2022.04.19. | 

[Vol.1]都会にはない、地方が持つ魅力を応援したい。「ロコの星プロジェクト」宮本ひでさん

地方(ローカル)には、その地域ならではの魅力あるヒト・モノ・コトがあります。そんなローカルで輝いている星を応援し、全国に発信しているのが「ロコの星プロジェクト」。全国12地域のローカルテレビ局と連携し、テレビ放送やオンラインを通じて全国、世界のマーケットにつなげる「地方の新しい売り方」の確立を目指しています。
そんな「ロコの星マーケット」の品々をたくさん抱えて、代表の宮本さんがMo:takeLABOに遊びに来てくれました!

地方の名店の味を自宅で楽しめる!「ロコの星」の魅力とは?

3月のある日、Mo:take LABOに来てくださった宮本さんは、身体が隠れるほどの大きな段ボールを抱えていました。前日に、テレビ放送とライブコーマスを連動させたライブ配信を行っていた宮本さん。段ボールの中から出てきたのは、番組で紹介された、全国12地域の魅力ある商品の数々です。

「今日は坂本さんも一緒だと聞いて、いろいろ持ってきました。ぜひ実際に味わってみてください」

そんな嬉しい言葉と共に宮本さんが取り出してくださったのが、ライブ配信ショッピングで販売していた“ロコの星”の一つ、新潟の名店、麺屋愛心本店の「海老寿久坦々麺」です。

さっそく料理の準備に入るMo:takeの坂本。しばらくすると、ラボの中に濃厚な海老のいい香りが広がってきました。

「できました!」

坂本の声かけで、お話もそこそこにテーブルに引き寄せられる取材チーム。さっそく味見をさせていただきました。

濃厚なスープを口の中に入れると一気に広がる海老の香り。思わず「もう一口」とまた口に運んでしまうほど美味しくて、「ひと口であなたをロックオンします。」という商品のキャッチコピー通りだな、と実感しました。

気になったのが、セットについている「焦がしチーズ」。「坦々麺にチーズ?」と意外に感じますが、実はこれ、麺を食べ切った後の、もう一つお楽しみだったのです。「シメ」にご飯を入れてリゾットにして食べるためについているのだそう。これがまた美味しくて、筆者もカメラマンも、一瞬仕事を忘れて本気で堪能してしまいました。

 

その瞬間、僕の背後には阿蘇がある!と思えた

「ぜひこれも見てください」。宮本さんが見せてくださったのは、ライブ配信用に撮影した動画。出演は店主さんで、ご自身でも実際に海老寿久坦々麺を食べながらプレゼンテーションしているのですが、そのクオリティの高いこと!

地方の名店の味が自宅で味わえるのがお取り寄せの良さですが、お店や店主さんの個性が見えることで、「いつかここに行ってみたい」という気持ちになります。

いろんな魅力がいっぱいのロコの星プロジェクトについて、宮本さんにお話を伺いました。

宮本さんは、熊本市出身。地元のテレビ局の子会社でイベントを手掛けてきました。その中で感じた地方のコンプレックスが、「ロコの星プロジェクト」を立ち上げた根底にあると言います。

 

宮本さん:熊本でイベントをする時も、東京の代理店や制作会社がやってきて進めていきます。我々地方の制作会社からすると、企画力も情報量もクリエイティブ力もかなわない、という引け目がありました。

そんな時、日本の音楽イベントの最高峰、フジロックフェスティバルの責任者の方とお会いする機会がありました。話していく中で、都会の人が非日常を求めて、地方の素晴らしい環境の中で音楽と食を楽しむ、その会場で地元の人々や素材と触れ合うことがフェスの醍醐味だということを知ったんです。

その瞬間、「僕の背後には阿蘇がある」と、はっと気づきました。我々の地元にしかない可能性や魅力に気づいた時に、地方の人間として、下から突き上げるようなことができたらいいなと思い、地方を盛り上げていくようなプロジェクトをいろいろと始めました。

 

都会にはない、地方が持つ大きな可能性に気づいた宮本さんはこれを機に、地方を応援するプロジェクトの立ち上げへと動き出したのです。

 

都市部での体験から気づいた「ストーリーが武器になる」。

まず、地方の中小小規模事業者向けの補助金を活用しながら、物産イベントなどを企画していきました。補助金には、事業者向けの販売促進セミナーやデザイン支援セミナーの開催が求められていましたが、それは、宮本さんにとっては納得のいかないものだったと言います。

 

宮本さん:なぜイベントだけではダメなのか、なぜセミナーを開催する必要があるのか、目的がわかっていなかったんです。それなりの講師を呼んできてセミナーを開くんですが、事業者さんも物産イベントで売れることが主目的なので、セミナーへの関心はなかなか高まりません。

物産イベントの後にはバイヤーを集めて商談会もやるんですが、それも盛り上がらず。なんだかもったいないな、と思っていた時に、川崎駅近くの複合施設で物産イベントを開く機会を得ました。

 

都市部の複合施設でのイベントに、「立地もいいし1階だし、出せば売れると思っていた」と話す宮本さん。ところが、ふたを開けてみると予想外の結果になったといいます。

 

宮本さん:全然売れなかったんです。お客さんの動線上にあるのにもかかわらず、なぜかみんな素通りしていく。唯一売れたのが、あるおばあちゃんしか作れないという、米を煮詰めて作った「米飴」でした。他の事業者との違いは、いくつもポップがあったこと。そして、商品について表面的な説明しかできない販売スタッフが多い中、米飴の販売スタッフはおばあちゃんにしか作れない、というその商品だけの“ストーリー”をしっかり説明できたことでした。

それを見た時に、そのストーリーこそが地方の弱さを克服できる一つの武器だと思ったんです。武器があるんだから、東京に引けを取らずに自信を持っていいんだと。生産者、事業者自身が、自分が作っているもののストーリーをちゃんと伝えられるようになれば、東京の人はそれを求めてくれるかもしれないと思ったんです。

 

次回は4/21(木)に公開予定です。都会で予想外の洗礼を受けた形になった宮本さんのプロジェクト。しかしそこでの気づきから、プロジェクトは新たな展開を迎えます。(つづく)

 

– Information –
ロコの星プロジェクト
Webサイト:https://www.rakuten.ne.jp/gold/loconohoshi/
     :https://loconohoshi-m.com
Facebook:https://www.facebook.com/loconohoshi

 

ライター / 平地 紘子

大学卒業後、記者として全国紙に入社。初任地の熊本、福岡で九州・沖縄を駆け巡り、そこに住む人たちから話を聞き、文章にする仕事に魅了される。出産、海外生活を経て、フリーライター、そしてヨガティーチャーに転身。インタビューや体、心にまつわる取材が好き。新潟市出身

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