もいれば、黙々と作り続けた結果「ラーメンのスープみたいになっちゃいました!!(笑)」という人もいて、大いに盛り上がりを見せたワークショップとなりました。
ワークショップが終わると、参加したメンバー同士で、自分のオリジナルレシピをシェアをして、そのまま一緒にごま油かけ放題のランチタイムへ!五月女さんの想い描く、ごま油の世界を知るきっかけと、ユーザーとメーカーの架け橋となる”場”からコミュニティが生まれた瞬間でした。
ごま油の魅力を一緒に届けたい。
五月女さんの想いからはじまった“ごま油が主役のイベント”は今回の「SOSOGE FES2024」で3回目。今回、第1回目から足を運び、今ではトークイベントなども一緒に開催する「村松製油所」の木下さん、「和田萬」の和田さんにもお話を伺いました。
木下さんが代表を務める「村松製油所」は、明治5年(1872年)創業。静岡県浜松市で水車を動力として石臼で植物の種子から油を搾る製法を始めてから140年以上経った今も、その伝統の技を受け継ぎながら、料理に欠かせない食用油を作る浜松で唯一のごま油の製油所です。
「和田萬」は明治16年(1883年)創業で、 江戸時代から乾物商が集まる大阪・天満で展開するごま専業の食品メーカー。和田さんは5代目として伝統を受け継ぎながら、国内の自給率0.1%未満という国産ごまの栽培を消滅させないようにと、国産ごまプロジェクトもはじめています。
老舗のごま油メーカーの代表を務めるお二人が、五月女さんと一緒に活動するきっかけは、五月女さんの“ごま油愛”から抽出された「ごま油をもっと世の中に広めたい」という想いがつまったメールからはじまります。
−−五月女さんが発足したごま油部は、五月女さんがごま油が好きすぎたことがキッカケなんですよね。そして、ごま油の魅力を伝えるイベントを実施するために、みなさんへ熱い想いがつまったメッセージをメールでお送りしたと五月女さんから伺いました。今こうして一緒にイベントもされているわけですが、五月女さんからメッセージがきた時は、どんな印象でしたか?
木下さん:第一印象は「楽しいことをやってる!」という印象でした。メーカー主催のイベントはありますがユーザーさんが主体で、ごま油のイベントをするというものは、ほとんど無いんですよ。一緒にごま油を広めてほしいというお話をいただいて、自分自身もワクワクする気持ちしかありませんでしたね!
和田さん:ごま油のメーカーではなく、消費者の方(ユーザー)がごま油を広めたいというお話は、すごく新しいスタイルで、面白いと思いました。ごま油の魅力を広めたいという想いは、ごま油を専業とする私たちも同じ気持ちでしたから、こうした取り組みを応援したい、一緒にやっていきたいと思いました!
−−やはりユーザーが主催というのが新しい視点なんですね!一緒に活動してみて新しい発見や今後取り組んでみたいことなどがあればお聞かせください。
木下さん:五月女さんが当時調べたところ、ごま油メーカーは日本全国に40社もあるときいて「そんなにあるんだ!」という驚きがありました!私たちは意外と他のメーカーさんのことを知らないんです。そして、ごま油部の取り組みは、ユーザーさんだからこそできる、業界の壁を超える取り組みだと思います。私たちのようなメーカー主催では、「一緒にイベントをやりましょう!」と他社さんに声をかけることはまず無いので、業界を横断することは意外とハードルが高くて難しいんです。でも、こうして他のメーカーさんとご一緒する機会はとても新鮮で、ありがたいですし、何か新しいキッカケとなりそうです。
和田さん:私もやはりごま油メーカーが、40社あるときいて驚きました。今は、色んなメーカーさんのごま油をもっと試してみたいという興味も湧いています。
そういった現状を踏まえて、ごま油部のイベントに、より多くのごま油メーカーさんに参加していただいて、一緒にごま油のことを広めていけたらと思いますし、いつか100種類のごま油を使った料理の食べ比べなんかもやっていきたいなと思います!
イベント当日、五月女さんは準備やお客さんの対応など、黒子的な役割に徹していました。「主役はごま油なので、自分が伝えるよりもお客さんに体験してもらいながら、ごま油の魅力に気づいてもらえたら嬉しいです」と五月女さんは話します。
「村松製油所」と「和田萬」の商品が販売されるブースでは、このイベントを体験してごま油の魅力を知ったお客さんが、木下さん、和田さんと談笑しながらごま油を購入していました。五月女さんは、そんな微笑ましい光景を嬉しそうに見守っていました。
ようこそ! ごま油の世界の入り口へ!
なんとなくごま油を使っていた、なんとなくごま油を知っている、私もその一人でした。ところが知れば知るほどごま油は奥が深いんです。
ごま油はその豊かな香りと深いコクで、料理を引き立てる優れものですが、健康面でも注目されており、最近ではオメガ3脂肪酸や抗酸化作用が期待されることから、健康志向の人々にも人気です!今回の「SOSOGE FES2024」での体験を通して、ごま油の魅力に気づいた人も多いはず。調理の時はもちろん、できあがったお料理にかければ、ひと味もふた味も違う味わいになるので実は柔軟に使えるごま油。
ごま油の種類によっても全く特徴も異なるので、ぜひ色んなごま油をチェックしてみてください!
体験をすれば、そこはもうごま油の世界の入り口です!
業界の垣根を超え、ごま油の魅力を改めて発信する貴重な“場”となっていた「SOSOGE FES2024」。ごま油好きのユーザーから始まった一つのコト起こしが、食の新しい広がりと未来のごま油業界に、さらに多くのワクワクを注いでくれそうです!