ふっくらと炊き上がった古米を持って、北陸のお惣菜を巡る旅へ。
Soup Stock Tokyoを創業した株式会社スマイルズが運営する「PASS THE BATON MARKET」は、企業やブランドの倉庫に眠っていた規格外品やデッドストックアイテム、知られざる職人の技や伝統工芸などの文化に光をあてる一風変わった蚤の市で、今回が16回目の開催。アパレルやシューズ、鞄、アクセサリーなど、53もの店舗が出店しています。オープン前からすでに「PASS THE BATON MARKET」への入り口は大行列!毎回の人気ぶりがうかがえます。
今回、倉庫に眠るTシャツ1000点の販売などを行う「NEW ‘T’ OWN CLUB」と並ぶ目玉企画が、『「米」を「惣」菜の力で「動」かす!』をコンセプトにした「米惣動 – 北陸編 -」です。
『米惣動』を待ちに待っていた私は、気合いを入れてオープンと同時の11:00ごろに入場!これはすぐに行かなければお目当ての古米にありつけないのでは・・・!と焦りながら「米惣動」ブースへ直行します。
入場してすぐに「米惣動」ブースへ直行するとブースの入り口横には、かわいらしいお米の形のバルーンとキッチンカーがお出迎え。お惣菜などの販売エリア、飲食スペースもありました。早速キッチンカーに近づいてみると「米惣動のすヽめ」という看板が!
どうやら米惣動にはお作法があるようです。
でも、楽しみ方はとってもシンプル!まずは、お惣菜の試食を楽しむためのお米を手にする。そのお米で惣菜を試食。そのあと、米惣動エリアでお買い物を楽しんで、2,000円以上購入した人がチャレンジできるSmilesの社員さんが制作したゲーム機「プリンコメ」で遊ぶ。米惣動のおすすめの楽しみ方を確認したところで、早速お作法に従って行ってみましょう!
お作法1「お米を手にする」。
もちもちで甘みを感じる古米を味わう。
まずは、キッチンカーの前で試食用ライスを100円で購入!石川県産の古米をゲットできました。
見た目はほかほかふっくらした炊き上がりでいかにも美味しそう。
最初はやっぱりお米の味を楽しもうと、お米だけでいただいてみることに。
おやっ!?柔らかくて、もちもちの食感、お米の甘みも感じられるではありませんか!
というわけで、美味しいお米を持ってワクワクしながら足早に米惣動エリアへ向かいます。
お作法2、「惣菜を試す」。
北陸の味をお米と一緒に。
個性的な鳥獣戯画風の看板によると、お惣菜やお米を販売するこちらのコーナーでは北陸から7店舗の出店に加え、こちらの会場にくることはできなかった北陸の作り手さんの商品を扱った仕入販売コーナーも。そこでは、作り手さんに代わってSmilesのスタッフさんが対応されるようです。こうした連帯感も米惣動エリアの魅力ですね。
オープンして間もないタイミングで米惣動エリアに到着!このエリアに入ってすぐのところには、今回試食用ライスのお米を提供された能登市『たけもと農場』さんと奥能登・輪島市『川原農産』さんのブースがならびます。
試食用ライスを手に、“古米ってもっちりして美味しいんですね!”と率直な感想を『たけもと農場』の竹本さんにお伝えすると、
「今は保存技術も向上しているので、古米といわれるお米でも、ものが悪いわけではなく、美味しく食べることができるんです。お米は、料理によって新米、古米を使いわけると色んな味わい方が楽しめるんですよ。」と教えてくれました。
一方、”古米は美味しくない”という先入観が、消費者が手に取りづらい理由の一つでもあるといった課題感もあるようです。確かに“古い米”という文字から連想されるイメージも“美味しい”の前に立ちはだかる一つの壁となっている可能性も考えられますね。私も潜在的にそんなイメージで“古米”を味わっていたからこそ、想像以上に美味しいというギャップに驚いたのかもしれません。
古米について教えていただいた後は、いよいよ試食の時間。それぞれのお店に行くと、ご飯のうえにお惣菜をのせてくれるというシステムで、新しい試食体験の始まりの鐘が私の中に鳴り響きます!
