2019.06.20. | 

[第1回]東京で自然と共存する飲食店から見える景色:国分寺で採れた旬の野菜限定のお店「SWITCH KOKUBUNJI」

駅のすぐ近くに綺麗な小川や緑が広がり、都内有数の畑面積を誇る、東京都国分寺市。この街の飲食店「SWITCH KOKUBUNJI」の店長・榎本彩(えのもと・あや)さんが、「都内」で自然と共存する、豊かな食文化に触れあう日々を綴ります。

はじめまして、国分寺にあるカフェ「SWITCH KOKUBUNJI」(以下SWITCH)店長の榎本彩です。

新宿駅から中央線で揺られること30分の国分寺駅。駅から10分ほど歩くと、名水百選の水が湧き出すお鷹の道があります。この街にはじめてきたときは、駅の近くにこんなにも美しい小川があることに驚きました。夏は蛍も見られるんですよ。まるで東京とは思えない景観が望める、水と緑のあるなんとものどかな場所なのです。

周辺には畑が点在していて、約300年前から農業が根付いています。きれいな水と空気の中で育ったお野菜は、市内の直売所で買えるほか、近辺の飲食店でいただくこともできます。国分寺のお野菜「こくベジ」を使った飲食店は、100店(!)くらいあるんですよ。SWITCHも、こくベジの美味しさを届けている飲食店のひとつです。

きっかけは1年半前。ひょんなことから「国分寺でカフェの店長をやらないか」とお声がけいただき、SWITCHを通してこの街の一員になりました。オープンにあたり、地域や環境に紐づいたヒトやモノにフォーカスし、そこにあるべき姿で根付くことをお店のコンセプトとして掲げました。まず目に止まったのがこくベジです。京野菜や鎌倉野菜など、地域の野菜をブランド化して他のエリアに流通させるのはよくある話ですが、農家と地元の飲食店を繋げ、市民に野菜を届けることを重視している点がこくベジの特徴です。

こくベジの公式サイトでは、取扱店舗の一覧が地図と写真で丁寧に掲載されています。その他、市の施設などでこくベジマップが貰えたりと、誰でもこくベジに会いに行きやすい仕組みづくりがされています。街中の飲食店がこくベジと書かれたお揃いの暖簾を軒先きに吊るし、街づくりの一端を担っている姿が印象的です。せっかく国分寺でカフェをやるのだから、SWITCHも当然その仲間入りをしました。そして、思い切って「SWITCHで使用する野菜は全てこくベジ」と決めて、サラダランチのお店としてオープンしたのでした。

そんなSWITCHも、今年の4月で一周年を迎えました。この一年を振り返ると、真っ先に思い浮かぶのが「旬の野菜って大変!」という心の叫びです(笑)。全てこくベジを使用するため、スーパーでお野菜は買っていません。きゅうり、トマト、じゃがいも、にんじん。スーパーには、こういった定番の野菜は一年中いつでも並んでいますよね。でも、一年中、同じ地域の畑でそれらを育てることはほぼ不可能です。SWITCHでは、その季節に収穫できるこくベジのお野菜だけでなんとか工夫しながらメニューをつくっています。「本当は、同じ野菜を一年中食べることってできないんだなあ……」と最初は戸惑いましたね。

「季節が変われば、お野菜も変わります」。

店内では、この言葉がいつも飛び交っています。一見、当たり前のように思えますが、スーパーで何気なく野菜を買っていると、日常的には体感できない感覚のように思えます。

この、日々のお野菜との奮闘ぶりとお客様との交流を、ぜひコラムにしてみませんかとお話しをいただき、Mo:take MAGAZINEにて連載をスタートすることになりました。つくり手を知り食材を仕入れることの豊かさと、お野菜の美味しさは繋がっています。みんながみんなを思いあって食でつながる毎日を、等身大のエピソードで綴っていけたらと思います。どうぞよろしくお願いします!

 



– Information –
店舗名:SWITCH KOKUBUNJI

住所:東京都国分寺市南町3-22-31 島崎ビル201

マッサージ屋さんの入っている建物2階

連絡先:050-1709-0492

営業時間:火-日 11:00-19:00

定休日:月

(月祝は営業、翌水曜が休み)

https://cafe-switch.jp/

榎本 彩

ライター / 榎本 彩

1992年生まれ。女子美術大学芸術表象専攻卒業後、コミュニティデザインに興味を持ち人と触れ合える飲食業界へ。2018年4月25日にオープンしたSWTICH KOKUBUNJIの店長となる。人や街をつなぐ食の可能性に魅了されながら日々奮闘中。