写真は金沢市から出店された『佃の佃煮』さんのお惣菜。
右上から時計回りに「能登ふぐポン酢仕立て」、「能登かき山椒風味」、「能登産しいたけ使用牛肉の佃煮」、「ほたるいかの佃煮」の4種です。能登や日本海で獲れた食材がふんだんに使われ、しっかりとした味付けながら、どれも素材の味が感じられて、ご飯の旨味が一層引き立ちます。私は早くもこの時点でご飯をおかわりしたくなったほど・・。
次なる試食は輪島市『谷川醸造』さんの「ごはんがほしくなるおかずみそ」。
この商品は「子どもたちにたくさんご飯を食べてほしいという想い」から生まれたそうです。
そんな想いを感じることができる、少し甘めな味わいがクセになります。
その他にも、ごぼうやとうがらしが入っているものなどもあって、バリエーションが豊富。
自分の好みに合わせて選ぶことができるのも嬉しいですね。
私にとって初体験となったのが『金沢こんかこんか』さんの「さばのぬか漬け」。
30年守られ続ける秘伝の“ぬか”で新鮮なサバを漬けて製造されているそうで、しかも製造工程はすべて手作業で原料も国産というこだわりっぷり。地元の郷土料理でもある「さばのぬか漬け」は、サバの旨味としょっぱさの後に、お酒のような風味がふわっと残るので、おつまみにも良さそうです!ちなみに“こんか”とは金沢の方言で「ぬか」を意味するそうで、、北陸地方で冷蔵・冷凍技術がない時代の魚の保存方法として発達したのが「こんか漬け」だそうです。
次に富山県氷見市の『つりや』さんへ。「氷見コンカラー油」もご飯にのせてもらって試食。なんと「つりや」さんは、江戸時代から150年以上商いを営んできた釣屋魚問屋。このコンカラー油は、香辛料や葱、生姜、ニンニク、ナッツや胡麻の風味を感じるラー油で、辛すぎず、ご飯だけでなく料理にかけるだけでグッと美味しくなりそうな味わい。
最後の試食として辿り着いたのが、『富山県立氷見高校の海洋科学科』で製造している氷見イワシの缶詰」。ブースでは、氷見高校の学生さん自らが接客もしています。氷見高校は、環境に配慮した定置網で漁獲した“いわし”や“鯖”を使用して缶詰を製造し、製造した際に出た商品に使えない部分の一部を肥料として「えごま栽培」に活用するなどSDGsの取り組みも評価されているそうです。実際に食べてみると、臭みや苦味が全くない優しい味わい!ご飯に合うし、単体でも楽しめそうです!
お作法3「お買い物も楽しむ」。
直感を信じて迷わず購入すべし。
各ブースで試食を楽しんだ後には、気に入ったおかずを購入する米惣動エリア2週目の旅へ。
試食の時には、「他のお店に美味しいものもたくさんあるので、ぜひ色々食べてまた戻ってきてくださいね!」という言葉をかけてくれる謙虚な生産者さんも多い中、食いしん坊な私は美味しさのあまり「胃袋は嘘をつかない。即決で」と勢いで商品を購入してしまうほど盛り上がっていたわけです。
2週目は買い物に集中しながら、試食以外の商品の買い物も楽しめました。こちらは購入した商品の一部ですが、『たけもと農場』さんで生産するイタリア米のリゾットセットや『川原農産』さんが無肥料で育てた能登ひかりもゲット!北陸の味をもっともっと知りたいと興味をくすぐる米惣動エリアでした!
最後のお作法4「プリンコメで遊ぶ」。
米惣動をコンプリート。
お買い物を終えて無事手に入れた懐かしさを感じる“プリンコメ券”を握りしめて、早速プリンコメに挑戦!ちなみにこの「プリンコメ」は、ボールを上から転がして障害物を避けながら下にあるゴールを目指すピンボールのようなゲーム「プリンコ」が由来の造語。プリン“米”ということで、なんとも、米惣動らしい遊び心のあるネーミングですね!
社員さんの手作りだというプリンコメに挑戦した私は、北陸製菓の「ビーバー」をいただきました。ボールを転がして障害物をよけながらゴールを目指すシンプルなゲームを純粋に楽んで米惣動をコンプリートしたのでした!
このプリンコメだけでなく、会場のサインボードなども自社でデザインし制作されている米惣動。
食べることと、買い物に集中していた時には気づけなかったのですが、一息つくと賑わっていた会場で、気になる音楽が流れていました。
「お米がどうとか」っていう、その歌詞にラップのような楽曲。これをスルーするわけにもいかず、私はこの謎の音楽について知る人物にお話を聞くことができました。
次回のVol.2では、米惣動のすべてを知るご担当者にこの音楽のこと、米惣動への想いについて伺った内容をお届けします!
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